あの子がいった時は白くてぼんやりした影が何度も身体に戻ってこようとするのが見えた。あんな生きるのに辛い身体でも戻りたかったのか。もう戻らなくてもいいと私は思っていた。あの影は忘れられない。死ぬ前にまた思い出す。
魂の影か。あの子は自分の体に再び入ろうと足の方から飛びこむ。でもすり抜けてしまう。そしてもう一度と幾度も飛び込んでいた。あの苦しい肉体にはもう戻らなくていいよと思いながら見ていた。誰だったか「ごめんなさい、私には何度も体に入ろうとしているのが見えて、、」ああこの人も見えてるんだな