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寝入りばな馴染みの獏が枕もと三角コーンを置いて帰った
どこからを境界線と呼ぶのだろう風はきままに吹いているのに
この冬が終わったらまた春が来るいままでと別の春だとしても
秋の陽のかたちがあることフレームに収めるひとの温(ぬく)い眼差し
そこらじゅういいことの種が落ちていて誰のものでもないらしいので
名に香の字置きたる人の香もて旅の心はかろくなりゆく/蛇口ひろこ
名に香の字入りて半世紀を過ぎてその香を未だ嗅いだことなし
丁寧な暮らしは遠くわちゃわちゃと好きだけ抱えて泣いて、笑って、