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クジラと蛇口のいちごつみvol.5

1か月前

クジラと蛇口のいちごつみvol.4

5か月前

寝入りばな馴染みの獏が枕もと三角コーンを置いて帰った

4か月前

クジラと蛇口のいちごつみvol.3

7か月前

どこからを境界線と呼ぶのだろう風はきままに吹いているのに

7か月前

この冬が終わったらまた春が来るいままでと別の春だとしても

6か月前

クジラと蛇口のいちごつみvol.2

10か月前

クジラと蛇口のいちごつみvol.1

10か月前

秋の陽のかたちがあることフレームに収めるひとの温(ぬく)い眼差し

8か月前

そこらじゅういいことの種が落ちていて誰のものでもないらしいので

8か月前

地球上どこにも君がいない何度目の春かよ沈丁花咲く

8か月前

クジラと蛇口のトルネード vol.4

クジラと蛇口のトルネード vol.2

2023年7月26日 水曜日

クジラと蛇口のトルネード vol.1

クジラと蛇口のトルネード vol.3

名に香の字置きたる人の香もて旅の心はかろくなりゆく/蛇口ひろこ

2022年12月31日 土曜日

名に香の字入りて半世紀を過ぎてその香を未だ嗅いだことなし

地球上どこにも君がいない何度目の春かよ沈丁花咲く

リセットができない日々に「さて」という言葉のあること、さて、行きますか

丁寧な暮らしは遠くわちゃわちゃと好きだけ抱えて泣いて、笑って、

休日の終わりを告げる夕風がちりりと内の火を消してゆく

日記帳の白いペイジで日常は作られており結露拭く朝

50作めの話。

いちじくのケーキを選びいちじくの部分をつまみ満たされている

+3

角砂糖とけてわたしの隅々の至らぬ棘を柔くしてゆく

だんだんと灯り乏しくなる景色ふるさとに近い駅を過ぎれば

福岡の夜は愛知の夜よりもゆっくり始まりゆっくり終わる

絶対にカメラを見てはくれなくてレオンの横顔ばかり集まる

50作品めの裏話~クジラと蛇口~

ここが駅 だけど寄らずに行くからねいつか帰ってくるから待ってて

降り立った場所がふるさといつだって帰れるひとりと鞄ひとつで

陽だまりでサンが見る夢、記憶にないはずのサバンナでありますように

たてがみの向こうに広がる草原のにおいを舐めて確かめている

ラスボスと名前をつけた野良猫がお前も名乗れと見返してくる

今日あかり灯しましたよ変わりなく過ごしているからお茶にしましょう

満開の花海棠に誘われて無口な人よ饒舌になれ

歴史的雨がふりだし道端に紫陽花が咲くそして私も

反射するひかりの粒が海鳥のかたちと気付く 君に教えたい

ライオンの耳の穴ふかく微睡めばバオバブの歌がずっと聴こえる

今までのいちごがぜんぶ甘かったわけじゃないのだ舐めんな未来

金木犀が続く夜道にぽつぽつと雨、アスファルトがぶあっと薫る

NHK短歌 テキスト9月号に掲載されました。

裏話 2

NHK短歌 テキスト6月号に掲載されました

マスク下の奥歯をぎゆ、と噛み締めて濃い目の麦茶で夏が始まる

海の中かもしれず空かもしれず夢かもしれずここにいること

歴史的ハルにたまたま居合わせてまばたき、呼吸、そしてペヤング

抜け落ちた記憶が独り歩きしてあなたのもとへ届けば良いが