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クジラと蛇口のトルネード vol.2

写真のグループ展を開催する、と告知したら、短歌と写真のユニット「クジラと蛇口」として一緒に活動している、短歌担当の藤田美香さんが見に来てくれるという。福岡からわざわざ。

2023年5月17日 水曜日

私は午後から在廊予定だった。午前中に美香さんと行動してそのままギャラリーに向かえるのでは、と思ったけれど、展示を優先させて、というお言葉に甘えた。


始発にも乗れる時間に目が覚めるキャリーケースが空っぽのまま

三十度超える予想の(まだ五月)到着口にともだちがいる

藤田美香


美香さんはそろそろ発ったかもう着いたか布団の中でスマホを探る


少し前に、必要になってからでは間に合わないかもしれないので、無駄になっても惜しくないように、と別件で買ったユニクロの黒ジャケットとパンツ。着る前に必要なくなったので、在廊のときに着ればいいのでは、と思いついた。しかしその日は5月とは思えない暑さだった。


黒ジャケット着るにはさすがに暑すぎて短歌Tシャツ引っ張り出した



美香さんは、熱田神宮にいるらしかった。

天照大神アマテラスオオミカミから末吉を賜っている『心を正せ』

藤田美香
撮影:藤田美香

願掛けの水がぜんぜん届かないわたしの願いは何だったろう

藤田美香

私は熱田神宮にちゃんと参拝したことがない。


妹の結婚式と友人の結婚式しか行ったことない熱田神宮


美香さんが来るのを在廊して待つ。


昨日お茶してたみたいなテンションで再会している いたいた、なんて

藤田美香


美香さんが名古屋の友と現れて
みんな親切やけんと笑う



ギャラリーで迎える大好きな人人人わたしもうすぐ死ぬかもしれない


美香さんたちは先に平和園へ。
私はギャラリーを閉めてから行く。


焼き豚におかえりの文字浮かび出てただいまと食む平和園にて

藤田美香



初めての小エビの玉子炒めを懐かしい人と初めましての人と


好きな人ばかりがいるなこの世にはビールは手酌でいいの、ほんとに

藤田美香


ほんとうに手酌でビールを飲み続ける美香さんたちを撮り続けていた



全員で宿まで歩く喧騒のこんな小夜曲忘れないよな

藤田美香


入ったら帰ると言ってあったのに出てきてずっと手を振る美香さん

曲がり角見えなくなるまで手を振って見えなくなっても手を振っていた

藤田美香


次の日は、名古屋港水族館に行くことだけが決まっているという。起きることができたら一緒に行く、というあやふやな返事をして別れた。
展示はまだ続いている。次の日の在廊は、当番の人に甘えることにした。


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