Χαιατο Ιοσιντα

1989年、福島県保原町生まれ。早稲田大学文化構想学部卒。大学院仏文科修士修了、博士課…

Χαιατο Ιοσιντα

1989年、福島県保原町生まれ。早稲田大学文化構想学部卒。大学院仏文科修士修了、博士課程満期退学。角川短歌賞、現代歌人協会賞ほか受賞。歌集『忘却のための試論』『霊体の蝶』、エッセイ集『死にたいのに死ねないので本を読む』。連絡先:ysd8810@gmail.com

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近況(le 27 décembre, 2023)

ごぶさたしております 清水寺でやっているように今年の漢字を一字選ぶとしたら「病」でした COVID-19にはワクチンとひきこもり生活のおかげで一度もかかっていないのですが、今年はそれ以外のところで病むことが多かったです 春先にはここ2年ほど通っている近所のメンタルクリニックで、いろんな薬を試してもうつ病が治らないから、もう入院するしかないのではと言われてビビり散らかしました 結果、入院はしなかったのですが、何かあったときのために実家の親と密に連絡を取るようになりました そし

    • 近況(le 2 août 2022)

      3月いっぱいで非常勤が終わったら死ぬつもりだったのだけど、4月から1年間の予定で連載が始まってしまったので延期することにした。新著の印税でまとまったお金があったこともすぐに死ななくても良かった理由に挙げてもいい。しかし「これに通ったら死ななくても済むかも」と思っていた公募があったのだが、あっけなく落とされたのでたぶん死ぬしかない。 しかしその連載も第1回だけ書いて、いま止まっている。なぜかというと、5月下旬に元指導教員に呼び出されて博士論文を仕上げなくてはならなくなったから。

      • 翻訳の(不)可能性をめぐって――谷崎潤一郎と九鬼周造

        12年後からのまえがき ここに載せる文章は、大学三年のときゼミで出す論集に寄せたレポートです。当時ゼミでは谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』を読んでいて、これを九鬼周造の『「いき」の構造』と比較検討するといった課題を先生に示唆され、こんなものを書いたのでした。以前やっていたブログに載せたこともあるのですが、ブログを消してしまったので、思い出したついでにここに載せる次第です。若書きですが、思い入れのあるものなので。 本文  いささか楽屋裏じみた話から始めると、谷崎と九鬼は同時期に旧制

        • 日記(le 18 janvier 2022, mardi)

          ひさびさ再開のこと半年ぶりぐらいでnoteを書く。改行とかいろんなインターフェイスが変わっていて戸惑っている。 半年間、非常勤講師を週に1コマだけだが受け持って、それもテクストを指定してほとんど学生に話させる演習なのだが、それに追われて何もできなかったに等しい。鬱病が悪化して無職で何もせずひきこもっていたのを、無理に人前に出て喋るのだから大変である。鬱のせいで本も読めないのに難しいテクストを指定してしまったから、下読みやら何やらも大変だし、1週間7日のうち1日働いて残りの6

        近況(le 27 décembre, 2023)

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        • 短歌関係の文章
          10本
        • 日記的な文章
          25本
        • 研究関連のノート
          10本
        • 読書ノート
          1本
        • その他の文章
          16本
        • 映画関係のメモ
          4本

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          日記(le 17 juillet 2021)

          真方敬道について新たにわかったこと東北大で長年にわたり古代中世哲学を教え、自身は西洋中世哲学における個体論を軸に研究をしていた真方敬道(まがた・のりみち)という哲学者については、前にも少しメモを載せたことがありました。とにかく気になる人で、いつか時間とお金、それに世の中に余裕ができたらきちんと調べたいと思っています。 そんなわけで今回もメモへの付け足し程度でしかないのですが、真方について調べてみてわかったこと2件を新たに記録しておきます。どちらも国会図書館に遠隔複写を頼んで資

          日記(le 17 juillet 2021)

          Journal intime (le 9 juillet 2021)

          いつ眠ったのかわからないぐらい眠り、いつ起きたのかわからないぐらい眠った。1日のほとんどを眠って過ごした。ただでさえ昼夜逆転の日々、さらに過眠の傾向があり、かくて起きていた時間の記憶のほうが乏しいという1日が生まれてしまった。起きていた時間は確かにあったはずなのだが、起きていた時間にしたことすら断片的にしか思い出せない。 マスクを着けずに郵便受けを見に行った。 いちごバナナスムージーを飲んで、気持ち悪くなって流し台に吐いてしまった。後始末がひどく大変だった。 希死念慮や厭世感

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          Journal intime (le 9 juille…

          日記(le 5 juillet 2021)

          好きだった声優ソング、アニラジソングのいくつかのこと先日、VTuberの人が主題歌をうたったとかで「ギャラクシーエンジェル」がツイッターのトレンドに入ったり、シャフト作品で名作だと思うのは何か?というランキング記事が出たりして、懐かしいアニメの名前をたくさん見かけて、なんだかセンチメンタルな気持ちになってしまった。 「ギャラクシーエンジェル」は中学のころCSを契約しているテニス部の仲間にVHSに録画したものを譲ってもらって見たのが懐かしいし、シャフト作品なら、上京前に見てオー

          日記(le 5 juillet 2021)

          【ネタバレあり】「ゴジラVSコング」を観てきたぞ

          ……というわけで、感想を箇条書きで。 ・人間ドラマは前2作と同じで、相変わらずどうでもいい(とはいえ後述の通り、怪獣どうしの戦いも描写が今ひとつであまり興奮しない。正直なところ大味すぎる出来)。 ・いちおう手短に説明しておくと、人間ドラマパートでは2つのチームの物語が同時進行する(この2組は最後まで特に交わらない)。一方は、キングコングと手話でコミュニケーションが取れる唖の少女を利用して、コングに水先案内させることで、前作で明らかになった地球内部の空洞に突入しようとするチ

          【ネタバレあり】「ゴジラVSコング」を観てきたぞ

          漫画版『うつ病九段』をうつ病?の自分が読んだ感想など

          漫画版『うつ病九段』をどうにか読み終えた。長谷正人先生がすすめておられたので原作本は既に読んでいるし、文春オンラインで連載されていた漫画版も全部読んでいたし、いわば何度目かの再読ということになるのだが、脳がダメになっているのか内容を全然覚えておらず、たまに「あっ、ここ連載中に読んだな」と気付く程度だった。 なお僕はいちおう「うつ病」という診断を仮につけられてはいるが、双極性障害や難治性うつ病ほか別の病気である可能性も消えていないことを付記しておく。 パンデミック前の話パンデ

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          漫画版『うつ病九段』をうつ病?の自分が読んだ感想など

          水野しず『きんげんだもの』を読んだ

          水野しず・著『きんげんだもの』(幻冬舎、2021年)から、気に入った金言を順不同で紹介していきます。なお引用するのは金言のみです。金言よりもありがたい内容が書いてあるコラム?エッセイ?のほうは敢えて引用しないので本を買って読みましょう。あと金言に添えられたイラストもGood!なので買って読みましょう。 この世で最もありがたいのは 水 これは真理ですね。僕は糖尿病予備軍なのか心因性多飲症なのか知りませんが、とにかく水を飲み続けないと死ぬタイプの人間なのでなおさら。水不足の土

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          日記(le 29 juin 2021)

          相変わらず読めないし書けないことどうせ一日じゅう時間を持て余してスマホばかり見ているのだから、無料の青空文庫で「名作」とされる作品を読んでおこうと思っていた。具体的な名前を挙げれば、漱石、鷗外、潤一郎といったところ。このあたりは主要作品が青空文庫に収められている。実際、パンデミック前の助手時代には眠れない夜のつれづれにタブレットPCから鷗外の『渋江抽斎』を読み通したことがある。それでも、助手時代と比べて鬱が悪化したのか、漱石も鷗外も谷崎も手が出せない。それなりの長さのあるもの

          日記(le 29 juin 2021)

          いわゆる「進歩的文化人」たちのWikipediaページについて

          タイトルの通り、いわゆる「進歩的文化人」とみなされる作家・評論家・学者などのWikipediaページに関して、思うところがあったので記事にします。具体的に言えば、その人物の功績以上に、戦前戦中と戦後の言動の不一致や旧社会主義国およびその指導者への親和性の高さなど、糾弾の対象となるような記述が(恐らく右派のウィキペディアンによって)いささか不当なかたちで強調されていることです。 現状、ある人物について調べようとすればまず出てくるのがWikipediaであり、そのとき読者に功績や

          いわゆる「進歩的文化人」たちのWikipediaページについて

          日記(le 24 juin 2021)

          ワクチンを打ってきたこと6/23(水)17:15、ワクチンを打ってきました。前夜たまたま区のポータルサイトを見てみたら、翌日と翌々日の予約が空いていたためこれ幸いと予約した次第です。僕はBMI30以上の肥満のため「基礎疾患」扱いで受けられるのも幸いしました。一般枠だと競争が激しくて、接種はもっと後になっていたでしょう。実際に接種会場に行ってみると高齢者などの接種はあらかた終わったらしく、区の職員らしき人たちも接種を受けていました。会場は自宅からすぐのところにある区役所の出張所

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          日記(le 24 juin 2021)

          そうまでして「大人にならなくてはならない」の?〜「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を観て思ったこと〜(ネタバレあり)

          6/21(月)、無職の特権を活かして平日昼間の回を選んで、がんばって早起きして(4時就寝8時起床)月曜朝9時からの回で「シン・エヴァンゲリオン劇場版」をようやく観てきた。当日深夜放送の「シン・エヴァンゲリオンのオールナイトニッポン」合わせで観に行った。 月曜の朝一なのにそこそこ観客がいてびっくり。そして、冬の寒さが残るころ上映開始したのに、実際に観に行く頃には夏の暑さが本番に近付いているあたり、鬱が悪化して自分の決断力・判断力が極端に落ちていることを思い知らされる。 封切館に

          そうまでして「大人にならなくてはならない」の?〜「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を観て思ったこと〜(ネタバレあり)

          日記(le 21 juin 2021)

          (※2021.6.23. 16:30追記) せっかくたくさんの「スキ」をいただいたところ申し訳ないのですが、エヴァの感想部分、書き足していたら長くなってしまったので別の記事に独立させました。本当にすみません。 防人の詩を聴いて泣くような人間であること昔やっていたブログで、当時使っていたiPod nanoの再生数上位ランキングを公開したら、かなり上の位置にさだまさし「防人の詩」があったことを後輩に笑われたことがある。実際、文弱の徒で間違っても戦争なんかには賛成しないタイプなの

          日記(le 21 juin 2021)

          日記(le 19 juin 2021)

          ツイッターのアカウントを分けたことツイッターのアカウント、メインで使っていた @hashida_toyoya が政治系RT(左派・反ネトウヨ)や時事ニュースの紹介(主にパンデミック関連)と希死念慮に偏ってしまい、短歌に関する話題や告知が埋もれてしまいがちだったので、短歌アカウントとして @Hayato44da をあらたに立ち上げました。まだフォロー/フォロワーなど試行錯誤中なのですが、今後は短歌関係のツイート(主に告知など)はこちらでしていこうと思います。とりあえずメイン垢の

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          日記(le 19 juin 2021)