日記(le 24 juin 2021)

ワクチンを打ってきたこと

6/23(水)17:15、ワクチンを打ってきました。前夜たまたま区のポータルサイトを見てみたら、翌日と翌々日の予約が空いていたためこれ幸いと予約した次第です。僕はBMI30以上の肥満のため「基礎疾患」扱いで受けられるのも幸いしました。一般枠だと競争が激しくて、接種はもっと後になっていたでしょう。実際に接種会場に行ってみると高齢者などの接種はあらかた終わったらしく、区の職員らしき人たちも接種を受けていました。会場は自宅からすぐのところにある区役所の出張所のようなところで、方向音痴の僕でも安心です。当日は家で予診票を書いて持って行きます。他に身分証と接種券が必要でした。
当日は密を避けるため指定された時間よりも早く来ないようポータルサイトには書いてあったのですが、いざ10分弱ほど早く行ってみると、空いていたこともあってすぐ会場へ案内されました。手続きは同じ会場でおこなわれる選挙の期日前投票などと比べると少し煩雑に感じました。検温のほか、いくつか窓口のようなところがあって、何度か予診票・接種券・身分証などを見せることになります。僕は車酔いがひどいこともあり運転免許を持っていないため、身分証はパスポートを持って行きました(マイナンバーカードも持っているのですが、念のため両方持参しました)。

ここからは余談になりますが、パスポートは高校時代に修学旅行(シドニー)のために取ったものが切れていたのを、博士課程4年(学振DC2の2年目)のときに取り直しました。大著『La langue littéraire』の共著者で、バタイユについてもいくつか論文のある言語学者・文学研究者のGilles Philippe教授に就いて勉強するべく、学振の制度を利用してスイスのローザンヌ大学へ留学するつもりで取得したものでした。このときは結局、書類の不備などで留学できなかったので、身分証として使っています。身分証としては少し高い買い物になりました。

さらに余談を続けると、パスポートを取り直す前に、身分証として使うため「小型特殊」の免許を取ろうとしたことがありました。先輩で身分証のために原付免許を取ったという人はいましたが、小型特殊はさすがにいなかったようです。小型特殊免許というのは耕運機などを運転するためだけの免許で、戦後の農村とかならともかく、現在ではほぼ使用する機会がない、生きた化石のような免許です。(他にもフォークリフトなども運転できるようですが、わざわざ小型特殊を取るよりはつぶしの効く普通免許を取る人のほうが圧倒的に多いと思います。)
もし小型特殊免許を取る人がいるとすれば、それは十中八九、いわゆる「フルビット免許」を狙う人のはずです。運転免許は、たとえば先に普通免許を取ってしまうと原付や小型特殊も普通免許で乗れるため、「普通」の枠だけが埋まって、「原付」や「小特」の枠は空欄のままになります。これを順番を工夫する(たとえば普通免許を取る前に原付と小型特殊の免許を取っておくなど)ことで、免許証のすべての枠を埋めるのを目指すのが「フルビット免許」なんだそうです。
しかし小型特殊の免許を取ろうとしても、耕運機の免許なんてマイナーすぎて問題集すらありません。似たような形式の問題が出る原付の問題集を参考にするしかないようですが、小型特殊に特有の問題も出るとのことで、受験するならそちらの予習も必要でしょう。試験は原付と同じく筆記だけですが、原付と違うのは試験後の講習がないことです。僕はひどい運動音痴のため、もし原付の免許を取るとしたら、首尾よく筆記試験に通ったとしても、試験後の講習でとんでもないヘマをやらかすのではないかと怖いため、原付ではなく小型特殊を取りたいと思ったのでした。ちなみに小型特殊免許は受験料も原付より少し安いそうです。結局、余裕がなくて取得は諦めたのですが。
以上、余談終わり。

ワクチンの接種会場では持参した書類を見せるほかに、緊急連絡先も記入させられました。アナフィラキシーや迷走神経反射を起こした際のためのようです。僕は福島の両親の連絡先を書いたのですが、もし万一の事態が起きたとき直ぐ駆けつけるわけにもいきませんし、それで大丈夫なのかはよくわかりません。そういえば上述のように病院ではなく区役所の出張所のようなところで受けたのですが、もしものときの対応は大丈夫なのでしょうか。もちろんアナフィラキシー対策のアドレナリン?の注射など必要なものは用意されているのでしょうが。もしものことがあったとき誰に頼ればいいのかと思ったのですが、会場の人たちはみんな白衣のような恰好をしているため、どの人がお医者さんでどの人が看護師さんでどの人が区の職員なのかよくわかりません。ちょっと心配。
会場はかなり空いていたため、手続きが終わると待たされることなくすぐ接種場に通されました。まず予診票を見ながら医師による予診を受けます。本当に軽く確認する程度です。その後、予定より数分早く17:13に接種を受けました。本当に一瞬チクッとしたかしないかぐらいで、筋肉まで刺して薬液を注入しているとは思えませんでした。本当に注射を打たれたのかわからないような感じです。
親知らずを抜くのに入院して全身麻酔でやってもらったぐらい臆病な僕でも何にも問題ありませんでした。ちなみに親知らずを抜くときに「通い慣れた早稲田の戸山キャンパスから近い」という理由から入院したのは、いまCOVID-19治療の最前線になっている国立国際医療研究センター病院です。
注射のあとは15分の経過観察があります。これが意外と長く感じました。スマホをいじって過ごしていると、職員さんらしき人がが来て、次回の予約について案内をしてくれました。それによると、今後は一般接種も始まるため、しばらく予約が埋まっているとのこと。区内の別の会場なら早く受けられるんですけど……と打診されたのですが、道に迷うのが怖いので次回もここで受けたいと希望しました。この会場だと予約が空いているのが7/30(金)以降と言われ、7/30の17:15で予約を入れてもらうことに。1回目と2回目の接種の間隔が1ヶ月以上あいてしまうことになりますが、仕方ありません。間隔が多少あくぐらいなら問題はないどころか、むしろ間隔があいたほうが効果が高まるかも知れないと前にニュースで見ましたし、大丈夫でしょう。
そのあとまたスマホをいじっているうち、いつの間にか経過観察が終わっていました。特に誰からも何も言われなかったのでそのまま会場を出て、出口で職員に予診票と接種票を渡します。予診票は控えをもらい、接種票には1回目を接種した証拠のシールを貼って返してもらいました。
接種のあと一晩過ごしたわけですが、特に副反応らしきものは出ませんでした。朝になってから少しずつ注射を打ったあたり(左腕の肩と二の腕の間ぐらいのところ)にボンヤリした筋肉痛のようなものを感じ始めました。翌日(つまり今日ですが)正午過ぎぐらいが痛みのピークだったものの、普通の筋肉痛と変わらない程度で、特に痛み止めなどを飲む必要は感じませんでした。痛むのも腕を動かしたときだけで、じっとしていれば痛みもありません。14時過ぎぐらいには意識しないと痛いと思わないぐらいにまで薄れてきました。ただ副反応が出てしんどいのは2回目のほうだと聞いているので、慢心せずに次の接種を待ちたいと思います。なお、副反応については個人差がかなりあるようなので、あくまで一例としてお考えください。

歌詞と死別のこと

少し前に乃木坂46の鈴木絢音さん(秋田県大潟村出身)がブログに、サブスク配信が始まった大瀧詠一の代表作「A LONG VACATION」を敢えてCDで購入したと書いて写真を上げていました(ちなみに別のブログによると「カナリア諸島にて」がお気に入りらしい)。そのことで思い出したのですが、このアルバムでいちばん有名な「君は天然色」歌詞は、松本隆(大瀧とははっぴいえんど以来の付き合い)が妹との死別をうけて書いたものなんだそうです。「想い出はモノクローム 色を点けてくれ」というフレーズは、妹に先立たれて世界が何もかも色を失って見えた経験から来ているとのこと。そういえば「君は天然色」は1981年の曲ですが、翌1982年やはり松本隆の作詞で大ヒットした寺尾聰「ルビーの指環」歌詞にも「枯葉ひとつの重さもない命 貴女を失ってから……」というフレーズがありますが、時期からいってこれも妹さんを亡くした経験が反映されているのではないかと思います。(なお、あまりにも有名な歌い出し「曇り硝子のむこうは風の街」は、はっぴいえんどの「風街」から来ているのでしょう。)
こうした死別の経験を失恋に置き換えて作詞された楽曲に、五輪真弓「恋人よ」があります。これは初期のプロデューサーだった木田高介の訃報を受けて、五輪が作詞作曲したものなんだそうです。歌詞を聴いていてなんとなく、ただの失恋の歌とは思えない、もっと深刻な別離をうたったもののような気がする……と勝手に感じていたのですが、どうも正解だったらしい。

また余談になりますが、このプロデューサー木田高介は、グループ・サウンズ時代に異彩を放ったロックバンド・ジャックスのメンバーだったことでも知られています。僕はこのジャックスの代表曲「マリアンヌ」が好きで、陰気なうえにアングラな印象の楽曲なのですが、よく聴いています。この曲の歌詞ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の映画「わが青春のマリアンヌ(Marianne de ma jeunesse)」から想を得たものなのですが、同じ映画からヒントを得て作詞されたもっと有名な曲に、THE ALFEEの「メリーアン」があります(メリーアンはマリアンヌの英語読み)。歌詞をジャックスの「マリアンヌ」と比べてみると面白いかも知れません。個人的には「メリーアン」というと、紅白歌合戦で鈴木健二アナウンサー(往年のNHK人気アナウンサー。著書『気くばりのすすめ』なども有名)が「レッツゴー・アルフィー、メリーアン!」と曲紹介したのが妙に印象に残っています。

さらに余談になりますが、「わが青春のマリアンヌ」の監督デュヴィヴィエの代表作に「望郷(PÉPÉ LE MOCO)」という映画があるのですが、名作ドラマ『傷だらけの天使』最終回で岸田森西村晃が真剣勝負のさなか、互いにこの映画を名画座で観た思い出を語り合う名シーンがあって、岸田森ファンの僕はこのシーンがすごく好きだったりします。台詞はシナリオ映像で微妙に違うのですが、岸田森のセリフに出てくる「池袋の人世坐」「文芸坐」の姉妹館です。そして閉館した「文芸坐」をパチンコ店が取り入れるかたちで再開させたのが今の新文芸坐。岸田森の大ファンで新文芸坐によく行く僕には嬉しい符号でした。……

閑話休題。死別と歌詞との関係というときに、死別を失恋に置き換えたというのはまだわかりやすいのですが、判断が難しいのはちあきなおみの名曲「喝采」です。この曲は失恋ではなく明確に「死別」をテーマにした歌詞で、ちあきの親しい人の死をうけてうたわれた「私小説」的な歌としてプロモーションされたそうなのですが、実際は作詞家の吉田旺が九州から上京したときの思い出を膨らませて書いたのだとか。それが偶然の符号でちあきの死別体験と重なった、という話(以上Wikipedia参照、ただし「要出典」が付いているためどこまで信憑性があるかは不明)。
ところでちあきなおみの夫は郷鍈治といういかつい顔をした俳優で、僕の大好きな「直撃地獄拳 大逆転」「新幹線大爆破」といった映画に出演して強烈な印象を放っています。しかし後年は俳優業からフェードアウトして裏方にまわり、妻のちあきをサポートしていました。そんななか「喝采」という歌が予言したかのように、ちあきはこの夫と死別してしまうのです。歌というか言霊というか、あまりオカルトなことは信じたくないのですが、ちょっと怖くて悲しいものを感じます。「喝采」の主人公は死別を経てなおステージに立ち、今日も恋の歌をうたうのですが、ちあきなおみは最愛のパートナーとの死別に耐えられず、今に至るまで歌手を含めすべての芸能活動を休止しています。
死別をほかの題材(失恋など)に置き換えた曲がある一方で、ほかの題材(上京)から作られた死別の歌が本当の死別を招き寄せてしまうようなこともある。歌というもの、歌詞というものについて考えさせられます。

「かんむりとかげ姉貴」のこと

同人作家・イラストレーターの「かんむりとかげ姉貴」のことはいくつかの匿名掲示板で名前をみかけて知りました。掲示板ではかんむりとかげ姉貴・かんむりとかげネキなどと呼ばれていましたが、正式には「かんむりとかげ」はサークル名で、ご本人のペンネームは「つん」さんです。当初は「サウスパーク」の同人・ファン活動をしておられたのが、やがて美少女麻雀漫画『咲』(後述)にシフトしたことで一部界隈から知られることになり、作品のクオリティの高さとそこに注ぎ込む熱量のすさまじさから畏敬の念をこめて「姉貴」と呼ばれるようになったようです。
あまり詳しくないので間違ったことを言ってしまったら申し訳ないのですが、『咲 - Saki - 』(作:小林立)という麻雀漫画は、麻雀がスポーツとして学生・プロともに各国で人気という世界観で画かれています。特に女子麻雀のほうがレベルが高いようで、登場人物のほとんどが女性です(当然のことながら二次創作のカップリングもいわゆる「百合」が大半を占めます)。そんな世界を舞台に、主人公の宮永咲と彼女が所属する清澄高校(長野県)が、全国高校麻雀選手権でさまざまなライバルたちと出会い、戦い、麻雀を通じて対話していく……というようなお話。乱暴に言ってしまえばかわいい女の子たちが麻雀で甲子園をやるような漫画ですね。全国大会を描いた作品ということでたくさんの出場校と選手たちが登場するほか、彼女たちにかかわるプロ選手やアナウンサーなどキャラクターの数はかなり膨大です。そんな事情もあって本編以外にも小林立・原作というかたちで、作画を他の漫画家が担当するスピンオフ作品が、ライバル校のひとつを舞台にする『阿知賀編』をはじめ多く生まれています。僕は麻雀のルールも知らないし漫画やアニメのほうもちゃんとフォローしているわけではないのですが、それぞれのキャラクターが性格とリンクしたフィクションならではの個性的な特殊能力を駆使して戦い、一方であくまで学生スポーツなので試合が終わればノーサイド、新たな友情が生まれるというあたりが好きです。ちなみに漫画に登場しないような細部まで恐ろしく設定に凝った作品なのですが、そういった細部までおろそかにしない姿勢から休載も多いうえに物語の展開もかなりゆるやかで、結末までたどり着けるのかわからない大河漫画になりそうな予感がしています。まあ設定が細かいからこそ『阿知賀編』のようなスピンオフも描かれることができるのでしょうが。
そんな『咲』のなかでも僕が特に好きなのは全国大会編で登場する東北勢・岩手県の宮守女子高校の面々です。やはり東北勢を応援したい。「遠野物語」を下敷きにした5人の個性豊かな部員たちを、やり手の顧問・熊倉トシがまとめていくようなチームで、ちなみに付言すると熊倉先生は『咲』世界では貴重な福島県出身者でもあります。同郷!
個人的には宮守メンバーのなかでも特に姉帯豊音(あねたい・とよね)というキャラが好きです。197cmの長身に黒づくめの服装、ギラリと光る赤い目……といった外見とは裏腹に、ミーハーで小動物のような性格の女の子。「ちょー○○だよ〜」が口癖です。山奥の村で「しきたり」に縛られ、友達もおらずテレビなどを見て麻雀をおぼえたのですが、顧問の熊倉先生が交渉して宮守女子に転校させ、麻雀部に入部させました。ミーハーな性格ゆえ全国大会では各校の有名選手にサインをせがむのですが、実はサインをせがむのは単にミーハーだからというだけでなく、ずっと孤独だった豊音にようやくできた仲間たちとの大事な思い出のしるしでもあるのでした。泣けます。姉帯さんも泣きます。常人離れした長身などは、遠野物語の「山女」がモチーフであることを作中でほのめかされています。麻雀の試合では六曜(仏滅、友引、赤口、先勝・先負など)にちなんだ能力を駆使して戦うタイプの選手です。
で、「かんむりとかげ姉貴」ことつんさんに話を戻すと、彼女は宮守メンバーの全員に惜しみなく愛をそそぐのですが、特に遠野物語の「マヨヒガ」がモチーフで「ダルい」が口癖(その割にイケメンな振る舞いも多い)の小瀬川白望(こせがわ・しろみ)と、世話焼きで名前の通り相手の打ち方を「塞ぐ」能力をもつ臼沢塞(うすざわ・さえ)の「シロ塞」カップリングを特に好むことでしられています。公式で「シロ塞」に動きがあると狂喜乱舞してブログに愛が溢れた記事を書くことで、熱狂的な『咲』ファンの同人作家として有名になりました。特に彼女を有名にしたのが、単行本予約特典の一枚絵(海辺のシャワー室で半裸の白望と塞がたわむれている)をうけた記事での、

シロ塞は手をつなぐのにも勇気が要るようなほんのりカップルだと思ってたのに既に肉体関係を持っていただなんて

立先生のシロ塞はシャワー室という簡易密室でこれから青姦おっぱじめようとしてるというのに私の原稿のシロ塞のヌルさは何なの?シロ塞は妄想じゃなくて現実に存在していたの?なんで塞さん巨乳になってるの?これは塞さんの白昼夢なの?

正直まだ困惑しています

今回のシロ塞については私の残りの人生をかけてゆっくり理解していきたい

といういささか暴走気味のコメントでした。もはや「推し」とか「沼」とかの域を超えてしまっているようにも思えます。ファンアートのクオリティの高さと相まって、『阿知賀編』のようにスピンオフ『咲 宮守編』をつんさん作画でどこかに連載できないものかと望むファンもいるほどです。
発表される同人誌も基本的に「シロ塞」もの(律儀に献本なさったのか、あるいはファンが送ったのかわかりませんが、なんと国会図書館にも収蔵されています)がほとんどです。しかし偏狭なファンではなくキャラクター全員(宮守以外も含め)に熱い愛を向け、イラストやグッズなどを発表してこられました。さらに上述のように『咲』という作品は作中に登場しないものも含め詳細な設定をふまえて描かれているため、つんさんは同人誌執筆などのファンアート作成にとどまらず、岩手の地名の由来や変遷、民間伝承を詳細に調べてブログに調査経過を報告し、さらには実際に岩手に足を運ぶことも少なくありませんでした。文献調査、史料の検討フィールドワーク……と、もはや研究者以外の何者でもありません。高品質のファンアート作者にして設定を掘り下げる研究者。マジパネェっす。
その後は『咲』のキャラクターに全国各地の実在する学校の制服を着せたイラスト集『制服咲道楽』シリーズを発表したのを皮切りに、制服(主にその個性あふれるデザイン)研究に活動の中心をシフトしていきます。女子の制服のみならず全国の学校をくまなく調査しておられ、ブログには僕の母校(元男子校)も「県名を冠する高校」という記事で少しだけ取り上げられたことがあります(以下文中の「福高」が僕の母校・県立福島高校です。「安積(あさか)」は郡山にあるライバル校・県立安積高校のこと)。

もちろん高高と前高、福高と安積みたいに実績が拮抗していてどちらがトップと言い切れない県も多いですし、サイトによっても±3くらい平気で違ってくるので参考程度に見て頂ければ…。

近年は制服を調べるなかで、戦前の群馬の女学生たちの間で普及していた「袴章(はかましょう)」に着目され、研究の成果をイラスト集というかたちで公にしておられます。袴章というのは、袴につける徽章のようなもの。ほとんど資料も記録も残っていないなか、独自に調査を進めてイラスト集にまでまとめ上げられた熱意と労力にはただただ感服するほかありません。この活動では毎日新聞(※有料記事注意)から取材を受けておられるほか、ねとらぼでも記事になっています。
熱量のすごさと、愛に裏打ちされた緻密かつ執拗なまでの調査にはつくづく頭が下がる思いです。しかも、つんさんは大学等の機関で民俗学・地方史・教育史・服飾史などを専門的に研究しているというわけでもない(はず)、いわば最近はやりの「在野研究」の人です。研究成果は論文ではなくイラストのかたちをとって、同人誌やブログ、ツイッター、pixivなどで発表されます。もし自分がこの先幸運に恵まれてアカデミアに残れるにせよ、あるいは在野というかたちで研究に携わることになるにせよ、「かんむりとかげ姉貴」こと、つんさんの研究にかける熱い姿勢を少しでも見習っていきたいと思うのでした。

鬱日記(読まないこと推奨)

ここから有料になります。有料と言っても「カネ払って読めや!」ということではなく、ツイッターに鍵をかけるような感じなので本当にお金を払ってまで読まなくていいです。むかしバイトがつらかった頃、ツイッターにフォロー0・フォロワー0の鍵アカウントを作って、ひたすらそこに不安や愚痴をつぶやいていたのですが、そんな感じです。ツイッターは字数制限があるから考えをまとめにくく、今はEvernoteがその役割を担っているのですが、最近のアップデートで使いにくくなってしまいました。特に過去のノートを遡って読みたいときなど、スマホからの使い勝手が悪いです。そんなわけで実験的にnoteを使っているだけなのです。どうか放っておいてやってください。

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