最近の記事

大好きな人も大嫌いな人も縁があるからこそ出会う

「最後に皆さんに一言だけ言わせてもらって、お別れしますね。私のおばあがこんなことを言っていたんです。『大好きな人も大嫌いな人も縁があるからこそ出会うんだよ』と。皆さんとお別れすること、ゆきえ姐姐(ねえねえ)はとっても寂しいけど、人と人の出会いは好きな人も嫌いな人も縁があるからなんですよ。また、いつか沖縄に遊びにきてくださいね。」 そう、沖縄訛りで話すバスガイド、ゆきえ姐姐とはこの日限りだった。 今まで一人旅をしてきた僕にとって、バスガイドの話はいつも面白い。 〝いつも〟と

    • 愛を持ってブチギレる

      舐め腐った態度を取ってきた生徒がいた。 僕の心は一瞬で煮え立った。 「舐めんな、小僧」と。 速攻、体育館から連れ出そうとしてブチギレる寸前で、一度考えた。 〝自分は舐めた態度を取られたから、この生徒にブチギレるのか、それともこの生徒の将来を考えた上でブチギレるのか〟と。 感情に任せ、この生徒にブチギレて怒りをぶつけ、萎縮させることは簡単にできるが、それは自分のエゴ。 それに彼らは数日後に僕と見学旅行で沖縄に行く。 楽しみにしている見学旅行を、萎縮させたまま一緒に行くの

      • 旅人のこころと旅人の心

        「北海道の皆さん、若い旅人がそちらへ行くのでそちらへ行ったらよろしくお願いします」 そんな友人のポストをSNSで目にした。 SNSでそんな旅人を紹介する、彼も良き旅人。 若き頃から旅を続け、旅人の香りを身にまとっている男だった。 「こちらへ来るようなことがあれば、いつでも」 コメントにそう残すと、その若い旅人に伝えておくと彼は言った。 名前も年齢も知らない一人の旅人。 手がかりは、どこで買ったのか分からないようなニットの帽子と、一周回ってレトロなデザインのサングラス

        • 結果にこだわらない

          地獄のステージを味わった。 サックス演奏の依頼を受けて、ステージに立ったものの最初の曲で頭が真っ白になり、全くプレーできなかった。 文字通りの「頭の中が真っ白」に。 「恥ずかしかったか?」と問われると、もちろん恥ずかしかった。 でも「どうだった?」と問われると、良い経験ができたと言える。 サックスを始めて1年半。 それなりにいくつかのライブをこなしてきたが、もちろん今でも緊張はする。 「緊張しない人だと思ってた」と時々言われるが、他の初心者と同じように緊張はする。 な

        大好きな人も大嫌いな人も縁があるからこそ出会う

          本当に他人との価値観の違いを受け入れることできます?

          「価値観の違いを受け入れよう」 ここ近年そんな声が、色々なところから上がってくるようになった今の日本。 背景には、人種差別やLGBTなどが私たちの生活に表面化してきたことがあるからかもしれません。 それに拍車をかけるように、「開かれた日本」やSNSがインフラ化したことで、耳障りの良いキーワードが多くの人のマインドに刷り込まれていったようにも映ります。 さて、僕も世界各国色々な国や町を見てきて、いくつかの国や町、もっと言えば部族の集落でも生活をしてきました。 もちろん日本

          本当に他人との価値観の違いを受け入れることできます?

          十六の縁

          どこか遠い所から聴こえる音があったが、どこにいるのさえ分からない。 そもそも、その音は本当に〝聴こえて〟いたのさえも分からなかった。 耳から入る音ではなく、頭の中と意識に響く音。 地球上で聞いたことのない音が頭の中で響いていた。 遠い意識の中から響くように。 無意識の底で創られた音のように。 自分自身という存在が光そのものを感じた時、外側は暗闇を観る。 暗闇の中で無数に現れる幾何学が、私たちの感じていたものであり、生と共に忘れ、長い時間を経て再び思い出す。 倭國の人は

          十六の縁

          インナーワールド

          「はしもっさんはこれからも俺たちを驚かせてください」 自分の人生で唯一僕のことを「はしもっさん」と呼ぶ、高校時代の親友。 そんな親友から久しぶりにメッセージが来た。 当時、憧れるほどの才能と魅力のあった男。 今となっては、互いに別々の世界を歩いているが、それでも羨むほど魅力的な親友であることに変わりはない。 メッセージが来た時、少しばかりあれこれ考えていた。 確か去年の5月も同じことを考えていたかもしれない。 進歩のないやつだと、自分のことを思っていた矢先のことだった

          インナーワールド

          こいつアホやん。

          「50歳になったらサックスで食っていこうと思ってるんで」 そう言うと、職員室の空気が一瞬で凍りついた。 〝こいつアホやん。無理だって〟 そんな無言の心の声が職員室に響いた。 数ヶ月前にギターを始めた生徒がいて、彼が音楽の道に進みたいと言ったら職員室で失笑が起きた。 「無理だってあの子には。現実を見なきゃ」 僕は何も言わずに黙ってその話を横で聞いていた。 きっと、僕も彼と同じように思われたんだろう。 ほっとけ俺の人生だできるかできないかではない。 やりたいかやりた

          こいつアホやん。

          結局のところ〝便利〟が全ての生活をつまらなくしていた

          僕の車はマニュアル。 いわゆるオートマ車と違って、運転中にギアチェンジをしなければいけない。 もっと言えば、ジムニーシエラ というオフロード専用に近い車なので4輪駆動、2輪駆動、そして4輪駆動のオフロードモードと、色々なギアも付いているため、運転中も色々な作業が発生する。 ギアチェンジをしながら、AV機器を操作し、車の冷暖房の調整も行い運転をする。 とてもじゃないが、車の中ではいつもせわしなく動いている。 今の生活は、どこの町に行くにも峠を走らなければいけなく、峠を登り

          結局のところ〝便利〟が全ての生活をつまらなくしていた

          オンリーワンのスタイルと希少性の作り方

          2017年あたりだったでしょうか。 そこそこ本を読んでいる時期があり、その中でもある一冊の本に興味が湧いて購入した本があります。 「100万人に1人の存在になる方法」 奈良県の高校の校長先生が書いた、当時話題になった本です。 僕はこの本を読んでから、自分の散らばっていたスキルの掛け合わせと、自分自身の希少なスキルの作り方を考えるようになりました。 今回は僕を知っている人だけに向けた記事ではないので、まずは僕の持つスキルについて書いていきます。 3つのスキルの掛け合わ

          オンリーワンのスタイルと希少性の作り方

          人生とは自作自演のワンダーランド

          2022年12月31日の夜。 幌加内の自宅に戻った僕は、家の掃除をしていた。 こまめに掃除はする方だが、汚れるのも早い。 大晦日ということもあって、普段掃除しないところも掃除をしている。 もはやルーティンとなっているので掃除は嫌いでない。 掃除をしていると頭の中に文章が湧き出る。 僕がブログの記事やタイトルが出るときは、掃除をしているときか車の運転をしているときが多い。 きっと、頭の中を空にできる時間だからだと思う。 もちろん今日も。 〝人生とは自作自演のワンダーラン

          人生とは自作自演のワンダーランド

          朝8時20分に職員室で飲むコーヒー

          「おはようございます」 そう言って職員室に入り自分の席に着くと、カバンを置くとまずコーヒーを淹れる。 甘いものが飲みたいときはカフェオレか、ロイヤルミルクティーを飲む。 僕は机に座りながらまずはスマホで学校のツイッターをチェックする。 職員室から窓の外を見ると、雪が降る中生徒が登校してくる。 「またあいつは上着も着ないで」 「あれ?あの子珍しく一人で登校してるね」 先生方が登校してくる生徒を見ながらあーでもない、こーでもないと話をするのを横で聞いている。 そして学校

          朝8時20分に職員室で飲むコーヒー

          40歳の修学旅行と静かなバスの中

          「沖縄いいね」 修学旅行で「沖縄に行く」と言うと必ず言われる。 決まって僕は言う。 「いや、引率で行くからそんなに楽しめるわけではないよ」と。 正直これは建前。 大変なのは、担任の先生や副担任で、概ね僕に大きな仕事はない。 時々「おーい、こっちだよ」と生徒に声をかけるのが僕の一番の大仕事。 2年連続2回目の沖縄修学旅行。 甲子園の出場回数みたいな表現で書いてみたものの、思い返せば僕は高校生の頃に修学旅行に行っていない。 沖縄旅行が楽しいわけではない全校生徒約40人

          40歳の修学旅行と静かなバスの中

          僕は旅の人。そして物書きの人。

          沖縄のホテルにいる。 時刻は夜11時半を回ったところだろうか。 一度ベッドに入ったものの、パソコンを立ち上げてブログを書いている。 こんなことは珍しいことではない。 僕がブログを書きたくなる時は、決まっているわけではないが、頭の中に言葉という言葉が溢れ出る。 そして、それをどこかに書き落としていかないと、明日には書きたいことが書けなくなる。 先週までメキシコにいたが、今は沖縄にいる。 ここ最近ではこんなホッピングな生活からも少し離れていた。 僕はTABIMINTONと

          僕は旅の人。そして物書きの人。

          今までで一番イメージが湧かない海外渡航前の今の心境

          来週にはLAを経由してグアテマラに入る。 今から15年前。僕は大阪の漫才師と南米を旅した。 当時僕は香港から日本に帰ってきて、大阪で彼を拾ってNY経由でペルーのリマに入った。 あの時から考えて、誰かを連れて海外に行くのは15年ぶり。 しかも、日本のアスリート。 大阪のふざけた漫才師とは訳が違う。 当時はお腹を下して、下痢を漏らした漫才師を連れて宿にチェックインしたこともあるが、次は真面目なアスリート。 中米最悪と言われるグアテマラの首都。 そんな彼とはグアテマラシティ

          今までで一番イメージが湧かない海外渡航前の今の心境

          セルゲイ

          インドの首都デリーでバスを待っている時に声をかけてきたフランス人のヴォノと一緒にリキシャに乗って揺られている時だった。 砂埃が舞う口元をスカーフで覆いながらヴォノは大きな声で道ゆく大柄の白人に叫んだ。 「おい、ブラザー!ここら辺で安い宿は知らないか?」 大柄の男は振り向くと、強い東欧訛りの英語で答えた。 「俺の泊まっている宿に来いよ」 「どうするアキ?」と聞くヴォノに僕は「問題ないよ」と答えた。 2011年の2月。インドは「ハリドワール」という、ヒンドゥーの聖地と呼ば

          セルゲイ