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モノローグエッセイ

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日々を生きていて体験したことやふと考えたことをモノローグのように残したいエッセイです。
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#自由律俳句

【モノローグエッセイ】悪い子の子守唄

【モノローグエッセイ】悪い子の子守唄

子守唄というものは「良い子」の所有物であり、特権で、「悪い子」には縁などないものだとふと思う。

ねんねんころりよ おころりよ
ぼうやは悪い子だ ねんねしな

なんて、歌はない。

ゆりかごやベッドで眠るのは皆「良い子」たち。

「悪い子」に眠りなど来ない。ゆりかごもベッドもない。
夜こそが彼らの居場所、あるいは逃げ場所なのである。目的もなく夜を過ごす。

「良い子」が一生かかっても分からないよう

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【モノローグエッセイ】心ときめきするもの

【モノローグエッセイ】心ときめきするもの

心ときめきするもの

胸を打つ素晴らしい舞台
宝石のような美しい文章
巧みな韻踏み
西ドイツのヴィンテージプリズムスター
散歩中の犬
正月の日の出、冬の夜空、金木犀とシナモンの香り

モーニングが美味しいカフェの男性店員さん
の、まくった袖から垣間見える左腕のタトゥー

【モノローグエッセイ】トウダイモトカレシ

【モノローグエッセイ】トウダイモトカレシ

ご飯を食べていた。
けっこう賑わっているお店だったので、近くの席の色んな話が聞こえてきた。その中で、私の耳にピコーんと入ってきたのが、今日のタイトル。

「トウダイモトカレシ」

たぶん、「灯台もと暗し」の空耳かなあと思うのだけれど、ウィットに富んだ造語だなあと、幼稚園児がなんかかっこいい木の枝見つけたようなテンションで、この「トウダイモトカレシ」について考えていた。

「トウダイモトカレシ」

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【モノローグエッセイ】たのしみ(令和改造版)

【モノローグエッセイ】たのしみ(令和改造版)


楽しみは春の桜に、秋の月、夫婦仲良く三度食う飯

そして、一人愛でるいつも尊い俺の推し

おあとがよろしいようで。

あとがき

楽しみは春の桜に、秋の月、夫婦仲良く三度食う飯

は、五代目市川團十郎がつくった狂歌。

今年は演技の勉強に、月に一度落語を見に行く習慣をつくっているのですが、

この前見に行った寄席で、まくら(落語に入る前のアイスブレイクのようなトーク)に十三代目市川團十郎の襲名披

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