マガジンのカバー画像

向暑はるの日常 2022年

52
2022年の日常です。
運営しているクリエイター

#休日のすごし方

過ぎゆく町を横目に

過ぎゆく町を横目に

三列シートの窓際を予約した。

予約時には、既に通路側の席は埋まっていた。

でも東京に着くまで、その席はずっと空いていた。

実家にもう少しいたくなっちゃったのかな。

勝手に他人を想像してしまう自分こそが、その気持ちになっているに違いない。

バカだから楽しみすぎてしまう

バカだから楽しみすぎてしまう

バカは失敗から学ばないという言葉がある。

じゃあ、向暑はるはバカだ。

今年ももうすぐやってくる長期休暇に心を躍らせ始めている。

去年もそうだったし、その前もその前の前の年もそんな感じだった。

そうしてその休暇が過ぎた後に、五月病がやってくるのも毎度のことである。

次の年は楽しみ過ぎないようにと誓うものだけど、一年も経てば何も学んでいない自分が次々と計画を立てていく。

ほら、バカだ。

もっとみる
夢から痛みを持ってくる

夢から痛みを持ってくる

どこか分からない駅の改札で、偶然懐かしい人に会った。

偶然のくせに、それが中学の頃の部活の先輩だと気づくまで全く時間がかからなかった。

夢というのは、現実で起こりそうで起こりえない絶妙なラインをついてくる。

おー!とお互いが同じタイミングで認識しあった。

マスクを少し外して口元を見せながら名前を呼び合う。

先輩なのに、自然と呼び捨てで呼んでしまうのはあの頃と変わらなかった。

顔立ちの良

もっとみる
”休日”は明日のことを考えない

”休日”は明日のことを考えない

明日から仕事だよと愚痴をこぼしていた地元の友達。

あの時は、理解する気もなく適当に同情していたけど、今となれば毎週日曜日の流行語大賞となっている。

そんな愚痴をこぼしてしまう日は大抵休めるわけもなく、実質”休日”として機能しているのは1日に過ぎない。

せっかちな人間にとっては休日は2日間では足りないのかもしれない。

次の日のことを考えるだけで心が休まない。

例えば、小学生の頃の夏休みは大

もっとみる
4/4

4/4

テレキャスターの飾られた店でハンバーガーを食べていた。

これが連休最後の晩餐になりそうだ。

外に出たいとあれだけ強く決意したものの、朝起きてから数時間は外に出る目的をずっと考えていた。

見つからない。

そうして午前中が終わっていく。

このまま午後もずるずる終わっていくのかと、既に連休に別れを告げようと思っていた。

なんかしない?

突然友人からLINEが送られてきた。

神かと思ったが

もっとみる
3/4

3/4

来週には満開とキャスターは笑った。

でもその1週間後の今日は、外には出ずに終わりそうだ。

寝る前に充電していたカメラのバッテリーも、今日は休むと言わんばかりに充電中の光がまだ点滅している。

虚しい1日の始まりだ。

布団から出ることを後回しにして、頭上に転がるスマホを開いた。

目覚ましの音楽はまだ鳴っている。

確かこの曲は、向暑はるが高校生の時に一つ上の先輩たちがコピーしていた。

今日

もっとみる