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【短編小説】2回目のスタートライン☆第7話
マサトの場合②
自己開示
「マサトおまたせ~。」
陽気な声でタクミが到着した。
まったく、こちらはお前が気を遣って席を外したと聞いたばかりなんだよ。「おまたせ」は白々しすぎて、俺は思わずそっぽを向いた。
カスミはあいかわらず、シレっと「遅いじゃない」などと返している。
「じゃあ、3人そろったところで、恋バナでもする?」
「『乾杯する?』みたいな勢いで言うなよ。で、タクミ、仕事辞めたん
【短編小説】2回目のスタートライン☆第2話
アキの場合①
再会
夜の繁華街、私と同じくらいの年代のグループが楽し気に行き交う。目指す店は学生時代に仲間と遊び歩いたエリアにあった。
今日は、高校時代に仲の良かったグループが集まる日だ。
私は二年くらい会わなかったが、グループの中でもっともマメなチエが声をかけ、定期的に会っているらしい。
安っぽい格子戸を開けて、店内に足を踏み入れると、店員さんの「いらっしゃい」の掛け声と同時に、甲高い声
【短編小説】2回目のスタートライン☆第1話
プロローグ~別れと再会の時
突然の別れ
私の目の前にいるこの男はいったい誰だろう。
ちょっと茶色がかった優し気な瞳、その色に合わせたように染めたゆるいウェーブ付きの髪。
この2年間ほど、一番近くで見続け、見慣れた彼の姿が、まるで他人のように見えた。
「だから、もう終わりにしたいんだよ、アキ。君には悪いけど」
私が何も反応しないから、彼はちょっといらだったように少し大きな声を出した。
仕