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〈東京2020大会のレガシーを未来へ〉『HOST TOWN FESTIVAL~GO TO 2025 次世代につなぐ自治体の未来~』開催報告

総合プロデュース企業 株式会社八芳園は、東京2020大会を契機に全国各地の自治体が取り組むホストタウン事業において、"食"を通じた文化や地域の魅力・情報発信をサポートした知見を生かし、東京2020大会終了後も各自治体の活動支援を継続しています。

2022年8月23日(火)には、八芳園が主幹企業を務める「一般社団法人ホストタウンアピール実行委員会」主催、東京2020大会のホストタウン交流のレガシーを2025年大阪・関西万博へと活かすために何が出来るかを考えるキックオフイベント「HOST TOWN FESTIVAL~GO TO 2025 次世代につなぐ自治体の未来~」を八芳園にてハイブリッド形式で開催。

リアル・オンラインの合計300名以上が参加し、盛況のうちに終了いたしました。
今回は「HOST TOWN FESTIVAL~GO TO 2025 次世代につなぐ自治体の未来~」のレポートをお届けいたします。

これまでのホストタウン ― 開会挨拶

冒頭では徳島県の勝野美江副知事がビデオメッセージで挨拶、東京2020大会での振り返りと共に、得た感動や知見を東京だけのものにしない、スポーツだけのものにしない、2020年(2021年)だけのものにしないという2025年の大阪・関西万博の開催に向けてホストタウン活動のRESTARTを告げる力強い宣言で開会しました。

これからの活動 ― 現在・今後のホストタウンの取り組みについて活動紹介[1]

続くプログラムでは、各自治体よりこれまでの各地域オリジナリティあふれるホストタウン活動を紹介。熱量にあふれるスピーカーたちのプレゼンで会場は大いに盛り上がりました。

■徳島県

徳島県からは“99%が行ったことがない国!?”との衝撃的なジョージア国紹介ポスターと共に高校生とトップアスリートとの交流を紹介。八芳園がプロデュースするポップアップ型ショールーム「MuSuBu」へ来場された方を生徒がオンライン接客する様子など、学生達のスキルやレベルの高さを伝えると同時に、子ども達が無限の可能性を試せる機会を提供する大切さを訴えかけました。

■佐賀県

佐賀県はフィンランドとの子育てや教育を中心とした取り組みを発表。“ネウボラ”という妊娠、出産から就学前まで一貫して担当の保健師がサポートする制度を参考に、佐賀県が独自で作った子育て相談のコンテンツや、「スクールオンザムーブ」という学校生活に身体活動を取り入れた試みについて説明がなされました。結びに、365日24時間おもてなし可能な「メタバースホストタウン」を紹介して会場を沸かせました。

■千葉県

千葉県いすみ市からは地の利を生かしたビーチを中心にしたフランスとのサーフィン文化交流や取り組みについて紹介。サーフィンツーリズムや、障がい者サーフィン選手権など様々な状況にある人がサーフィンを楽しめるような環境作りについて発表し、改めてすべての人が楽しめるホストタウン活動の大切さを気づかせてくれました。

■山形県

山形県村山市では共通のシンボルフラワーであるバラを通してのブルガリアとの交流を紹介。特に10代~20代前半の新体操選手から見るおじいさま、おばあさま世代が主体となって町全体で応援した市民ファンクラブの活動については、ホストタウンの取り組みの真骨頂といった体で聞く人の心を打ちました。
ブルガリアの選手が「村山のおじいちゃん、おばあちゃん」と呼んで金メダル受賞を報告し喜び合う様子について語られた際は会場内も温かい雰囲気となりました。

大阪・関西万博に向けて ― 大会概要説明

ここで、2025年大阪・関西万博公式キャラクターである「ミャクミャク」が壇上に登場、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会の堺井啓公局長より名前の由来が語られ、「脈々」と受け継がれてきた私たち人間のDNA、知恵と技術、歴史や文化をこれからも「脈々」と未来に受け継いでいってほしいという願いと共に会場にお披露目されました。

続いて大阪府・大阪市万博推進局 彌園智則局長のトークセッションでは、万博までのカウントダウン964日宣言から始まり、FC大阪の青野選手と万博誘致までの道のりや、開催地に決まった瞬間の喜びを感動的に、時にコミカルに振り返る一コマがありました。

これからの活動 ― 現在・今後のホストタウンの取り組みについて活動紹介[2]

再びホストタウン活動にスポットをあてるプログラムが再開。今回は司会進行にも逐次通訳を交えてグローバル色豊かにスタートしました。

■福島県

福島県郡山市からはオランダとハンガリーとの食、文化、スポーツを介しての交流を紹介。共通の食材にかけた“鯉に恋する食文化”といったユニークな取り組みに加え、車椅子バスケや地元のスイミングクラブからの応援の様子に、駆けつけたオランダ大使館からのゲストのキム氏も流ちょうな日本語で感想を述べ、万博に向けて更なる活動の展開に期待を寄せました。

■静岡県

静岡県牧之原市は会場内にいたUSOCP(アメリカオリンピック・パラリンピック委員会)とブラジルオリンピック委員会の2団体関係者に向けて飛び入り参加を促し、発表持ち時間8分の半分を提供。今までホストタウンを応援してくれていた実績を振り返りつつ、牧之原市のサーフスタジアムやウェイブプールで東京2020大会後も続いている交流を紹介、最後はサーフィンの波乗りにかけて“夢にのる町”牧之原と、未来に思いを馳せプレゼンを閉じました。

■山形県

山形県長井市ではタンザニア大使館のグレイソン・イシェンゴマ参事官と共に登場、スポーツを中心とした両国の深いつながりについて紹介しました。実は長井市に着任したタンザニア出身のスポーツ交流員は現在3代目であり、2019年には中学生たちがタンザニアを訪問し、現地で野球を通してふれあうなど盛んな交流が行われてきました。
今後もスポーツに限らず様々な可能性を生かして、色々な国との連携、交流を展開していきたいとの希望を述べました。

■栃木県

栃木県那須塩原市とオーストリア大使館 全権公使 シュテファン・ハイスラ―氏は、オンライン交流や食といった今までのホストタウンで紹介されてきた活動に加え、音楽、絵本といったオーストリアらしい文化交流の様子がドキュメント映像なども交えて紹介され、今後万博開催時にはコロナ禍が収束し、インパーソンでの交流ができるようになることを願って参加者と想いを一つにしました。

4つの自治体が万博に向けた前向きな活動を報告した後は、ヨルダン大使館から特命全権大使 リーナ・アンナーブ氏が登壇、各国の交流においてホストタウンがどんなに重要なウェイトを占めるかを強調しました。イベントの際には、準備をする前、盛り上がる最中、開催後の3つのフェーズがあり、特に開催後のアクションを次に生かすことが大切であることを熱弁、今回の「HOST TOWN FESTIVAL~GO TO 2025 次世代につなぐ自治体の未来~」や今後の活動の意義を訴えました。

そして2025へ向けて

ファイナルパートは大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーの中島さち子氏のジャズピアノ演奏でスタート。演奏後はサスティナブルな廃材を利用した楽器の説明から、ご自身が推奨するSTEAM教育(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学))、それらを体現する大阪・関西万博の素晴らしさや、自治体の皆様と共創していきたい想いを語り、参加者を盛り上げました。

ホストタウン活動の過去・現在、そして未来を体感してきたイベントもクライマックスに。最後は万博首長連合会長 大阪府高石市長 坂口伸六氏からの締めの言葉で第一部もフィナーレを迎えます。

坂口氏はスピーチの際、ご自身が着ている注染(ちゅうせん)という伝統技術を用いて境で染められた素敵なシャツをご紹介。ファッション性はもちろん、通気性に優れ着心地も良いこうした優れた日本文化や特産品を世界中に発信したい。そして海外にも同様に存在する素晴らしい品物とのコラボや交流を通して、これからもこの活動を盛り上げていきましょうと会場に呼びかけました。

八芳園では「日本のお客様には、心のふるさとを。海外のお客様には、日本の文化を。」を企業理念としており、このホストタウン活動を通して、日本各地と世界を結ぶ文化交流を実現すべく取り組んでおります。
本イベントを通し、改めてこのホストタウン活動の意義を再認識し、2025年、そしてさらなる未来へ向けた決意を新たに第二部の交流会へ臨みました。

「HOST TOWN FESTIVAL~GO TO 2025~」
第2部

第二部のオープニングは山形県長井市の市技・けん玉の披露、ホストタウン相手国アフリカを音楽で繋ぐ"ジャンベ"の演奏に続き、八芳園オリジナル櫓「KAGURA」を囲んで阿波踊りが始まると、会場のボルテージは最高潮に。

坂口氏の「Let‘s dance together! この阿波踊りのように、みんな入ってきてくださいよ!2025年大阪・関西万博もこうして一緒に盛り上げていこうじゃないですか!」という乾杯のあいさつで会場は一体感に包まれてスタートしました。

隣接会場「ニュイ」で八芳園がフードプロデュースを手掛けたホストタウンコラボメニューが提供され参加者達が舌鼓を打つ中、本会場では料理開発に携わった各地の学生たちより、料理開発の際の工夫やポイントがオンライン中継で話されました。

TOPバッターは栃木県那須拓陽高等学校の食物文化部からオーストリアへのおもてなし コラボメニューについて紹介。那須っ子クグロフやシュニポテとて焼きといったオーストリアの伝統と那須産の素材を組み合わせた高校生らしい感性のコラボスイーツで楽しませてくれました。

続いて中継は徳島商業高校ビジネス研究部に切り替わり、相手国ジョージアの国歌を歌うことで得られたアスリートと県民との絆や、聖火ランナーとして区間の最後を走った思い出などを披露。最後はアスリートに「いつもと同じパフォーマンスを出してほしい」との願いから手がけた徳島県産素材でつくったジョージア料理に触れ、会場へバトンをつなぎました。

会場の四国大学経営情報学部からは、前述の料理をジョージア応援プレートとして大学の学食で提供したところ30分以内で完売したエピソードを紹介。参加者にもぜひ食べていただきたいとおすすめして、アンカーとなる次の発表者のオンライン中継に切り替えました。

最後の宮城県農業高等学校からはカナダとの東大日本震災から続く交流とコラボメニューの特徴を説明。カナダで人気のファストフード「プーティン」にトマトやキュウリなどで作ったソースを添えた「トマキューティン」と、えごまをすりおろした温かい郷土料理「じゅうねん汁」をベースにしたトマトのスープ「とまねん汁」について語り、司会から料理が完成した時の気持ちを聞かれると満面の笑顔で、「すごく嬉しかった、これからたくさんの方に食べてもらえると思うとワクワクしました」と答えました。

半日を通して開催された「HOST TOWN FESTIVAL~GO TO 2025 次世代につなぐ自治体の未来~」もついにフィナーレへ。ホストタウンアピール実行委員会企業を代表し浜崎氏より、「この熱量ワクワク感を大阪・関西万博へつないでいく、GOTO 2025!」との決意を新たにする宣言がなされました。

サステナブルな取り組み
― 廃棄物を0にするイベント装飾

第一部から第二部まで、計6時間を過ごしたキックオフイベントも終了。本イベントは、 “次世代につなぐ”サスティナブルな取り組みにふさわしく、ディスプレイや装飾には段ボールや紙素材、再利用可能な布を使用。廃棄物を0に、全体の廃棄量も最小限にとどめて終了いたしました。

ホストタウン活動を通して、日本各地と世界を結ぶ文化交流を実現すべく取り組みを行う八芳園。
2025年、そしてさらなる未来へ向けて活動を続けてまいります。

▼八芳園のホストタウンの取り組みについてはこちらより