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乳がん手術後の経過 備忘録(7月)
乳がんが2022年9月に発覚し、全摘手術を10月に受け、11月の終わりごろからアロマターゼ阻害薬の服薬が始まった。
手術の傷も“どこに出しても恥ずかしくないほど綺麗”に順調に癒えていたかのようであったが、2023年1月の受診時に傷がケロイドになっていると主治医に言われた。
ピリピリする痛みは一旦治ったが梅雨の時期になるにつれ全体的に痛みが強くなってきた。横向きで寝ることは出来ず仰向けかうつ伏せ寝
彼女の胸のエイリアン3
栗鼠のように可愛らしい人
「それ、無印のパジャマですよね? お揃いです」
後ろから声をかけられた。
手術の翌日、傷が痛いし頭も痛いのに痛み止めを出してもらえず、ドレーンがぶらぶらして鬱陶しいし、ヨタヨタと5センチずつくらいしか進めない中、カフェにある自販機に水を買いに行く私に無邪気に満面の笑顔で話しかけてくるその人は、確かにお揃いのパジャマを着ていた。
どうやら同室の女性で、私よりも少し前
彼女の胸のエイリアン2
刺し子さん
バスマティライスが美味しいカレー屋は当たり、私の勝手な法則。池のほとりのまだ新しい店内で新緑の木々の眩しい歩道をランニングする人を窓の下に見ながら、バターチキンカレーを頬張る。向かいの席に8か月前一緒に入院していた同世代の女性がいる。名前を刺し子さんとしよう。
退院後、まだ仕事を開始していなかった時期に一度お茶に行き、すぐにまた会おうと別れたが仕事が忙しい彼女と都合が合わずようやく
彼女の胸のエイリアン1
同僚C
「はまぐり子さんと同じなんすよ」
職場の同僚が唐突に言う。まだ20代半ばの彼はとても良い青年で照れたような優しい笑い方をする子熊のような人だ。
子熊の『片道一時間なんすよ〜』と別の同僚と話している会話が聞こえ、どうやら母親の入院の話をしているらしかった。『お母さん、どうしたの』と聞いてみた答えがこれだった。
そうか、乳がんなのだな。
「俺が母親に病状を教えられた時、もう余命宣告さ
乳がん手術後の経過 備忘録
乳がんが9月に発覚し、全摘手術を10月に受け、11月の終わりごろからアロマターゼ阻害薬の服薬が始まった。
服薬の大きな副作用はなく、手術の傷もどこに出しても恥ずかしくないほど綺麗に順調に癒えていたかのようであったが、1月の受診時に傷がケロイドになっていると主治医に言われ、その後脇の下のピリピリ感がどんどん強くなり、「ケロイド」「乳がん 手術跡 痛み」そんなキーワードでネット検索する日が続いている。
3色ボールpenish 3
(私の胸のエイリアンの続きの話)
術後3回目の受診
ドアをノックして診察室に入るとDr.ヤマネコとキノコちゃん(医療クラーク)が、いつも通りこちらを向いている。
今日のヤマネコは水色のメディカルオペマスクをゆるくかけて、背もたれのあるクルクル回る椅子に座り左の肘をアームレストに乗せてゆったりと座っているが2週間前のように首を傾げてはいない。寝違いは治ったのだな。
私の椅子もくるくる回るタイプ
3色ボールpenish 番外編
私のかかりつけ医の先生は。
彼はおじいちゃん先生で、働き者のアライグマのような、こじんまりとした感じの、何度も洗濯してくたびれたお気に入りのぬいぐるみのような人だ。コロナ禍ではいつもフェイスシールドをしていて以前よりさらに一層表情が読めなくなったが、メガネの奥の小さな目をシパシパとさせながら「はまぐり子さん、こんにちは、どうですか、おかわりないですか」と言った。
乳房切除は『おかわり』に当たる