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現代人のための陰ヨガ

以前にも書いたことがあるのですが、女性の身体の7年周期説、というのがあります。

7歳で永久歯に生え変わり
14歳ごろ初潮を迎え
21歳で女性の身体ができあがり
28歳で生殖にもっとも適した充実期を迎える

35歳で衰えを感じ始め
42歳で白髪が目立ち始め
49歳ごろ閉経を迎える

これが記されたのは古代中国、中医学における3大古典のひとつ『黄帝内経』です。
この頃の平均寿命が50歳頃だとしたら、人間は生殖の能力を失ってまもなく
死を迎える、ということになります。

ですが今、人生100年時代と言われていますから、この後まだ50年近く、わたしたちは自分の身体と付き合っていくわけです。

古代の医学書では想定外だった長い年月を、わたしたちは、いかに穏やかに、やさしく下りていくか。

2019年に「陰ヨガ」と出会った私は、出産後ずっと続いていた不眠や、季節の変わり目毎に起きる症状、精神的な不調をケアする方法を学びました。

今また、更年期という新たな人生のステージに向かって、少しづつ変化を受け入れていく準備をしています。

「陰ヨガ」の特徴は、ひとつひとつのポーズを一定時間、じっくりと深めていくところにあります。
反復運動のように、リズミカルに筋肉を収縮させるのではなく、弛緩させたまま3〜5分間静止します。ただじっとしているように見えて、「自身の体重」と「時間の経過」が負荷となり、関節周り、特に「筋膜」「靭帯」などの結合組織へじわじわと効いていきます。

運動負荷自体は強くないのですが、ポーズを解いたあと明らかに、関節の可動域が広がっていたり、リンパや血液の流れが良くなっているのを感じます。

このスタイルのヨガが、現代人に広く受け入れられているのは、身体だけでなく心にも穏やかな作用をもたらすからでしょう。

世の中の情報処理スピードがどんどん早くなり、複数のチャンネルから同時進行でのインプット・アウトプットが可能な現代。
まるでデスクトップに何重にも開いたファイルが重なり、さらにその上にポップアップで新しい情報が入ってくるような目まぐるしさです。

リラックスしようとお風呂に入ったり、散歩をしていても、常に頭の中はアイドリング状態でやりかけの仕事のことを考えていたりする。
寝る直前までスマホで情報をチェック。ヘタしたら、寝ている間も無意識に考え事をしていたり・・

わたしたち全員が、意識的にスイッチオフの時間を持つ必要がある、と思います。

今回、更年期世代のための陰ヨガ、という講座を開くことにしたのも、世の中のスピードに合わせて無理をしたり、がんばっていた女性たちが、残りの人生を健やかに美しく生きていくには何が必要か?を考えたからです。

衰える能力や、見た目を無理に取り戻そうとしたり

まだまだいける、と負荷を強めたりするより

よりゆるやかに、老化への階段を降りていけるように
自分の中の「コア」な部分とじっくり向き合う必要があると思っています。

ヨガの運動的側面だけでなく、心に及ぼす影響も多大な「陰ヨガ」を、これからの人生でもっともっと活用していきたい。そして多くの方に伝えていたきたいと思います。


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