【12:六段玉裸玉三連星】3六玉完全作裸玉「山裾の暮色」22.11.26.
【前作:5六玉・4六玉完全作裸玉】
六段玉裸玉が立て続きに見つかっております。今回で3つ目となり、オリオン座のベルト、三連星のように感じられました。
【3六玉完全作裸玉】「山裾の暮色」
4六玉・5六玉裸玉と同じように、3六玉裸玉も開幕は拠点となる桂打でした。作意3手目の▲3三飛は限定打で、▲3二飛以遠に打つと三段目に逃げられた時に金駒が足らなくなるのです。
14手目、▽3五玉とすれば下記の手順で変同となります。
▽3五玉 ▲4六銀 ▽3六玉 ▲3四龍 ▽4七玉 ▲3七龍
▽5八玉 ▲5七龍 ▽6九玉 ▲6八金 ▽7九玉 ▲7七龍
▽8九玉 ▲7八龍 ▽9九玉 ▲8八銀 ▽9八玉 ▲8七銀
▽9九玉 ▲9八龍 まで変同(33手;14B図)
途中▽6九玉に代えて▽4九玉と逃げる同じような手順もあります。
▽3五玉 ▲4六銀 ▽3六玉 ▲3四龍 ▽4七玉 ▲3七龍
▽5八玉 ▲5七龍 ▽4九玉 ▲4八金 ▽3九玉 ▲3七龍
▽2九玉 ▲3八龍 ▽1九玉 ▲2八銀 ▽1八玉 ▲2七銀
▽1九玉 ▲1八龍 まで変同(33手)
下と思ったら上へ、上と思ったらまた下へと追いかけます。
作意29手目、▲1七銀の単一駒非限定がありますけれど以降の手順は同じです。
【完全性の証明】飛打
検討にあたって、飛車の打ち場所の検討範囲例を次のように定めました。基本は盤の下段を逃げ回るため、玉の左右4マス分、上3マス分(七段目以下は三段目まで)、下端までとしました。
完全性を証明する検討NOTEは下記の通りです。
単純な2手逆算は不可能の模様
単純な2手逆算を考えましたが、銀4枚を使い切っていることがネックとなっているようで、下記の余詰や不詰があるため不可能な模様です。
【まとめ】
天王山の完全作裸玉への貴重な探索拠点になるかもしれない3六玉完全作裸玉【3六玉|飛金銀4桂2(はる筆線屋、NOTE、2022.11.26.)】を発見しました。
おまけとして、2019年からの3年間の裸玉探索の成果を下図にまとめました。3一玉裸玉は下記の既存作の2手逆算、もしくは類作にあたるので新規性はありません。
・2二玉|角角金金香歩、 15手 、 岸本雅美 氏、 王将天狗 1964-11
・3一玉|角角金銀銀香歩、 17手 、 岡村孝雄 氏、 詰パラ 1988-4
1五を瀛に見立てて、徐々に天王山に迫ることを目論んでいたので、今回の3六は天王山の裾野を意識したネーミングになっています。全検する際のBGMとして「蜜柑」をループ再生していたので作品内の単語 ”暮色” を使いました。
スペシャルサンクス
詰将棋おもちゃ箱 様
裸玉完全作リストを拝見いたしました
パナソニック将棋部 御中
脊尾詰を使用させて頂きました
窪田義行(空気から整えていく 環境派)峰王 尊師
拙エレベーター詰に対し、”詐術的印象を与える”と迚も心温まる難癖をTwitter上で引用ツイートして頂き、スマホ詰パラからの引退及び裸玉・双裸玉等の無好手詰将棋を重点的に探索する契機を頂戴いたしました
尊師をはじめとする詰パラ系創作者と解図者のお目汚しをしないように配慮し、このような好手も好手順もない詰将棋は辺鄙なNOTEでの発表といたしました