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【2行エレベーター詰】「ギンピ・ギンピ」 21.11.11.

1年間のエレベーター詰の流れ

【2行エレベーター】「ギンピ・ギンピ」

オーストラリアの北東部には ”ギンピ・ギンピ” っていう名前の草本植物が分布しています。見た目はいたって普通の植物🪴ですが、これに触れると刺毛から神経毒を送り込まれ、冗談抜きで死ぬほどの痛みを長期間味わうそうです。ウィキペディアを見ると、被害にあった人がその痛みについてこう述べています。

アーニー・ライダー (Ernie Rider)は、1963年にこの植物の葉で顔と胴を負傷したが、その苦しみについて、彼は「2から3日間、その痛みはほぼ耐えられないほどのものであった。私は働くことも眠ることもできず、2週間かそれ以上もひどい痛みに襲われた。この苦痛は2年間もの間続き、冷たいシャワーを浴びた時には、いまだに毎回痛みに襲われる。これに匹敵するものはない。他の痛みと比べても10倍以上は酷いものだ」と述べている

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

他にも、ギンピ・ギンピとは知らず、用を足したあと紙代わりとしてこれを使ってしまった人は痛みに耐えられず拳銃自殺したそうです。なので、もしギンピ・ギンピを現地で見ることがあったらすぐに逃げましょう。それでは、2行エレベーターでやり残していた両側回転ギミックを使った往復「ギンピ・ギンピ」にまいりましょう。

CAUTION!
純粋に指し将棋をベースにした好手・好手順等の創出を目指している詰将棋創作者はここでブラウザバックした方が良いです。低質のあまり気分を害したり、叩かずにはいられなくなる恐れがあります。

33 回転W01+00 初形 - コピー

【手順】
▲6八銀   ▽7六玉   ▲7五飛   ▽8七玉
▲7七飛   ▽9六玉   ▲9七飛   ▽8五玉
▲9五飛   ▽7六玉   ▲7七銀

Ⓐ:▲7五飛は3手目と同じ局面に戻ってしまいます

33 回転W01+11 左回転終わり - コピー

銀飛(ギンピ)を使ってまずは左側で一回転。

【手順】
7七銀   ▽6七玉   ▲6八飛Ⓑ  ▽5六玉
▲5五飛   ▽4七玉   ▲4八銀   ▽3六玉
▲3五飛   ▽2七玉   ▲3七飛   ▽1六玉
▲1七飛   ▽2五玉   ▲1五飛   ▽3六玉
▲3七銀Ⓒ  ▽4七玉   ▲4八飛Ⓓ

Ⓑ:▲6八銀は▽7六玉で10手目と同じ局面に戻ってしまいます
Ⓒ:▲3五飛は19手目と同じ局面に戻ってしまいます
Ⓓ:▲4八銀は▽3六玉で26手目と同じ局面に戻ってしまいます

33 回転W01+29 右回転終わり - コピー

▲6八飛と玉を右翼に追うスイッチを入れつつ、封じられていた3九銀を開錠。そして、銀飛(ギンピ)を使って右側でも同じように一回転。上下段の飛車の運動量が全然違いますね。

【手順】
▲4八飛   ▽5六玉   ▲5五飛   ▽6七玉
▲6八飛Ⓔ   まで33手詰 

Ⓔ:最終手余詰あり(右側での詰み)
▲6八銀   ▽7六玉   ▲7五飛   ▽8七玉
▲7七飛   ▽9六玉   ▲9七飛   ▽8五玉
▲9五飛   ▽7六玉   ▲7七銀   ▽6七玉
▲6八飛   ▽5六玉   ▲5五飛   ▽4六玉
▲4七飛   まで最終手余詰(49手)

33 回転W01+33 終 - コピー

詰み手順全体を俯瞰してみると候補手が限られてますし、ほぼ一直線の変化なので難易度はリアルのギンピ・ギンピほどの鬼畜さはないでしょう。でも、うっかり同じ局面に戻ってしまう箇所が4つあるのでそこに注意しないといけません。最後に、作意を述べておきましょう。

作意

比較 - コピー (2)

第一作意は両側回転ギミックを使った玉の往復で、第二作意は(初形図と詰め上がり図を比較すると)7九銀・4八飛・3九銀だけ動いたように見えるカラクリです。これら2つをひっくるめて「ギンピ・ギンピ」ですね。

まとめ

両側回転ギミックを用いた2行エレベーター「ギンピ・ギンピ」の作成に成功しました。

スペシャルサンクス

窪田義行(空気から整えていく 環境派)様:拙エレベーター詰に対して”詐術的印象を与える” という心温まる難癖を頂戴致しました。

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