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山頭火に遊ぶ

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山頭火と戯れる記事を収録します。
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#短歌

山頭火に遊ぶーリフレイン/ 安か安か寒か寒か雪雪

山頭火に遊ぶーリフレイン/ 安か安か寒か寒か雪雪

▢ 詩のリフレイン

文学においてリフレインは詩の代表的な技法である。一般的には、ある言葉やフレーズを繰り返すことで、強調したりリズムをつけたりする表現法と説明されている。まあ、それはそうだが実際の作品ではそれだけにとどまるものではない。詩人たちはこれまで言語限界の突破とその拡張を様々に企んできた。だから、リフレインがそうなるのはおかしくない話だ。そのことを2つの詩で確認してみよう。

この詩は「

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山頭火に遊ぶ-ぐつと掴んでぱつと放つ

山頭火に遊ぶ-ぐつと掴んでぱつと放つ

山頭火は、昭和7年9月から13年11月まで山口県の小郡の「其中庵」で起居していた。句友たちの援助を受けてむすんだ草庵である。その間付けていた「其中日記」の昭和10年4月3日、山頭火は次のように記している。

「ぐつと掴んでぱつと放つ」ーこれほど山頭火の句の特徴を表した文をぼくは知らない。ぼくなりに解釈すれば、「ぐつと」掴むものは一瞬の感覚や心の動き、そして、「ぱつと放つ」はそれをそのまま言葉にする

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山頭火に遊ぶ-山頭火の雨は緑色

山頭火に遊ぶ-山頭火の雨は緑色

(1)マトリックスの緑の雨
   山頭火の句も雨となって降る
        ぼくの脳内で

(2)言語実験
   解体された山頭火
   緑の文字の雨

実験の結果、解体しても、山頭火は微動だにせず山頭火でした。
すごいなぁ。山頭火。

映画のマトリックスを観て、その後に山頭火を読んだのがいけなかった。
就寝のために目を閉じると網膜に緑の雨が降った。そしてしばらくするとそれが山頭火の句の雨だと分

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