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みんなのフォトギャラリーから私の画像を使ってくださった皆さんの記事です。 自分では思ってもみなかった文章にこれらの画像が結びつけられる様子を拝読する喜びは新鮮で興味深く、いつも小…
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#ショートショート

困ったときは、今も昔も。

困ったときは、今も昔も。

オレが闇を覗き見たのは、これで三回目になる。
一回目は、いつもつるんでた仲間が突然いなくなったとき。
二回目は、うまく生きられない自分を終わらせようとしたとき。
そして、今日。三度目の闇を覗いている。

相変わらず暗く、黒く、そこにあるのが闇だとは分からずに見入ってしまうから取り込まれても気が付かないのだろう。寄り添っているなんていうのは、それを直視したことの無い、それもこれからも交わることの無い

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パフェフンフン33秒【毎週ショートショートnote】

パフェフンフン33秒【毎週ショートショートnote】

「どうぞ、当カフェ特製、スペシャル盛り盛り増し増し映え映えパフェです」

向かいに座る彼女の顔が隠れるほど巨大なパフェが運ばれてきた。

「4分33秒以内に食べきれば無料です」

二人でも無理そうな量だが、挑む本人は静かに目を閉じている。精神を統一しているのか。

「では、スタート!」

合図と同時に瞳をかっと見開き、凄まじい勢いで甘い山に挑みかかる彼女。頂のチェリーも、白い城壁のような生クリーム

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『夏のゆううつ』

『夏のゆううつ』

焼けるような暑さのなか

冷房の効いた部屋から

窓の外をのぞきながら

僕は気が滅入って

そしたらいつの間にか

黒い雲が空を覆って

激しい雨が降ってきて

いっそうに気分は落ち込んで

そのまま夜を迎えて

何もない一日が終わる

早く夏なんて過ぎればいいのに

そう思いつつ日々を過ごす

秋が来る

日の傾きが早くなる

一日が早く終わると思いきや

夜が長くなって

どん底の時間も同じ

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【SS】幻獣師のコンパス🧭02〜お姉ちゃんとの約束〜

【SS】幻獣師のコンパス🧭02〜お姉ちゃんとの約束〜

0101話『最初の友達は虹色のトカゲでした。』

02-102話『お姉ちゃんとの約束』

「ぜったいお母さんに内緒だよ‥」

いつになく真剣な表情のお姉ちゃんを見て
これはホンキのヤツだと心して聞いた。

「左の腕が上がらないの‥」

なんて、いうかなぁ、だらーんと、
力が入らない感じ?

言われてみると、お姉ちゃんの左肩からのびる腕は力なくぶら下がっている気がした。

いつから?と、お姉ちゃんに

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【SS】幻獣師のコンパス🧭01〜最初の友達は虹色のトカゲでした〜

【SS】幻獣師のコンパス🧭01〜最初の友達は虹色のトカゲでした〜

01話『最初の友達は虹色のトカゲでした。』01-1「は?スマチ?ナニそれ?」

聞き慣れない言葉に反応し、思わず聞き直す。

「もー、お姉ちゃん知らないのぉ〜」

生意気な妹の、ちょっと上から目線の発言に、ちょっとだけカチンときた。

「スマチにもぉーストラップをつけなきゃね」

人を小馬鹿にしたようなお経読みで、上から目線で、左手の人差し指を立て、詩のような言葉を歩きながら口ぶさむ。

「は?ナ

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