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夕焼け空駆るツインドラゴン/連載エッセイ vol.78

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.80(2014年・第1号)」掲載(原文ママ)。

今年で連載13年目に突入したこのエッセイ。
『偶数月発行』という都合上、仕方がないとはいえ、毎度毎度、今更感アリアリで非常に心苦しくもあるが…親愛なる読者の皆様、あけましておめでとうございます!! 
今年も当組合を宜しくお願い致します!!

さて…ある意味『お約束』な、『時間差謹賀新年』が無事に済んだところで、コチラも年明け1発目の『お約束エッセイ』としてお馴染みの『アメリカ研修ネタ』をご披露したいと思う。

この『アメリカ研修』とは、毎年初頭に開催される、カイロプラクティック業界では世界最大のイベント・『パーカーセミナー・ラスベガス』と、名門・『カリフォルニア大学ロスアンゼルス校(UCLA)』にて開催される『解剖実習』への参加の事。

今年は岩手から6名が前者に参加し、そのうちの研修初参加の2名が後者にも参加した。

これは今回参加の一団の中でも、単独の都道府県として最大規模であり、『岩手県人、どんだけ冬の寒空から脱出したがりなんだ』というご指摘は…甘んじて受けよう…。

まぁ、真面目な『研修参加報告』は、『通信表面』にお任せして、このエッセイではいつものように『研修外の裏話』などを。

(…誰だ!? 『コッチが「主」で、研修が「従」じゃない??』などと勘ぐっている輩は!?)

長年のエッセイ読者の方はご存じかと思うが、ラスベガスにおけるワタクシの『セミナー外のお楽しみ』といえば…『オサレ番長』の面目躍如な『ショッピング』である。

しかしながら昨年、国内出張先のアウトレットでの『戦果』を中心に、割と『備蓄状況』が優良であった為、今年はよっぽどオトクなブツでなければ手を出さないぞ…と心に決めて『出陣』したものの…ワタクシのもう1つの『二つ名』である『セール番長(=平時よりお値打ち品に出会う頻度が高い猛者)』の能力が彼の地でも発現してしまい…結局、『これ以上「仕入れ」たらスーツケースの重量オーバーになる』という『受動的な理由』により、ショッピングを仕方なしに打ち切る始末…。
我ながら困りものである。

(しかも喜々として購入したのが、ダークピンクのトレンチコートやら、ペイズリー柄が随所に散りばめられたブラウンジャケット&ジレやら、グリーンスエードのフルブローグシューズやら…一体、ナニを目指してドコへ行きたいのやら…我ながら困りものである。)

そして今回の研修で、ワタクシが最も力を入れた(も…勿論、1番力を注いだのはセミナー参加である…モチロン!!)のが、『快適なLAライフの満喫』であった。

というのも、ありがたい事に全国の系列クリニックが年々忙しくなる中、そのオーナーやスタッフが参加するこのアメリカ研修自体の日程も、年々短縮傾向。

全体スケジュールとしては、昨年同様今年も、全員でのロスアンゼルス滞在は『ベガスに居残ってセミナーに継続参加する組』と『一足先にLAへ移動して解剖実習を受ける組』が合流して、翌日の帰国に備える、ある意味『予備日1日』のみという寂しい設定。

しかし…雪の降りしきる陸奥を万感の思いで脱出してきた東北人にとって、それで『憧れのカリフォルニア西海岸』が堪能できると言うのだろうか、いや言えまい!!

そんなワケで、今回は本隊から離れて1日だけ『LA延泊』を選択し、ワタクシプロデュースの『輝け!!青い空&青い海&真っ赤な太陽♪ 聞こえるか北国のおっかさぁぁ~んツアー』を敢行する事に決定!!

拠点に選んだのは、『サンタモニカ』!! 

朝8時にチャーターした大型タクシーでホテルを出発し、『世界一有名な木造桟橋』こと『サンタモニカ・ピア』にて朝日を浴びながら気持ちの良い海風に吹かれた後、レンタル自転車にてビーチ沿いの専用道路を一路南下し『ベニス・ピア』へ1時間ほどサイクリング。

折り返しつつ、大道芸人や怪しげな出店が並ぶベニスビーチの『オーシャンフロントウォーク』を冷やかしたら、自転車を返して桟橋上にある激ウマ海老料理店にて舌鼓。

午後には同じくチャーター車で一路北上し、ギリシア&ローマ時代の一級品の彫刻群を擁する美術館・『ゲッティ・ヴィラ』にて悠久の時を感じたら、太平洋へ沈む夕日に間に合うように再び『サンタモニカ・ピア』へ戻り、桟橋最先端の視界を遮るもののない『特等席』をキープ!! 

…そして、そこで我々は、『不思議な光景』と遭遇する事になる!!

夕方になり、若干風も強め。
少々肌寒くもあるが、そこは北国の人々。
ビクともしない。

傾きつつもなかなか水平線に接しようとしない太陽も、ひとたび沈み始めると、逆に吸い込まれるように地球の裏側…そう、我々の住まう極東の地へと姿を晦ます。

無事にサンセットを見届けた桟橋に集まる人々から自然に拍手が始まる。
周囲には大道芸人の歌う豪華客船沈没映画のテーマ曲が木霊する。

嗚呼…これぞ絵に描いたようなアメリカ西海岸…これぞイメージ通りのLAライフ…我々の陣取る桟橋最先端は『釣り台』になっている為、時折、魚臭が鼻孔をくすぐる気もするが、そんなの関係ない…。
そりゃあ、ジュ〇コ=サク〇ダも誘う訳だよ…来てぇ~来てぇ~来てぇ~来てぇ~……♪

その時である。
誰かが、夕日の沈んだ先から少し北側の空を見つめて指を差した。

『あの雲…なんか…向かい合っている「龍」に見えない??』

太陽の残り火に赤く照らされつつ、その指差す方を見つめると…そこには確かにいた。
『双子の龍』が…。

左の龍は、髭や手足も露わに細く長く流麗に空を駆け、右の龍は、周囲の雲を巻き込みながら猛々しく水平線の向こうを睨んでいた…。

そしてナニより不思議な事に、海風が次第に強くなり周囲の雲が流されていく中、その『双子の龍』は姿と場所を一切変えず、赤から紫へと移ろいゆく大空に、いつまでも舞っていたのである。
我々はその神々しい光景を、ただただ黙って見つめるしかなかった…。

『あ!! 
 右側の龍の形が変わってきた!! 
 …っていうか…!!!!』

ワタクシは個人的に、スピリチュアルなものを、否定はしないが妄信もしない。
だから我々がその場で最後に見た光景について、ありのままに記す。

右側の龍が、数十分間見つめ続けていたその目の前でゆっくりとその姿を変え…最後には、顔を、その両眼をコチラに向けたのである!! 

『戻るべき場所に戻り、成すべき事を成せ……じゃないと…儂ら姿を消せんわぃ…!!』…そんな言葉が聞こえた気がした…。

そして今、岩手の寒空の下、この原稿を書いている。
成すべき事を成す1年間に…。
そして成し遂げた上で、来年再び…。

帰ったばかりではあるが、次の渡米が楽しみな今日この頃である。


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