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ライク・ア・グレート・ムービー/連載エッセイ vol.55

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.57(2010年・第2号)」掲載(原文ママ)。

さてさて…『読み切り単発ネタ』が身上の、このコーナーとしては珍しく、前号から引き続き『アメリカ研修ネタ』である。

万が一、今号から本通信を知った方で、前号掲載の抱腹絶倒エッセイ『Wの喜劇@成田』をご覧になりたい場合は、是非とも最寄のJFCP登録院へお問合せ頂きたい。

重ねて万が一、その登録院がバックナンバーを所持していなかった場合…岩手組合が年に数回、通信バックナンバーの大放出販売会を行う事を、クリニックスタッフへそっと耳打ちして頂けると有り難い…。

弱小組合の『台所』を地味に支える『通信発行事業』を今後とも宜しく…。
以上、代表理事としての『独り言』終了!!

前置き(宣伝?)が少々長くなってしまったが、今回の渡米の目的は大きく2つ。

1つは毎年恒例、世界最大のカイロプラクティックの祭典『パーカーセミナーラスベガス』への参加。
コチラは毎度の事なので、熱心な読者の方々にはもはやお馴染みなイベントであろう。

そして2つ目が、UCLA(カリフォルニア大学ロスアンゼルス校)にて行われる解剖実習への参加であった。

(ちなみにUCLAは
 米国西海岸屈指の名門校にして巨大校である。
 それ故
 『UCLA』のロゴマークを用いたグッズが
 多数存在する為
 トレーナーやTシャツの前胸部に
 デカデカと鎮座するそのマークを見て
 大学自体の存在を知らない非米国人は
 『UCLA』を服飾ブランドと
 勘違いする場合が
 あるとかないとか…?)

私自身は、2000年の最初のアメリカ研修の際にUCLA実習へは参加済みであったので、さほど受講の欲求を感じてはいなかったのだが、今回は当クリニックに所属するCA(カイロプラクティク・アシスタント)とセラピストが初めて参加する為、いわば『お守り役』としてお付き合いする事となったのだ。

しかし…その日程が実に厳しかった!!

受け入れる大学側の都合により、米国到着当日の朝一に実習が組み込まれてしまったのだ!!

具体的にスケジュールを挙げると、成田を午後に飛び立って、LAに朝着き(当然、日本時間の真夜中!!)、その足で大学へ向かい、夕方までミッチリ解剖実習を行い、それから急いで国内線に乗り込み、真夜中のベガスにてホテルへチェックインし、翌早朝からパーカーセミナーへ参加するという稀に見る『強行軍』。

人間、限界を超えると眠気も感じなくなる反面、笑いが止まらなくなるという『人体の神秘』に直面した渡米1日目であった。

この日程変更の余波は、更に続いた。

本来であれば行程後半のLA滞在時に予定されていた解剖実習を、出発1ヶ月前になって強引に行程冒頭部へ捻じ込んだので、結果としてベガス滞在が短くなってしまったのである。

勿論、セミナーに参加する日中の予定にはなんら影響はないのであるが、結局の所、私の愛する『ラスベガス・ナイトライフ』をフリーに堪能できるのが、諸々の事情により1晩だけという事態に陥ってしまったのだ!!

と…ここまで読み進めた本エッセイの『ビギナー読者』の皆様は…

『まぁ!!「ナイトライフ」だなんてイヤラシィ!!
 ど~せ「カジノ」やら
 「イカガワシイトコロ」へ出掛けて
 「チョメチョメ」でもするつもりなのね!!』

…と思われるかもしれないが、チョト待って頂きたい。
『ベテラン読者』の皆様なら既にお判りの通り、私にとっての『ベガスの夜のお楽しみ』は『ショー鑑賞』なのであ~る!!

(ここまでムキに主張するのも
 かえって如何なモノかと我ながら思うが…。)

本コーナーでも何度か触れている通り、ベガスはかつての『カジノ一色』の街づくりから、より広い層をターゲットとした『総合エンターテイメントの街』として近年、完全にイメージチェンジしている。

ショッピングと並び、その中核をなしているのが各巨大ホテルで競って催される、ミュージカルやサーカスなどの『常設ショー』であり、その中で覇権を握っているのが、日本でも有名なスーパーサーカス集団『シルク・ドゥ・ソレイユ』である。

(ちなみ2010年1月現在
 ベガスで展開する『シルク』の常設ショーは
 7つもある。
 これは
 ショーの『新陳代謝』が激しいベガスにおいて
 まさに『別格扱い』。)

やはり1晩のみのチャンスであれば『シルク』は外せない。

当クリニックのスタッフ2名には、そのキャラクターを考慮(!?)して、『シルク』唯一のアダルトショー、ホテル『ニューヨークニューヨーク』にて開催される『ズマニティ』を手配する。

(といっても
 あくまでアクロバットと
 芸術性がメインなので
 女性演者のトップレスはほぼ無し。
 他の『シルク』の公演と比べて
 格段に小規模な会場の為
 かえって間近でパフォーマンスが観られるので
 実は
 個人的にオススメなショーの1つである。)

そして私自身は…ベガスを含め世界中に点在する『シルク』の常設ショーの中でも『最高傑作』との呼び声が高い、ホテル『ベラッジオ』(映画やテレビで数多く取り上げられている『人工湖での噴水ショー』が有名)での『O<オゥ>』を観る事にした。

今回が3度目の鑑賞となるこの『O』の魅力は、なかなか文章では表現し難い。
『水』をテーマとした舞台上に、水深や面積が変化するプールが出現し、神秘的な舞台演出の中、五輪経験者を含む演者達が水上アクロバットやシンクロを次々に披露していくという…まぁ、とにかく凄いショーなのである。

(スミマセン!!
 結局説明を端折りました!!)

過去2回は舞台全体を俯瞰する席で観た事もあり、今回は舞台間近で大迫力の反面、見上げ続ける事で頚部を痛めるという『賛否両論の水被り席』、その名も『ウエットシート』を希望。

渡米3週間前にダメモトで手配した所…、奇跡は起きるものである、どういう訳か最も希少な『最前列』をゲット!!
まさに『遮るもののない』状態で、幻想的な世界を堪能する事が出来たのだった。

今回の鑑賞で最も印象的だったのは、『1人1人の弛まぬ努力によってのみ、舞台は完成されていく』という事。
つまり、一見全体として完璧なまでに『出来上がっている』舞台も、1人1人の全力投球の調和によってのみ完成していく事を、今回の席から対面して伺った演者の懸命な眼差しや達成感溢れる表情から、今更ながらに実感したのである。

『患者さんにグレートムービーを見せなさい。』

尊敬する海外のカイロプラクターの言葉である。

来院される患者さんへ、毎回毎回『素晴らしい映画』を見せるような、そんな感動を生むような臨床を積みなさい…そしてその為には、スタッフ側の絶えざる努力と意識向上が不可欠なのです…その様な意味だと私は理解している。

自分のクリニックはまだまだ『グレートムービー』の域に達していないな…もっともっと頑張らなくっちゃ…いや、頑張ろう…スタッフの皆と共に…!!
そんな想いを新たに、私は劇場を後にしたのだった。

ホテルへ戻ると、『ズマニティ』を観たスタッフと鉢合わせ。未だ感動冷めやらぬ私は、ベガス初体験のセラピストN氏にショーの感想を求めたところ…

『期待した程じゃなかった…露出が…』

…との返答…。

世の中にはイカガワシイトコロでのチョメチョメの方が、パワー充填に役立つ人種がいるという事を改めて実感した夜であった…。


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