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樋端佑樹(といばな ゆうき)。信州に生息。はみ出し精神科医(指定医&専門医)。地域横断…

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樋端佑樹(といばな ゆうき)。信州に生息。はみ出し精神科医(指定医&専門医)。地域横断的なアウトリーチ支援と生涯の発達支援。子どもの選択肢を増やす。ADHD、ASD、双極成分アリ。noteはSNSと頭からこぼれたもの置き場です。

マガジン

  • ヒダリマキ通信

    今の日本の政治のあり方に関しては非常に危惧をしています。やや政治的な話が多くなります。日本国憲法大好き♥。お好きな方はどうぞ。

  • 発達障がい診療って何するの?

    発達障害の診療に関して、当事者、親、教育や福祉、行政に関わる人達がそれぞれ医療に何を期待して、どう使っていけばいいのか。医師、医療従事者は何をすればいいのか。私の考えや実践について少しずつまとめていきます。

  • どこかでなにかとたたかう・・のはおやすみにして

    私個人の体験をもとに、これまでやってきたこと、これからやりたいことをなんとなく書き溜めていきます。社会的課題の解決に向けて、常にどこかでなにかとたたかうのではなく、楽に楽しくジワジワといく方法を模索してます。

最近の記事

ひとりでしない、ひとりにしない

Ⅰ.はじめに 強度行動障害に対する魔法の杖はないが、本人の生活の質を向上させながら行動の問題を減らし、周囲の人も楽になる考え方や方法論はほぼ確立されている。しかし複雑困難事例ではそこにたどり着けず本人と周囲の少数の人が姑息的な対応でしのぎながら疲弊している現状がある。家族の自己犠牲的な支援、スーパーマン的人材に頼った属人的な支援、支援者の自己満足的な支援から、知識と余裕のある人が助っ人に入り、本人と支援者の思いを傾聴しつつ伴走して対話の場をつくり本人を中心とした多職種多領域

    • ウィークネスフォビアを超えて 

      (支援 vol.13号原稿) 1.市中のメンタルクリニックから見える景色 私は地方都市でメンタルクリニックを拠点に、主に知的・発達・精神障害の親子と若者の診療をおこなっている精神科医である。 関わることが多いのは、さまざまな原因で認知、思考、行動面にさまざまな不自由さ不器用さを抱え、疲れやすく、周囲の状況や自身の感情をほどよく理解し、自分のことを上手に伝えるといったことが苦手な人たちだ。 彼らの障害は一見分かりにくいがゆえに、周囲の理解や支援が得られにくく、ただ頑張ら

      • 強度行動障害と、くるめさるく長瀬慎一さんらの虐待(?)事案に関して

        同居する母の依頼をうけ、暴行や窃盗などの行動問題のある長崎県の14歳の少年を拘束し、福岡県の施設に連行し暴行した疑いで、福岡県久留米市の療育施設くるめさるく代表の長瀬氏(坂上氏)と、特別支援教諭であった松原氏が逮捕されました。 報道のまとめはこちら すでに大きく話題になっていますし、今後、裁判になっていくとおもいます。私なりにこの事件とエヌ氏について振り返ってみます。 「強度行動障害は100時間で改善できます。」 私がくるめさるくの長瀬慎一さん(坂上慎一さん、以下エヌ氏

        • メンタリストDaiGo氏の差別的発言について

          インフルエンサーであるメンタリストDaiGoさんの、ホームレスや生活保護受給者に対するひどい差別発言が問題となっています。 DaiGoさんととその取り巻きの人たち発言により、生活保護の人やホームレスの方、満身創痍で生きている人達の心が切り裂かれました。 これは決して許される行為ではないと思います。 DaiGo氏はホームレス支援団体をはじめとする様々な人や団体から批判をうけ、2度にわたる謝罪をし、もともとの動画は公開停止されているようですが、切り抜き動画やまとめは残されていま

        ひとりでしない、ひとりにしない

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        • ヒダリマキ通信
          15本
        • 発達障がい診療って何するの?
          19本
        • どこかでなにかとたたかう・・のはおやすみにして
          3本

        記事

          対話から始める「脱!強度行動障害」

          第3回日本こころの安全とケア学会学術集会・総会:教育講演 (2020年12月12日 松本市) どうぞよろしくお願いします。このテーマについては福祉や教育の現場の方にお話をさせていただいたことはあるのですが、医療関係者のお仲間にお話をさせていただける機会というのは少ないのでとてもうれしいです。 そもそも精神医療って何をしているの?私は精神科医ですので精神医療に何ができ、何をすべきなのかということに関してずっと考えてきました。結局、何らかの原因で人間社会の枠から様々な形で逸脱

          対話から始める「脱!強度行動障害」

          オンライン元年、悲喜こもごも

          新型コロナウィルスの流行でまだまだ不特定多数の人を集めて対面での集会や会食が難しい状況がつづいています。 会合や、式典、各種学会なども昨年からはオンラインやリアル開催とハイブリッドの開催となり、流行期には学校(特に大学)の授業もオンラインで行われるようになりました。 この状況にもいいことはあって、普段あまり参加できない他領域の学会や研修会などに自宅から参加したりということが気軽にできるようになりました。時間をつくって、いろいろ調整しないと参加できなかったPECSのワークショ

          オンライン元年、悲喜こもごも

          興味の無いことに興味をもたせるお薬はありません

          子どもの診療をおこなっていると、学校で子どもが落ち着いてすごせない、荒れているなどで子どもを受診させたいというような相談が実に多いです。 そういう子どもに対して学校や支援者から「いまはおちつく、いい薬があるから受診してもらってきてください」といわれて受診をすすめられたりすることもあるようです。 また受験が近づいて焦る親から「成績があがらないのでお薬でなんとかなりませんか?」というような相談を受けることもあります。 しかし、これらの多くは、学校などの環境と子どものタイプ、

          興味の無いことに興味をもたせるお薬はありません

          炎上した長野県の障害の社会モデルの広報。障害は社会の側にある!地域共生社会の実現に向けて

          長野県のから発信されたTVCMと新聞広告、県の広報の内容が県内外の物議をかもして炎上している。 その内容は以下のようなものである。 障がいの考え方には2つあります。 ◆社会モデル…障がいの社会モデル 障がい者が直面する不利益や困難は、障がいのない人を前提に作られた社会のつくりや仕組みに原因があるという考え方。 障がいがあっても参加できる社会をつくる それが、社会モデルという考え方 たとえば、エレベーターやスロープを増やす たとえば、点字ブロックが安全に目的地に導く 社

          炎上した長野県の障害の社会モデルの広報。障害は社会の側にある!地域共生社会の実現に向けて

          余暇活動こそ本質活動

          三つ子のタマシイ百まで 思えば私の祖父母はみな陶芸や習字、お茶、旅行、絵やレース編みなど手芸を嗜む趣味人で、世間からはどこか距離をとりながら生きていた人だった。特に母方の祖父は眼科医師であったが、踊りや陶芸、俳句などを嗜む今思うとちょっと変わった人だった。私はというと、幼少期、その祖父がキャッチボールをしようと誘ってものってこず、しゃがみ込みアリをずっとみていた少年だったそうだ。幼稚園のころは、そんな祖父と陶芸をしたり、絵を書いたり、工作したりして過ごしていた。小学生時代は

          余暇活動こそ本質活動

          簡単な設備でオンラインで参加型のシンポジウムしました。

          8月30日の日曜日、長野県の発達障がい児者連携協議会啓発部会の主催する発達障害関係のシンポジウムをオンラインで開催するのをお手伝いした。 今回は支援の途切れやすい15歳から20歳くらいの教育・医療・福祉の連携がテーマで、精神開始、高校教師、福祉領域のコーディネーターがシンポジストとして登壇した。 寄せ動画によるショートムービーはオススメ 今回の企画の一部としてオンラインシンポジウムの場面転換や休憩のあいだに流すために5分ほどの啓発動画をつくった。仲間に声をかけて15名ほど

          簡単な設備でオンラインで参加型のシンポジウムしました。

          今、君が”なぜ君は総理大臣になれないのか”を見るべき理由

          “なぜ君は総理大臣になれないのか” 近くの映画館で上映されていたが、行けなかったのだが、オンライン上映の機会があり視聴することができた。 今の政治状況に絶望している人にこそ見てもらいたい。大島監督のエールと、小川淳也議員の存在にかすかな希望を感じることが出来るだろう。  大島新監督は、実は映画を通じてさまざまなものと闘ってきた人である大島渚監督の息子らしい。 テレビ番組などをつくっていた大島新監督が、縁あって小川さんと知り合い(妻同士が同級生だったらしい)、17年間を追

          今、君が”なぜ君は総理大臣になれないのか”を見るべき理由

          「大西つねき氏」と「れいわ新選組」の構成員の発言から考えたこと

          私は、れいわ新選組の「誰も切り捨てない」社会という理念に共感し、山本太郎代表や、構成員の立候補者、木村、船後議員などにはとても刺激をうけてきたし、注目し、応援もしてきた。 その、れいわ新選組の構成員の大西つねき氏のライブ配信動画で「政治は命の選別をすべき。高齢者の方から逝ってもらうしかない。」という発言が、内外で議論をよび、結果としてれいわを除籍されるという騒ぎになった。 件のライブ動画、その後の弁明、構成員の人たちの語る動画をみたが、個人の死生観を語る、政治の仕組みを語

          「大西つねき氏」と「れいわ新選組」の構成員の発言から考えたこと

          発達障害サポートブックは使われない!広まらない!あるある。大事なのは表紙。

          久しぶりの投稿です。 コロナ流行のおかげで、あまり出かけられなくなりましたが、さまざまなセミナーをオンラインで受けられるようになっており、時間があれば自宅から参加してみたりしております。 本日、このようなセミナーがあったので1000円払って参加してみました。 Twitterで注目していた、三重のNPO法人いろ葉の、よつば@発達クラスタフェス さんの話を聞いてみたかったことがあります。 https://twitter.com/yotsubaSW いやあ、おもしろかった

          発達障害サポートブックは使われない!広まらない!あるある。大事なのは表紙。

          無料オンラインセミナー(ZOOM+YouTubeLive)こんな感じでやったら簡単で盛り上がってよかったよという話

          オンラインセミナーをZOOMとYouTubeLiveをもちいて、ほぼ手間とコストをかけずに開催でき、ライブでの参加者が750名、見逃し配信も合わせて2500名の視聴者があり大盛況でした。(もちろんメインは講師の知名度と力です) 備忘録的にやり方をまとめたものをシェアしますので、これからオンライセミナーをやってみようと思っている方は、よろしければ参考にしてください。 ZOOMで対談や講演を配信する形式は増えてきていますが、パソコンだけで特別な機材も不要で、実に簡単にできます

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          「ポストコロナはインターネットのある自由で民主的な江戸時代」

           新型コロナは無症状な人が強い感染性をもち、一部の人が急速に重篤化し死に至るという絶妙な塩梅で、ソーシャルやメンタルへの実に影響が大きい。そして格差や貧困など社会の弱い部分を直撃して感染を広げる。  このパンデミックは世界的な災害であり、ほぼ同一の与条件で各国に降り掛かっている。各国の指導者、そして国民はそれぞれのやり方で対応しているというところが興味深い。なんというか民度のベンチマークみたいになっている感じだ。  そして残念ながら我が国の権力を預かる者たちの、無責任で、

          「ポストコロナはインターネットのある自由で民主的な江戸時代」

          にわかYoutuberに挑戦〜対談が楽だな。

          新型コロナの流行で「密です!Stay Home!」のため、なかなか外出も集まることもばかられる今日このごろいかがお過ごしでしょうか。 職場でも、集団感染すると機能を停止してしまうため、なるべく濃厚接触者をださないためにミーティングなども続々ZOOMを利用したものに変わりつつあります。 だいぶZOOMも使い慣れてきました。 お仕事の相談をZOOMでしていた心理士の上間春江さんと、親や子どもたちにヒントになることを配信できればいいねということで、対談の一部を取り出しYoutu

          にわかYoutuberに挑戦〜対談が楽だな。