ロクロ禅
大好きな後輩と陶芸体験に行った。
やりたいことリストに書いたままだった陶芸。
卒論頑張ったご褒美だもんね!ふふふん〜
師匠の言葉通りに造形していく私達。
土の芯を捉えグッと深く高さを出して、
ロクロに引っ張られないように水を足して、
両手で少しずつ形を整える。
「まあるく、まあるく」と心で唱えながら、
ヒンヤリとした土を、少しずつ形に。
お皿?コップ?そば猪口?花瓶?
何を作るか全く決めていなかったけれど、
「君は何になりたいの??」
なんて土と会話していると、それっぽいお皿が。
まあるくて、優しい土の匂い。
あれ、終バス何時だっけ?
帰り道、可愛いカフェあったっけ?
待って、私の進み具合遅くない?大丈夫かな??
そういう邪念を1ミリでも持った瞬間、
手のひらを通じて、土が警告を鳴らしてくる。
グニャ。おわた。ほら、集中しないから。
陶芸は禅と似ている。
目の前のロクロを通して、自分の邪念に気づく。
言葉にならない声に耳を傾け、自分を戒める。
まあるく、ふかく、ひろく、永遠に。
クルクル回る土から聞こえたような気がした。
次は、どんな土と出会えるのだろう。
るんるん。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?