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会社の成長を支えるナンバー2の育て方 vol.78 ナンバー2の役割⑤改革役の機能

【会社をもっと良くしたいと考える人材が組織の成長を促す】

日々の仕事の中で「あれ?これでいいのかな?」と従業員が感じない会社は成長しません。表面的には日々つつがなく業務が捗っているように見えても、アンテナを張っていると、小さな違和感を覚えるものです。

社長は社内全体を把握しているようで、見えてない、気づかないことも多く、その小さな違和感まで感じ取ることは難しいと思います。

理由としては、物理的な問題と社長と従業員の関係性にあります。社長が有能で、人格に優れていても従業員は以下のような考え方や行動をするのが常だからです。

・社長や上司の前では本音を話さない
・困りごとがあっても言わない
・意見を言えば、余計な仕事が増える
・言われたことをやっていれば十分
・ヒヤリとすることがあってもやり過ごす
・気になることがあってもそれは自分の責任ではない
・課題に気がつかない

決して従業員の能力が低いのではなく、彼らからすればそこまで自分が考えたり、行動する必要はないと悪気なく思うのです。ただこうした状況をそのままにしていると理想の組織に近づくのはなかなか難しくなります。

会社には課題があって当たり前ですが、社長でも気づけない課題をいかにキャッチし、現場の意見を吸い上げ、かつ改善や解決に結びつけるのか。この視点と役割はとても重要です。

経営環境の変化がますます速くなり、企業は柔軟性と変革力を備える必要があり、会社をもっと良くしたいと考える存在は極めて重要です。ナンバー2は過去の成功体験に囚われず変化を厭わず、見落としがちな課題に気づき、組織をより強くさせるために組織を変革し、新しい方向へ進むためのリーダーとしての役割を果たします。

今回はナンバー2の役割のひとつである改革役について解説してみたいと思います。

【過去記事はこちらから】
ナンバー2の役割①補佐役の機能
ナンバー2の役割②フォロワーの機能
ナンバー2の役割③実行役の機能
ナンバー2の役割④通訳役の機能


改革役の機能

改革役としての代表的な機能を以下に解説していきます。

(1)ビジョンの共有と展開

改革役は、社長のビジョンを理解し、それを組織全体に共有し、実現するための具体的な計画や戦略を策定する役割を担います。組織全体が目指すべき方向を明確にし、メンバーがそのビジョンに共感できるような施策を講じ、具体的にはビジョンの言語化、行動指針の策定、最終的には評価制度まで見直す必要があります。

(2)変革のリード役

社内の変革プロセスをリードし、組織文化や業務プロセスの変革を促進します。変革には抵抗が伴うことがありますが、改革役は組織のメンバーを鼓舞し、変革への意欲を高めることが求められます。社長が一人で旗を振っていても現場が白けていたり、消極的な関り方しかできないと変化に対応できる強い組織作りはできません。

(3)組織の効率化

現行の業務プロセスや組織構造を見直し、効率的な運営を実現するための施策を提案し、実行します。現場での小さな困りごとを丁寧に拾い上げ、課題を解決していくことで、職場環境を整備し、ムリ、ムダ、ムラを減らし、生産性の高い組織作りに貢献します。

(4)コミュニケーションと連携

組織内外との効果的なコミュニケーションを確保し、他の部門や利害関係者との連携を強化します。多くの従業員は自部門の業務など狭い範囲での活動に埋もれ、会社全体での大局的な視点を持ち合わせていない場合があります。また、協力会社や取引先などの外部関係者とは事務的な関係性になりやすく、新たな協業などの発展性のある会話も不足がちになりますので、連携を深めるためにコミュニケーションを深化することは重要です。

(5)リスク管理

事業運営にはリスクが伴います。売上作りを特定の事業者や業界だけに頼っていると何かの拍子に取引先を失う、ヒューマンエラーでトラブル、クレームが発生すると多大な影響を及ぼしてしまう、特定のメンバーの属人的な能力に頼り過ぎていて退職されると業務が破綻してしまうなど、見渡してみると社内にはリスクが山のように眠っています。こうしたリスクを課題のひとつとして認識し、必要な手を打つことも改革役の役割のひとつです。

(6)人材開発とチームビルディング

社員教育はどの会社にとっても重要であるものの、OJTだけで済ませてしまう、教わる人によって内容が異なるなどでは従業員のスキル向上にバラつきが生まれてしまいます。また、意見を積極的に出し、能動的で変化に対応できるような自律した従業員を一人でも多く増やす必要があり、人材開発は優先順位の高いテーマでもあります。

まとめ

会社には変わらず大事にしていくもの、積極的に変わっていく必要があるものが混在しています。またその前提としてどんな会社でありたいかというビジョンが必要です。

社長が何をすべきかわかっていて、ビジョンがあったとしても、業務を行いながら社長一人で推進するのは非常に難しいのが現実だと思います。

冒頭でお伝えしたとおり、従業員というのは日々の仕事においてさまざまな気づきがあったとしても「そこまで自分が考えたり、行動する必要はないと悪気なく思う」ものなのです。

この両者の橋渡しをしつつ、変わっていかなければならないこと、改善していかなければならないことを自分ごととして考え、行動できる存在がいるか、いないかでやはり組織の成長スピードに差が生まれます。

ナンバー2の役割を継続して解説しておりますが、ナンバー2を育てたいと思う社長にはその役割の具体的中身を意識しつつ、育成の指針として頂きたいと思います。

頼りになるナンバー2がいる組織は強いですし、社長ももっとやりたいことができる環境になります。


最後までお読みいただきありがとうございます。

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