NO.2の育て方㊳ナンバー2がいない社長
スタートアップや成長期は組織作りよりも社長が先頭に立って、がむしゃらに仕事をすることが大事です。
けれども、一定の規模や時期になると成長が頭打ちになったり、減速しまうのは過去の記事でもお伝えしてきたとおり、社長の限界が会社の限界となってしまうからです。
今回はナンバー2不在である社長の考え方について考察してみます。
いろんな理由がありますが、代表的なところをピックアップしました。
■育成方法がわからないためにナンバー2を育てられない
これはナンバー2を求めているのに、育て方がわからない状態なので、適切な育成論を学び、実践すればよい話です。
■ナンバー2を持つことに否定的である
こちらはナンバー2を持たないという選択を自らしているので、この先もナンバー2がいない状態が続くことになります。
では、なぜナンバー2を持つことに否定的なのかという理由ですが、
こうした理由が挙げられますが、マネジメント上の冷静な判断ではなく、感情の問題がほとんどと言えます。
①と②は嫉妬と警戒心です。
自分が社長なのに部下や取引先はナンバー2にばかり注目して、面白くないという感情。承認欲求が高すぎる社長に見受けられる感情です。
いつか社員、取引先をごっそり持っていかれるのではないかという不安と警戒。こちらはある意味リスクマネジメントの観点でもあるので、理解はできるものの、同じく嫉妬も含まれているので、より複雑です。
嫉妬や警戒心や強すぎて、素直に部下の功績や名声、信望を喜んであげられない訳です。
③はすでに人間不信なので、かなり重症です。裏切られ方にもよるかもしれませんが、何か考え直すきっかけでもない限り変わることはありません。
ただ、これもリスクマネジメントの一環なので一定の理解はできます。
④は人材育成ができない社長の特徴です。人間誰しも得手不得手があるものの、長所を活かす、伸ばすが人材育成の基本ですから短所にしか目がいかないとしたらどんな部下も無能扱いになってしまいます。
⑤は自己評価が高い社長に見受けられる考え方です。自分に自信を持つことはもちろん悪いことではありませんが、あまりに自己評価と自己肯定が高すぎると、現実と向き合うことがなくなってしまったり、反省することがなくなってしまうので、裸の王様になりやすい傾向にあります。
ナンバー2を何が何でも持たないといけないとは思いません。ただ、社長の器以上に会社は大きくならないと言われるのも真実です。
業績不振から立ち直れない、事業承継の後継者がいないといった事象の原因のひとつとしてナンバー2がいない、機能していないからという指摘はあまり世の中にはありませんが、事業運営の課題をつぶさに観察すると社長があらゆることを抱え込んでいることに起因しているのは明らかです。
■ナンバー2とどう付き合うか
社長とナンバー2との間には信頼関係が大事ではありますが、適度の緊張関係ももちろん必要です。
ナンバー2にも能力、人格に優れていて欲しいと願いながらも、リスクマネジメントの観点から冷静に監督することは考えておかないといけないことだからです。
ナンバー2に与える権限、役割、立ち位置、約束ごと、そして自分の感情との折り合い。
このバランスを保つためには何をすべきか。
これを考えたらよいと思います。
そうすることで、社長の限界を突破させ、会社を発展する貢献をしてくれるナンバー2を持てる可能性が高まります。
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