見出し画像

ぐん税ニュースレター vol.27 page05 -広報の部屋から-

前回の記事では広報、特に広告について基本的な内容を書かせていただきました.

前回の記事の冒頭で広報と聞いてイメージするものとして社内外の通知・告知書類の作成、広報誌の作成、営業用チラシの作成、広告の作成、メディア・取材対応などを挙げました。これらは自社について周知させるための活動、つまり営業活動でもあります。近年では広告手法も紙からウェブへ、対面からリモートへとシフトしています。この広報の部屋では当面は広報活動を営業的側面とウェブ展開について考察したいと思いますが、まずは「メディア」について解説いたします。

かつての営業活動

営業は足で稼げ、と言われていたこともありますが、現代においてキャンペーンチラシを持って飛び込み営業、というのはほとんど見かけなくなりました。今でも無いわけではありませんが、効率の悪い手法と言えるでしょう。例えば移動に30分かかったとして、担当者に会えなかったり門前払いされたりすれば人件費も交通費も無駄になります。そしてその時間と経費をかけて1件のアプローチしかできていないこと自体もとても非効率です。そしてこうした対面での新規営業は1日何件も回り、「今日も成果なし」といったことがよくあります。商材にもよりますが飛び込み営業では50件回ったとして見積もり案件を1、2件でも取れれば上々ではないでしょうか。そしてその見積もりも通るとは限りませんし、むしろ通らないことの方が多いでしょう。この例で見積もり5件で1件成約できたとしても、単純計算でその見積もり5件を取るために250件の訪問が必要になります。
もちろん対面での営業を否定するものではありません。お客様とのコミュニケーションが上手で、実際に足で稼ぐ営業はいます。

マーケティングもデジタルへ

わかりやすい例として飛び込みの新規営業を挙げてみましたが、ご覧の通りこれを続けていくのは中々の根性が要ります。その前にそれを続ける意味があるのかを考えるべきですが。そんなことを言っておきながら私も駆け出しの営業時代は1日50件の訪問をノルマに外回りの広告営業をしていた時代があります・・・。(教育や社会勉強のためでもありましたが)
ですが昨今、営業せずとも顧客は必要なモノや情報は自分でネットで調べて、そこで購買までのプロセスを完了させています。売る方にしても上述のように1件1件訪問していたのでは費用対効果が悪いです。よってデジタル化が進んだ現代ではマーケティング活動もネットを活用した空中戦が主流になっています。これをデジタルマーケティングと言います。
例えば商品を売るための広告もかつてはチラシや看板が主流でしたが、現代は広告の舞台もネット上での戦略が重視されています。みなさんも体感していると思いますが紙媒体で情報を入手する機会はかなり減ったと思います。こうしたデジタルマーケティングの説明をする上で重要なメディアの種類についてまずは解説いたします。

オウンドメディア

「オウンドメディア」という名前はよく聞くようになったと思います。出始めの頃は広告担当者しか知らないような言葉でしたが、昨今のメディアの進化と共にその言葉も市民権を得てきたのでしょうか。オウンドメディアはその名のとおり「own(自身の)」つまり自分たちで所有しているメディアのことになります。代表的な例は自社のウェブサイトやブログ、メールマガジンなどです。会社案内や製品カタログ、DMなども含まれますが一般的にはデジタルメディアのことを指すことが多いです。オウンドメディアの特徴は自社で所有しているメディアなので情報の内容や配信時期などを自由にコントロールできることが挙げられます。コンテンツを充実させ自社の魅力をしっかりアピールすれば訴求力の高いプロモーションができます。また頻繁に自社サイトを訪れる顧客は高いエンゲージメントがあると言えます。

アーンドメディア

こちらは少し聞きなれない方もいるかもしれません。アーンド=earnedです。earnは「得る」という意味ですので直訳的には外部(第三者)から得られる情報という意味合いです。つまりクチコミやレビューサイト、インフルエンサーや有名ブロガーからの発信、テレビや新聞などによる報道がアーンドメディアです。自社からの発信情報ではないため客観性がある分、説得力もあるのが特徴です。一方で自社では情報の内容や発信をコントロールできない面もあるので、必ずしも伝えてほしい情報が発信されるとは限りません。特に、いわゆる「炎上」には細心の注意を払う必要があります。まずは情報発信者に自社または自社製品・サービスについて知ってもらうこと、そしてそのために自社から正しい情報を効果的に配信することが重要です。報道機関に取り上げてもらうためにプレスリリースを作成することがありますが、プレスリリース自体はオウンドメディアに該当します。

ペイドメディア

これは名前の通り企業がお金を払って出稿する広告メディアのことです。わかりやすい例が新聞・雑誌広告、テレビCM、ラジオCMなどのマスマーケティングの手法です。広告費はかかりますが、短期間で広く周知したい場合には効果的です。企業が費用を払うのでアーンドメディアとは異なり企業側が意図した情報を発信しやすい点もメリットです。あとで詳しく解説する予定ですが、リスティングやSNS広告などのウェブ広告もペイドメディアに含まれます。

シェアードメディア

ここまでの説明でSNSは何にあたるの?と気になった方もいるかと思います。外部から情報が発信される点においてSNSは元々アーンドメディアとされていましたが、近年はシェアードメディアと言われるようになっています。これは言葉通りSNSの代表的な機能である「シェア」から由来しています。アーンドメディアが影響力ある発信元であるのに対し、一般ユーザーからの拡散(シェア)という点が特徴でアーンドメディアとは区別して使われるようになりました。企業の公式SNSアカウントは企業側が発信しているという点ではオウンドメディアですが、ユーザーのコメントなど完全にコントロールできるものではありません。また自社の投稿がシェアされればシェアードメディアとも言えますし、それに気づいた紹介サイトや報道機関が取り上げればアーンドメディアとも考えられます。SNSは広告配信もできるので、その意味においてはペイドメディアです。SNSは一般的にはシェアードメディアではありますが、情報発信者と受信者の関係性を理解しておきましょう。

各メディアを上手に活用する

オウンドメディア、アーンドメディア、ペイドメディアはトリプルメディアと言われており、近年ではこれにシェアードメディアを加え、各頭文字をとってPESO(ペソ)メディアと言われています。海外ではこちらの方が主流らしいです。(こういう語呂は誰が考えるんでしょうね)
これら各メディアは単独で活用するよりはそれぞれを活用し補完しあうことでより効果が発揮されます。例えば自社のウェブサイトを使って積極的なプロモーションを行ってもウェブサイトに訪れるユーザーがいないと意味がありません。そのためにはペイドメディアを用いて広く周知させ自社に興味を持ってもらいウェブサイトに訪問してもらう必要があります。そしてペイドメディアによって影響力のある人や報道機関に周知されればアーンドメディアへの露出が高まります。それを見た一般ユーザーによりシェアードメディアで拡散されます。
また、自社のSNSを上手に活用し、そこからアーンドメディアへと広がれば費用をかけずに情報の拡散へとつなげることができます。

デジタルマーケティングはこうした各メディアの機能や蓄積されたデータを最大限に活用したマーケティング活動です。○○メディアという言葉は他にも多くありますが※、まずはPESOメディアを押さえておきましょう。これらも踏まえて次回はメディアの活用についてもう少し掘り下げて解説できればと思います。


キュレーションメディア・・・ネット上にある情報をテーマに絞って整理されたまとめサイト(ex.Gunosy、NewsPicksなど)
バーティカルメディア・・・特定の分野に特化した情報を発信するサイト(ex.クックパッドなど)
キュレーションメディアとバーティカルメディアは似ていますが、キュレーションメディアがネット上の情報を広く浅く集めたサイトに対して、バーティカルメディアは狭く深堀りした「垂直型」の情報を発信します。ある企業がオウンドメディアとして旅行やスポーツなどに特化したバーティカルメディアを立ち上げることもあります。(複雑?笑)

バイラルメディア・・・情報を集める点ではキュレーションメディアと同じですが、話題性やインパクトのあるいわゆる「バズる」コンテンツを集めてSNSでの拡散に特化したメディアです。基本的にはサイト流入からの広告収益を目的に運用されていることが多いです。アメリカの「BuzzFeed」が基礎を創ったと言えば想像がつきやすいでしょうか。しかしコンテンツの著作権やサイトの乱立などが問題視されているメディアです。

マーケティング担当 原

この記事が参加している募集

マーケティングの仕事

広報の仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?