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ビジネススキルをいつまでに習得する、どこで身に着ける?

本ブログ記事は『ビジネススキル 完全攻略 -基本編-』からの抜粋になります。全部まとめて読みたい方は、是非、電子書籍をご購入ください。


基本スキルを「いつまでに」習得すべきか

スポーツにおけるゴールデンエイジとは

スポーツの世界では、スキルを習得するのに最適な「ゴールデンエイジ」があると言われています。

ゴールデンエイジとは、子供の運動神経(神経系)が著しく発達する時期のことを言います。この時期の過ごし方が、子供の運動神経や能力に大きな影響を与えます。

一般的に、5~9歳ぐらいがプレ・ゴールデンエイジで、10~12歳ぐらいがゴールデンエイジに該当します。また、言語においても、苦労せずに第2外国語を習得できる(ネイティブ並みのバイリンガルになれる)のは10歳ぐらいまでと言われています。

スポーツにしろ、語学にしろ、小学生中学年から高学年ぐらいまでが、学ぶべきタイミングのリミットと言えます。

ビジネスにおけるゴールデンエイジはいつ

それでは、ビジネスにおいて、仕事で成果をだすための基本スキルを習得する時期(ゴールデンエイジ)はいつが最適なのでしょうか。

結論から申し上げると、入社1~3年目ぐらいの時期までに基本スキルを習得するのが最適です。

入社して1~3年目で正しい仕事の仕方(仕事の型)を習得できると、早い段階で成果を出すことができます。早い段階で成果が出せると、さらにチャレンジングなプロジェクトにアサインされて、一皮剝けるような成功体験を得ることができます。

結果的に、早い段階で、部下を持つ機会や、特定部門のマネージャーになるような機会を得て、さらに成長していくことができます(私はこれを「育成における正のスパイラル」と呼んでいます)。

もちろん、30代以降に基本スキルを習得していくのも遅くはないのですが、仕事の仕方に変な癖がついていたりすると、それを修正して学び直していかなければなりません。また、年齢が上がってくると、なかなか他の人の意見を受け入れることができなかったりします。

ですので、入社1~3年目で、まだ、相手の考えや意見を素直に受け入れられる時期に、正しい仕事の仕方を学んだほうが、その後のキャリアアップにつながっていきます。

図表. 育成における正のスパイラル

基本スキルを「どこで」身に着けるべきか

アメリカ国立訓練研究所の調査データ

アメリカ国立訓練研究所(NTL)が提唱している考え方で、ラーニングピラミッド(平均学習定着率)という考え方があります。

NTLの研究によると、講義を受けた時の学習定着率は5%で、資料や書籍を読んだ時の学習定着率は10%程度と言われています(とても低いですよね・・・)。
一方で、実践による経験や練習からの学習定着率が75%で、さらに、学んだことを他の人に教えることで学習定着率は90%まで達すると言われています。

つまり、知識やスキルを定着させていくためには、実際のプロジェクト(実務)の中で、スキルを習得していくのが早道ということになります。

また、教えることが学習定着につながるため、トレーナー(先輩上司)がトレーニー(若手社員)に対して、OJTベースで業務を教えていくのも、トレーナーにとっては非常に効果があるということになります。

図表. ラーニングピラミッド

ロミンガーの法則(別名「70:20:10」の法則)

また、同じような考え方に「ロミンガーの法則(別名「70:20:10の法則」と言います)」というものがあります。

ロミンガーの法則とは、「人の成長において7割が業務経験(OJT)から、2割が他者との関わり(上司からのフィードバックなど)、そして1割が研修によるものである」という考え方です。

こちらの考え方でも、仕事での経験や、他者との関わりといったインフォーマル・ラーニングが重要であると述べています。

図表. ロミンガーの法則


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