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O-Keyプロデュース「絶望エクスチェンジ-Re:boot-」観劇感想メモ


こんにちは、灰色です!

今回はちょっと趣向を変えまして、LIVEではなく舞台の感想になります。

見てきたのはこちら。


ポピエモ・スパレプ・ナウドラの所属するスーパー事務所O-keyがプロデュースする舞台作品、「絶望エクスチェンジ-Re:boot-」です。

その物語を彩るのは、ステージ上から常にこの血を沸騰させてくれるポピエモの王者キング・ユリア=成瀬ゆりあ!

なんか天変地異クラスにかわいいやつ」略してちいかわことナウドラのキャプテン・ミサト=上野美里!

歌ってよし踊ってよし喋ってよしの才女ながら、大食い・飲酒・真顔という各種飛び道具をも備えたリンリン=白石李奈

そんな彼女たちを筆頭に、3グループのスターたちがズラリと揃った作品です。

実はオーキー舞台を観るのは2回目でして、以前には「夢幻の如く時が嘲笑う」という作品をキャップお目当てで鑑賞したのですが、それがまた相当に出来の良いエンタメ作品で非常に楽しめたため、今回も是が非でも観るべしということで足を運んでまいりました。

ではでは、簡単な箇条書きではございますが、感想をどうぞ!

※千秋楽も終わっておりますので、当然ながらネタバレ全開です。自分の備忘のための記事ですので、悪しからずご了承ください。




全体感想

・年季の入った劇場ならではの雰囲気の良さ。程よいアングラ感がバーの場末感やクリニックのいかがわしさとマッチしていて◎。ごちゃごちゃ感が楽しい。

美醜と入れ替わりギミックを軸にしたストーリーは、寓話チックで程よく明快。大どんでん返しや謎解きといった趣向はないけれど、王道っていいなーという感じです。バッドエンドになるか、まだ続くか、とハラハラする楽しさは十分ありました。

・オムニバス形式で同構造の話が三段繰り返されるという構成ながら、キャストの熱演と行間の面白さがあり、程よい謎感も漂って飽きさせない。シーンごとのテンポがとても良く、だれることがなかった。

・扱ったネタ自体はだいぶセンシティブ。アイドルにやらせて大丈夫か?というところも多々あれど、こういうのを全力でやれるのもこの規模の作品ならではか。

そういうわけで評価が分かれるところも多いだろうけど、道徳の授業を受けにきたわけではないのでそれでいいのでは。個人的なことを言うと、ラストのお茶しませんかだけはちょっと合わなかったかも。あと夢幻の次に見たゆえのオチの既視感は仕方ないかな。




キャスト陣とキャラクターの話

まずは先にダンサーチームから。

・前日まで体調を崩していたのが心配だったけれど、ユリアちゃんのダンスパフォーマンスが見られて何より!途中せっかくだし歌ってほしかった気もするけど、劇場の音響だと王には不足すぎるかもね。

・以前から、193R=ライダーとユリアちゃんのダンスはしばしば操り人形のように思える瞬間があった。ナウドラの「悲劇のエゴイスト」やポピエモの「覚醒サテライト」ラストのライダーソロ等々で見られる感じの、表現力に振り切った憑依的な、人間味を薄れさせた動き。それが今回の白仮面をつけての亡霊的な演出に怖いほど凄まじくマッチ!

一方、中性的な二人とは全く違うタイプながら、スパレプのノンストップ・ユキエことユッキーのダンススキルもかなりのもので舌を巻いた。絶パートでは初舞台で蘭役の演技もしてたというのだからこれまた凄い……。もっと実力を隠してそうだし、ビジュも凛としつつワイルドさも合わさって素晴らしかったので、普段のスパレプとは違うテイストのステージが見てみたくなりました。

振り返ってもやっぱり、ユリアちゃんとライダーのユリクコンビはさすがの貫禄。単なる幕間のショーではなく、エフェクトに徹するという演技。さらにエンディングではカタルシスを感じさせる純白の舞姫にもなってくれたりと、実に大きい存在感だった。

・話の中心にいたキャラクターをトリプル主役とするなら、なんといっても最大のポイントはナーナ・ポップこと奈々さんの絶対的な演技力!入れ替わりとループという古典的な難題に対し、キャスト陣で最も「中身」を巧みに表現できており、度肝を抜かれた。

そもそも作品の主軸自体がさやか・奈々ペアの強固な関係なくして成り立たないし、これファンはたまらなかったのでは……と思っていたが、なんとAKIARIMの玲奈さんともペアだったそうなので絶句した。完全に大女優。

「夢幻〜」でのコミカルに振り切ったキャラもパンチが効いていたが、シリアスな演技はギャップもあって遥かに良かった。半端にやったら陳腐になりかねないストーリーが完成したのは、この人のおかげに他ならないだろう。

・サヤカ・ロス.emo=石野さやかさん。美の化身として、納得のキャスティング。この人は何より悲痛な演技がとにかく天才的。LIVEでそうしたリリックを歌うときにも強く感じていたけれど、舞台はまさに真髄。そしてそれらの相互作用がさらなる異次元のレベルアップに繋がっていると思われる。オタクが魅了されるのも無理はない。超人の域。

・そして推しのキャップ=上野美里はもう本当に完全な助演女優賞!!全編にわたっての登場で、出番の尺ならトップクラスだったのでは?派手な見せ場があるわけではないけれど、世界観の根底を表現する超重要かつ超難しい役どころ。序盤からのキャラのジェットコースターぶりたるや……全力を尽くさなければストーリー自体が崩壊しかねない大役を、よくぞ務めてくれました。

アナザーサイドとしてみさきの物語を見てみたかった気もするけれど、次回こそは主演・上野美里にも期待が高まる。どんな役でも見てみたいと思わせる、俺たちのキャップ!

・リナ・マイフレンド=白石李奈。序盤のメインキャラで、後半ではまた違った味わいの役どころに。赤ドレスからフリフリロリータへとガラッと衣装が変わったのもすごく自然に見える……否、正しい意味で「不自然に」見える振る舞いは、アイドルとしての地力のなせる技だろう。歌っても踊っても喋ってもこなせる器用万能のリンリン、演技もやれるとは恐れ入りました。

ご愛嬌な場面もありつつも、リンリンにできないことはないのかと思わされることしきり。きっと活動年数が長くなればなるほど、ワイドにその戦場を広げられる人なのでしょう。

あと人間失格の暴かれダンスでお馴染み真顔が見られて実家のような安心感だった。

・ユーナッテ・ユーナ=優奈。中盤以降に登場するキーパーソンで大切な役どころ。おそらく初舞台?ながらその力みがない自然さには恐れ入った!歌と同様、まだまだ底力を隠している感があり、磨けば磨いた以上に期待を超えて光るまさに新星。もっとユーナに尺を!と歌でも舞台でも初見で思わせる未知の怪物だ。

・スパレプのモカマタリ・アオさん。まさかのキャラクター!特典会で喋ったことすらないけれど、すごーく美味しくかつ大事なポジション。あれを堂々やれるのは金の卵に間違いない。

キレある笑いがナイスなスパイスになってくれましたが、それだけにシリアスな演技をするところも見てみたい。LIVEステージ以上に存在感抜群の掛け合い上手にはとにかく驚かされっぱなしでした。

・同じくスパレプのカクイさん。ステージとは全然違うビジュアルでビックリ!こういうユニットありそう!と思わせるポジション。凛にフォーカスが当たっていた分、出番は多くなかったけれど、いろんな役どころがやれそうなお方。

・オーキーの舞台はとにかく脇を固める男性陣の地力がすごいのだけど、今回はなんといっても白倉裕二さんのドクターが文句なしのMVP!!あの異様な存在感、ギャグとシリアスの180度急切り替え。空気を和らげるのも緊張させるのも自在、天丼を天丼としてしっかり成立させる職人芸。骨太なのに器用で、短編小説からそのまま出てきたような怪人を怪演されてました。

どうしても直接感動を伝えたくなり、初めて男性キャストさんとチェキまで撮れて大満足!

あと自然に差し込まれたキン肉マンネタに即気付いたのでここ最近で一番笑いました。死ぬかと思った。

・山田直弥さんと田中克哉さんのワタナベ兄弟。後半の主役コンビです。男兄弟の話を最後のコアに持ってくる構成は大胆、決してアイドル演劇ではないという矜持を感じた。オーバーなくらいが気持ちいいよね。山田さんは最後錦鯉の渡辺さんより佐藤二郎に見えてきた気が……

あと、個人的にこのパートの美里がいっちばん素敵でした。彼女の悲しみ・苦しみを込めた演技がよく映える組み合わせだったなー。

・バーのマスターを演じたGERU-C閣下はもはや存在感が反則。この手の話に必須の語り部兼仕掛け人ながら、本人のビジュとキャラが激烈すぎてまったく既視感がない。それでいて、出番が控えめなことでギリギリのバランスに。いやー見事でした。

・その他の男性陣はかなり分かりやすく戯画化されていたけれど、デフォルメを受け入れられたなら問題なし。ただ他のキャラクターが多面的な要素を見せてくれた分、出番の多いチャラ男とプロデューサーにも影があってもよかったかもしれない。でもそこもまた潔き。


総じて、期待を大きく超えてくれた素晴らしい作品でした!唯一の後悔は最終日に見に行ったため、絶チームの舞台を観ることができなかったこと。ここまで面白いとは恐れ入った……。AKIARIMの琴乃さん・玲奈さんはステージで一目惚れした二人でもあったので、その演技が見られないのはまさに絶望でした。

それはとにかく、次回が待ち遠しくなる限り!今度は両サイドを見られるよう、ちゃんと予定組むことにします。楽しかったー!!



【10/23追記】

本日のLIVEにて、今作の主題歌「SUPER STAR」が初披露!5人体制初の完全新曲ということで、歌割りもダンスも一人一人の個性を引き出す見事な組み立て。

特にライダーとユリアちゃんのコンビによるダンスとまさかのデスボ、そして何よりラストをユーナちゃんが担うのが熱すぎる!!これは絶対に生で見てほしいところ。ユリア&ユーナの真価が発揮される時こそポピエモは真のモンスターグループになる……という以前からの確信が、また一段と深まりました。




ではでは、最後は公式による素敵な写真をどうぞ。


美の最終戦争



キャップ/リンリン/ナーナさん。
3人娘かわいかったー!!



この姉妹感は凄すぎない?







by キン肉スグル



おわり。

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