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日々の学び

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ボルドリッジを学ぶうちに興味の分野が広がっていきます。そこで得た学びを共有します。一緒に学びを深めましょう。
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#イノベーション

イノベーションを生み出す環境づくり

イノベーションを生み出す環境づくり

 クエスト会議(QUEST FOR EXCELLENCE CONFERENCE)は、マルコム・ボルドリッジ国家品質賞の公式の発表会で、毎年4月に開催されます。
 今年4月のクエスト会議で基調講演に登場するのが、革新的バイオリニストで作曲家、講演者でもあるカイ・カイト氏。音楽をメタファーとして使用して、世界中の個人や組織に想像力と充実感の道を作曲するよう促す、と基調講演の紹介にあります。

 カイは

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この機会にマガジンを紹介しいておきます(一覧)

この機会にマガジンを紹介しいておきます(一覧)

 このノートは、昨年6月にボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」(2019-2020年版)が米国政府の機関NISTのウェブサイトに掲載されたことを機に、その中身を多くの方々に知っていただきたいと、自身の勉強を兼ねて始めました。
 後から振り返りが容易となるように、いくつかのマガジンに分けています。
 マガジンのタイトルだけではわかりに

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東京オリパラ2020のイノベーション

東京オリパラ2020のイノベーション

いよいよ東京オリンピック2020が始まりました。
それを前に、地方紙、富山の北日本新聞に小さな囲み記事が載っていました。

TOKYO2020には、多くの新しいテクノロジーが活躍するはずでした。延期とパンデミックによる海外からの渡航者の制限、無観客開催などで、いくつかの技術が活躍の場を失いました。

TOKYO2020に向けて、準備されていた新しいテクノロジーの代表的なもには(パンデミックの前には

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人生ってイノベーションだよね!!

人生ってイノベーションだよね!!

ボルドリッジのひとつの目的であるイノベーションについて理解を深めるために、色々な文献に当たっている中で、興味深い本があったので紹介します。

国家資格キャリアコンサルタント&経営士の後藤昭夫氏著「人生ってイノベーションだよね!!」(2021年、文芸社刊)。

著者からの「日本の現状をあぶりだし、今の日本に足りないもの、企業に足りないもの、個人が100年生きていくために必要な知識、キャリア形成の仕方

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イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマ

 ボルドリッジが最終的に目指すのは、イノベーションを生み出す組織です。もちろんイノベーションは目的ではありません。イノベーションにより、顧客や社会、すべての利害関係者に新しい価値を提供することです。
 イノベーションは重要な概念であり、DXセミナーの準備として、ボルドリッジに拘らずイノベーションについて確認しています。

 先に「イノベーションのDNA」を確認しましたが、それに先立つ「イノベーショ

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日本のイノベーションのジレンマ

日本のイノベーションのジレンマ

 ボルドリッジが最終的に目指すのは、イノベーションを生み出す組織です。実際、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの15ページにある組織の成熟度の段階

 場当たり的 → 初期的 → 成熟した → 模範的

において、「模範的」な組織で初めてイノベーションが出てきます。

 もちろんイノベーションは目的ではありません。イノベーションにより、顧客や社会、すべての利害関係者に新しい価値を提供することです

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安心してイノベーションを起こせる場を作る

安心してイノベーションを起こせる場を作る

  ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークあるいはその要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの質問から、経営幹部のリーダーシップについて見ています。

 「1.1経営幹部」(p7)の4番目の質問「(4)経営幹部は、現在および将来の成功のための環境をどのように創っていますか?」が、イノベーションのための環境づくりについても確認しているとして、その一例を見てみました。

 「イノベーションの

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DXにおいて企業の目指すべき方向性

DXにおいて企業の目指すべき方向性

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク、最新の2021-2022年版で特に着目した点に「デジタル化と第4次産業革命」がありますが、丁度、デジタルトランスフォーメーション(DX)について話す機会を頂きましたので、その準備のため、関連する情報を集めています。

 経済産業省から2020年12月28日に出された、デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会中間とりまとめ「D X(デジタルト

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良い質問がイノベーションを生む

良い質問がイノベーションを生む

 DXについてのセミナーの準備のため、イノベーションについてもいくつかの書籍を読み直しています。
 ひとつは、ボルドリッジのブログにも紹介のあった「イノベーションのDNA」(クリステンセン、ダイアー、グレガーセン、2012年(原書は2011年))です。本書では、イノベーターDNAとして、「発見力」を形作る5つのスキルを挙げています。

 5つのスキルのうちのひとつ「質問力」は、例えば、スティーブ・

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イノベーションを生み出す組織をつくる

イノベーションを生み出す組織をつくる

 組織の戦略で最強のものはまさに「戦略」、戦いを略す(はぶく)ことです。このために有効なのがイノベーション。同質競争から抜け出して、ひとり先を行きます。

 ボルドリッジでは、パフォーマンスエクセレンスを追求し、成熟度を高めて行くと、改善(向上)のサイクルが組織に定着した先に、イノベーションを生み出す組織となるとしています。
 すなわち、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(プログラム)に取

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多様性とイノベーション

多様性がイノベーションにつながる。これは大凡、受け入れられやすい主張です。そこで「多様性、イノベーション」というワードで検索を試みましたが、思ったほど多くはありませんでした。

経済産業省から「ダイバーシティ経営」という概念が提示され、すでに「ダイバーシティ経営企業100選」「新・ダイバーシティ経営企業100選」などが選ばれていることを知りました。令和2年の募集も行われています。

ダイバーシティ

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イノベーションのピラミッド

イノベーションは、日常の改善活動とは別の、特別な活動の結果生まれる、という考え方は一般的ですが、ボルドリッジでは、改善の積み重ねの先にイノベーションを生み出す組織があるという考え方をとっています。

組織としてイノベーションを起こすことが、改善の積み重ねの先にある、という考え方は、次のカンター教授の研究成果などがベースとなっています。

カンター教授は、アイデアのブロックの積み重ねでイノベーション

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DX=IT×イノベーション

DX=IT×イノベーション

 我が国経済産業省の「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」を、国民全員が理解すべき時が来た。
 日本ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が進まない場合に2025年以降年間最大で12兆円の経済損失がでる可能性を自らの問題と理解できなかった中小企業オーナーだけでなく、大手の経営管理者にも多く見受けられた。
 その主たる理由を挙げれば十指に余るが、特に
①現状

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交響曲第六番「田園」

交響曲第六番「田園」

ベートーヴェン生誕250年を祝して、数多くのコンサートやイベントが華やかに開かれるはずの2020年は、COVID-19の影響で静かな年になりました。

ベートーヴェンは交響曲に都度それまでにない新しい試みを取り入れましたが、交響曲第六番「田園」では「標題音楽」というジャンルを築きました。それはその後、「交響詩」という新たな形式を生むきっかけになりました。

殊に第二楽章「小川の情景」は、まさにその

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