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食パンの行方

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全5話の短編小説です。 ジャンルはよくわかりませんがご一読いただければ幸いです。 上からお読みください。
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#家族

食パンの行方 01「回想」(連載小説)

食パンの行方 01「回想」(連載小説)

私が起きるのはいつも2番手だ。

寝室からダイニングに向かうために階段を降りる。着替えは後で、いつも先に朝食を摂る。
朝起きて早々に着替えなんて労力の使うことは私には出来ないからだ。

寝間着のまま1階に降りてダイニングへ向かうと、そこには既に新聞を広げながら朝食を摂るお父さんが座っている。

「おはよ」

お父さんは一瞬だけ視線を新聞からこちらに移し「おはよう」と返してくれる。

既にスーツ姿の

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食パンの行方 02「失態」(連載小説)

食パンの行方 02「失態」(連載小説)

ふとシュガートーストが食べたくなった。
実家で食べていたような素朴なやつ。

最近の朝食といえば出勤途中にコンビニに寄って買うスムージーくらいだ。
たまには自宅でトーストとコーヒーで穏やかな朝を過ごしたい。
あの懐かしい感じを味わいたい。

そうか、あれがおふくろの味というやつなのだろうか。
……いや、作っていたのは自分だしそれは違うか。

とにかくそうと決まればと、帰宅途中で食パンを買った。あの

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食パンの行方03「1日目」(連載小説)

食パンの行方03「1日目」(連載小説)

翌朝、珍しく早起きをして予告通り朝食は自宅で摂ることにする。
しかしながら、どうしたものか。
せっかく食パンを買ってきてもトースターがなければ意味がない。

とりあえず冷蔵庫を開いてみたが、最近は外食続きだったので大したものが入っていない。
お茶と牛乳と炭酸水とリキュール、それに細かい調味料だけだ。

あとは卵が3つあったのでそれをメーンに考えることにしよう。
目玉焼きでも作って乗せようか……いや

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食パンの行方04「2日目」(連載小説)

食パンの行方04「2日目」(連載小説)

フレンチトーストで優雅なブレックファーストを摂った日から2日後の朝、私は再び、あと5枚になった食パンの袋を開く。

なぜ2日後になったのか、それはいたって単純な話、2日も連続で早起きなど私にとって至難の技だからだ。

昨日の帰りに買ってきた食材を冷蔵庫から取り出し調理台に並べる。少量のパックになっているミックス野菜とハム。
さて、今日食パンで作るものとはサンドイッチだ。

食パンを1枚用意し、まず

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食パンの行方05 完「おふくろの味」(連載小説)

食パンの行方05 完「おふくろの味」(連載小説)

今回使うのはサンドイッチの時に切り取っていた食パンの耳の部分。
別の袋に移して保管していたのだが、気づけば食パン2枚分溜まっていた。それは朝食にお手軽サンドイッチを作った昨日、それに味を占めた私はその日の夜にお酒の肴にもう1枚サンドイッチを作っていたからだ。

因みに夜に作ったのは桃のフルーツサンド。勿論、桃を丸々1個買ったり生クリームを作ったりなどしなかった。
代わりに用意したのは桃がゴロッと入

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