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川の上で考えた

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身体は意識の乗り物

身体は意識の乗り物

対話によって考えが変わる、深まる。
最近そんな体験をたくさんしています。

先日、プロアスリートが声かけをした「カラダと対話」を考える会に参加しました。

話していていくつかわかったことがあったので、書きとめておきます。

「自分のカラダは自分のそのものじゃなくて、乗り物のようなもの」最近ずっと、こんな感覚を持っています。

ガンダムのモビルスーツみたいな感覚、といえばわかりやすいかな。
人間は、

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どんなひとがらを目指したいのか。川にたとえて考えてみた。

どんなひとがらを目指したいのか。川にたとえて考えてみた。

最近眠りが浅いからか、白丸で漕げないからなのか、体調がイマイチ。そういうときは裏側に隠している悪い面がオモテに出てきやすい。
日々反省することばかりだ。

目標とするものがないから、ぼやっと生きてしまうのかもな。
どんなひとみたいな性格になりたいのかがぱっと思い浮かばない。なので、川に例えて考えてみた。(このほうがずっと考えやすい)

どんな川も、嫌いな川はない。コンクリートで固められた川でも、表

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「みんなの森サロン」でお話しさせていただきました

「みんなの森サロン」でお話しさせていただきました

森の案内人・三浦豊さんが主宰されている「みんなの森サロン」で、三浦豊さん、ファシリテーターの青木将幸さんとお話しさせていただきました。

カヤックで川を30年以上漕いできて、川と山はつながってるなぁとうすうす感じていました。きっかけになったのは、岐阜県の長良川。川沿いに高速道路ができるにしたがって、川のようすが変化していったのです。

かつての日本人は、地中を流れる水のことを知っていて、水をコント

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「がんばる」よりも、数字で考える

「がんばる」よりも、数字で考える

Amazonで目に留まったので、読んでみた。数字で考えることがほとんどなく、数字を取り入れるってどういうことなのかな?について、知りたかったので。
参加者を増やすとか、そういうビジネス的なことばかりじゃなく、カヤックレッスンにも応用できる点がいくつかあった。

「がんばる」などともやっとした表現のままだと、ことが進みにくい。
ぼんやりした言葉よりも、目標を明確にしたほうが取り組みやすい。特に数字は

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そもそも、何が目的なのか。

そもそも、何が目的なのか。

リバーカヤックをまっすぐ動かす。

それをやすやすとできるようになるのが、子どもたちです。水のつかまえ方がわかると、自分の行きたい方向へボートを進められるようになります。
細かなことを「考えていない」からかもしれません。

思考にしばられると動けないたとえば、歩く。

重心を進行方向へ投げ出しながら、脚を前に出し、足の上に重心を載せてから、次へ重心を進行方向へ投げ出す。重心が安定するように、しっか

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子どもはちゃんと考えている。

子どもはちゃんと考えている。

今年の5月から、親子で何度かカヤックスクールに参加していただいているU家。基本をきっちり学ぶ姿勢のお父さん、家族で楽しみたいお母さん、独創的な小学5年生のS君の三人です。毎回、楽しくレッスンをしています。

少ないパドリング回数で

今回、練習の課題で
「できるだけ少ないパドリングで、目的地まで行ってみよう」
と、みんなで競い合ってみました。

課題の目的は、
「行き先を見つづける」
「ワンパドル

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ほんとうにそこは、あきらめるタイミングなのか

ほんとうにそこは、あきらめるタイミングなのか

講習をやっていてもどかしく思うときがある。
パドリングの途中であきらめてしまっている。
できるのに、やめてしまう。もうワンパドル、入れるだけなんだけれど。

イチからはやり直せない。川下りはつづいていく完璧を目指す人に多い、ちょっとでもボートがイメージと違う動きをすると、パドリングをやめてしまう。
「もう一度、はじめからやり直そう」
という意識かもしれない。

でも川下りは、途中で一からはじめられ

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コトバは再現性を高めてくれる

コトバは再現性を高めてくれる

”いいかんじ・よくないかんじ”

身体を動かす感覚。
自分の中でしか、わからない。

カヤックのレッスンではいろんな場面で、
 どんなかんじがしたのか。
 さっきと何が違って感じたのか。
 できたときとできなかったときに意識したポイントは何だったのか。
訊ねることが多い。

どんなコトバで表現したらいいのか、正解はなくて、自分の感じたとおりに言い表しておけばいい。
自分の中で起こったこと、意識した

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期待が苦しい。

期待が苦しい。

昨日の対話にて。

彼女が感じる、理想とする自分と、そうでない自分。
なかなか理想どおりにはいかなくて、モヤモヤする。
今の自分がもどかしい。

すべての期待に応えようとして、できない自分が許せないからのかな?
ふとそう思った。

「期待」ってなんだろう。

川の水位が上がると、「今日は楽しいかも!」とワクワク期待しつつカヤックに乗りこむ。
でも、期待外れなときもけっこうある。
中途半端な水位だっ

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「正確さ」を求めると、苦しい。

「正確さ」を求めると、苦しい。

グラビティで使っているボートは、本格的なリバーカヤックです。
岩や障害物をすばやくすり抜けて下れるように、とても回転性の高いタイプです。
なので、まっすぐに進むようにはデザインされていません。
(まっすぐに進みすぎると、流れの中ではコントロールしづらくて、川下りが難しいのです)

問:まっすぐに進まないボートを、どうやったら行きたいところへ進めていけるでしょうか?

答えは、
「曲がりながら進む」

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体験は、どこでもいいわけじゃなく、誰でもいいわけじゃなく、いつでもいいわけじゃない。

体験は、どこでもいいわけじゃなく、誰でもいいわけじゃなく、いつでもいいわけじゃない。

先日、Facebookにこんな投稿をした。
2022シーズン、長野のスキー場でリフト券を半額にするよってニュースを見ての投稿。

https://www.facebook.com/gotomegu/posts/4693785873999041

コメント欄にも書いたけれど、ただでさえ来る人に対して割引するよりも、今来ていない人に来てもらう工夫が必要なんじゃないか、という話。

今、お給料が上がらな

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クルミはちゃんと考えてる

クルミはちゃんと考えてる

秋になると、白丸湖畔でたわわに実をつけている木を見かけます。

クルミです。

植物はいろんな方法で種をばら撒きます。
おいしい果実にして鳥に食べて運んでもらったり、羽のようなものをまとわせて風で飛ばしたり。

クルミは水を使って種を運んでもらう植物です。
だから、川沿いに生えていることが多いです。

実の表面には、緑の厚い果肉がついています。
果肉は浮力があるので、ぷかぷかと浮いて水面を漂ってい

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苦しみを生み出すもの。

苦しみを生み出すもの。

ほぼ毎日、カヤック体験をやってる。
体験で使っているのは、本格的な一人乗りのリバーカヤック。
岩のある急流でもすばやく方向を変えられるように、反応がいい、つまり、とても曲がりやすいボートだ。

はっきりいって、まっすぐには進まない。
そのまっすぐに進まないボートをどうやって思い通りに動かしていくのか、そこがリバーカヤックのおもしろさでもある。

そんな乗り物に、どう向き合うか。
ままならなさが楽し

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「怖さ」って何だろう。

「怖さ」って何だろう。

カヤックに乗る前に、「怖い」って感じるひとが少なからずいる。
思い返してみると、わたしも知らない川を下る前はいつも怖かった。

はじめはグラグラする不安定さなのかな?と思ったのだけれど、どうやらそれだけでもないみたい。
どんなに安定のいいボートに乗っても、怖がるから。

「怖さ」って何だろう?思い当たるのは、ふたつ。

・自分で制御できると思っているのに、制御できない状況
・誰かが制御してくれてい

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