4月25日 ウドンが食べたくなって天王寺へ。 大阪の街が全体的にガスっていて、聴いとったコクトー・ツインズとおうてる感じだった。 鶴橋で友達と会い新世界の松屋へ。松屋は天ぷらウドン二百五十円。美味かった。 骨董品屋へ行って一時間くらい店主の人と喋る。 『リービング・ラスベガス』のサントラだけが棚に置いてあった。 『義男の青春』に出てくるような、戦後の白黒の助平写真を何百束か500円で購入した。 友達のマンションへ行って、助平写真を選別した。 鶴橋で
4月17日 野鳥の子育ての動画をあげている《しめさん》というYouTuberをよく観る。 その人は、登録者数は八万人くらいで、軽井沢の別荘地に住んでいる。 編集は見やすく、軽快なBGMに、慎ましやかなテロップ。なにより巣箱の中で頑張って子育てする野鳥はとても可愛い。 ところが雛が死んだりする残酷な場面はカットしたりモザイクをかけている。 自分は雛が死ぬナマの場面も見たくなる性分なので、昨夜、他の投稿者の巣作り動画も探してみた。 ほんでこんな動画があったので
4月1日 夫婦で奈良へ。 石上神宮から出発した。 境内では、にわとりが放し飼いになっている。にわとりたちは、スススと足下に近寄ってきたかと思うと、急に走り出してどこかへ行ったり、落ち葉に驚いて鳴いたりしている。 おみくじを引くと大吉だった。 暇さえあればこの古代の道を歩きにいく。夜都岐神社へよったら、自分らが好きな鳥カワラヒワに出会ったので嬉しい。 歩いていたら、腰の曲がったジサマに、「行列を見に来たのかね」と話しかけられる。 自分らは何のことか分からな
漫画を描く方法が分かった。《坐禅》《念仏》《石室》の三つだ。 物語の構造に先立って漫画を描こうとしたらそっちの方が難しい。『奈良へ』を描いたときはストーリーのことは全くの無知だった。描きたいモノへの怨念が強かった為に(それはしょっちゅう深夜の東大寺南大門へ駆け出していたことからも分かるように)ストーリーはどこかへぶっ飛んでしまって直感で描いた。 歳をとるというのは小知恵がつくということで、その結果分かりやすく物語化されて鈍るモノもあるらしい。 先生の言っていることが分
2月25日 朝6時、しばらく現れなかったイタチがまた来た。天井のガサゴソ音で起きる。超高周波を食らわせた。 漫画はアホな場面をうまく描けた。 昨夜は突然訳の分からない文章を書いたが、なにか言おうと思っていたのは、古事記が面白いという事だった。古事記は弥生系と縄文系の物語が融合しているようで世界観が複雑で物語もすっきり進まない。おかしな所も多い。イザナギも、スサノオも、ヤマトタケルも、英雄と呼ぶには頭がおかしい気がする。正義がない感じである。そこが本当に面白い。 今
2月23日 漫画。 井伏鱒二の小説を読むと物語からカタルシスや強い感情をとり除いて成立させていることに感銘をうけるが、成立という言葉が適切かは分からない。井伏さんの小説は分からん分からんと言いながら読んでいるからだ。 ただそういう小説だけではなく、胸踊るようなエンタメ、ハリウッド映画のようなくっきりした物語は子供の頃から好きだ。長くなりそうだが最近思うことがある。 漫画家という仕事柄もあるが、キャンベルの神話論や脚本術的な本、キャラクター論の本を何冊か読んだことが
日記 2月16日 漫画。ノイズだらけのBluetoothレシーバーをヨドバシに返品しにいったが、どこも壊れていなかった為返品できず。4,000円損した。 2月17日 秋に始めようとしている新連載の準備のため石川県へ取材へ行った。 自分はこれまで、善い編集者の人といつも仕事することができたが、今回の人も熱心な人で、連載する雑誌を探してくれたり、資料を送ってくださったり、地方まで取材に同行してくださるので頼もしい。過去に新井英樹さんの『キーチ!』や『ザ・ワール
1月27日 亜蘭トーチカが家に来た。憂鬱そうだった。『鬼がつくった国・日本 』をくれた。読んだら面白かった。 皆んなで喫茶店へ行って、本を読んで時間を潰したあと映画を観に行った。 京都シネマの『ミツバチのささやき』を観た。ちょっと眠かった。 2月1日 府立図書館へ漫画の資料を探しに行った。そのあと、京都シネマで『PERFECT DAYS』を観た。上品な車谷長吉みたいな奴の映画。 田舎者なので昔は便利な東京の上澄みに、憧れがあった。今は家賃が高いとか人が
1月10日 夜、『苦い涙』を観た。笑った。面白かった。 ラストはオリジナル版ほどの絶望感は無かったけれども、かなり良かった。 1月11日 《ジョー・セント》でメタバース?のアバターを作っておられる方がいて驚いた。けっこう大きくて可愛いかった。 メタバースは気になる。昔からTVゲームにハマりやすくて仕事が手につかなくなるかも知れないからゲームは封印している。 1月13日 夜、妻と鴨川を走った。妻はずんずん、ずーっと走ってしまって、置いていかれた。 数百メー
12月30日 漫画、夜、大掃除。 12月31日 朝、妻が広島へ。 夕方、三話目の原稿を脱稿、夜に自分も実家へ。実家にSwitchがある。桃鉄を購入した。 家族でやってみるとオモロい。妻もおったらオモロかったのにと思った。 1人モードで夜中の二時くらいまでやってしまった。 1月1日 朝、両親と春日大社へ。 鹿が冬仕様の毛皮で可愛いかった。地面がぬかるんで歩きにくい。おみくじを引いたら小吉やった。お札をかった。 昼、京都へ帰った。夕方、うとうとし
12月19日 漫画。 12月20日 東京から編集者のヒトがきて喫茶店で打ち合わせ。ギャラの話と漫画の話。ギャラをとにかく上げれるだけ上げてくださるよう、出版社への交渉をお願いした。 12月21日 漫画。 12月22日 昨日から妻と喧嘩。自分が悪いが落ち込んで漫画が描けない。昼から布団を敷いて寝た。鬱屈しているときの思考がぐるぐるする。自分よりキモい奴を求めて『カラマーゾフの兄弟』の再読を始めた。一回目読んだときよりも面白い。 12月23日
日記/岩屋 『はにま通信』は、世の中の、女学生×キャンプ部とか、女学生×軽音部とか、女学生×ミリタリーとか、女学生と趣味を掛け合わせる系譜から、女学生×古墳(あるいは古代)を着想した。 いきなり万葉集が入ってくるけれど、万葉集の成立と古墳は時代が違う。 ただ奈良を歩いてると万葉歌碑と古墳と仏教がボロボロあってなにか時間と歴史が圧縮され混ざっている感じはある。 現在から過去を振り返るときの記憶はいつも圧縮されてしまう。 大和三山のことも、風景として好きなのでいずれ描
七月一日 15時間の『ベルリンアレクサンダー広場』を観終わった。 長いし、やたら画面がもわもわしてむさ苦しいし、ずっと陰気で面白かった。別のファスビンダーの映画を観たくなったので、もう一度『自由の代償』を観た。 漫画を描くとき「ショックで手に持ったコップを床に落として割る」みたいなありきたりは無数にあって気を抜くと何も考えずに使っているがファスビンダーの映画にはそういうものがないかのような新鮮さがあって楽しい。映像の中にいるのは人というよりお喋り肉という感じがする。
六月九日 テレビ番組を一人で見ていると「ヲㇿヲㇿヲㇽヲㇿ…ヲㇿ…」と音が聴こえてきた。その音は自分の口から聴こえていた。どんなことばだったか、内容は忘れたが、なにやら自分はそのテレビ番組の中で「ぼくはそうは思いません」 「なに……てるんですか」などと出演者たちと一緒に喋っている。 外を歩いていると、丼から溢れるように連想が広がっていった。そのうちに「ヲㇿヲㇽヲㇿ…」ときて、昔のことを思い出すと「くそッ」とくる。それも音になって口から出ている。 その次には「人間という
5月19日 色々と生活がごたごたして、かなり悩んで、5月上旬はほとんど漫画が描けなかったが少しずつ描きだした。 描けなかったときトーチwebで千葉ミドリさんの『緑の予感たち』を読んだら、これは上手いヒトが現れたと驚いた。 このチバさんというヒトは昔から相互フォローだった。たまに上がる絵も漫画も良かったがトーチwebで突然デビューしたので驚いた。ひとつ歳下だそうだ。 妻は「海くんをおびやかす存在が現れた」と云う。 このヒトは全体の流れのなかで適切な絵を描く才能があ
5月12日 後年の深沢七郎が後藤明生との競作で『報酬』という短編を書いている。これが凄い小説だ。 この小説は、渋滞のなか「俺」が前を走るトラックに「南無阿弥陀仏」と書かれているのを見つけた話から始まる。 「俺」は、過去に死亡事故をおこしたことがあるので、贖罪のため南無阿弥陀仏と大きく書いてあるのに違いない。と考える。ここは笑った。 話は変わって「俺」にデンワが鳴る。 Kさんというヒトが突然、「逢いたくなりました」と言ってくる。しかし、つまるところ倉庫を貸してくれ