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日記/土俵都市

1月10日

夜、『苦い涙』を観た。笑った。面白かった。
 ラストはオリジナル版ほどの絶望感は無かったけれども、かなり良かった。

1月11日

 《ジョー・セント》でメタバース?のアバターを作っておられる方がいて驚いた。けっこう大きくて可愛いかった。
 メタバースは気になる。昔からTVゲームにハマりやすくて仕事が手につかなくなるかも知れないからゲームは封印している。

1月13日

 夜、妻と鴨川を走った。妻はずんずん、ずーっと走ってしまって、置いていかれた。
 数百メートルくらいでもう走れなかった。小学校と中学校は成績と持久走も最下位だったので、元々体力が無い。運動もしなくなってますます無くなった。

 鴨が集会を開いているからそこまで頑張れと言われた。ガアガア喋っている感じだった。

1月14日

 昼、妻と映画を観に行った。京都シネマで「枯れ葉」を観た。良かった。喫茶店行ったあとコンタクトレンズ買った。漫画も買った。

 『SPUNK~スパンク!~』の3巻を読んだ。
 スパンク!の主人公の一人の栗田夏菜が1995年生まれの世代で自分の一個上だけれど、趣味の年齢層が高い人らしい。
 中学生で岡崎京子や吉田戦車を読み、ブルースリーの真似をしたりしている。
 映画が好きで専門学校に入って、彼氏と『Wの悲劇』を観て、柳下毅一郎の本を読んで、ベルサイユの薔薇も読んでいる。
 笑い上戸だけれど、普通のギャルと違うのは、人の屈託や心の機微をメタ的な視線から異様に笑いすぎる。若い割に達観しているようにも見える。その分気配りもできる人らしい。

 もう一人の主人公の兵頭冬実は、陽キャな夏奈と違って内気な感じで名前からして反対のキャラかなと思ったら、こっちは文学が好きらしい。
 海に遊びに来たのに一人でわざわざ『ゴドーを待ちながら』を読んでいる痛さがある。

 主人公二人は全く正反対のキャラでも無く、どっちも芸術的な趣味だ。周りの人も話についていける教養があって、寺山修司なんかを引用してくる人もいるから大変だ。
 スパンク!は主人公がどちらも知的に見える。語彙が豊富なのかも知れない。お互い本質的で容赦がない言葉をぶつけあっている。だから多少、嫌な人たちにも見える。そこが個性相撲のような漫画だと思った。
 東京は土俵都市で、個性相撲、繊細相撲、エモ相撲、教養相撲がいたるところで始まっていた。また取組始まってんじゃん。というような緊張感があった。
 繊細相撲やったら負けへんぞ。という気迫を持って俺はあの日、歩いていた。

 脇役のアンドレが好きでこの人がいるとホッとする。つばさとジュリアンはだるい感じである。主人公の二人はどちらもちょっとずつ嫌いな部分がある。
 いぶきさんという人によるとSMはシリアスになったらダメで笑かさなあかんそうである。とはいえそこまで明るい事ばかりも起きないので、鬱屈した感じがよく出ていて3巻も面白かった。

1月17日

 編集者の人と三重県へ取材へ行った。
途中、山奥に柘植という良い感じの名前の駅があった。
 運転免許を取ろうか本気で悩んでいる。

1月20日

 漫画インキの乾きが速すぎてすぐに擦れてしまうようになった。また開明墨汁に戻した。
 夜、鴨川を走った。

 

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