渡邊圭吾

ピカピカの社会人一年目です。アメリカ留学した先で、映画について学んでから、映画は感情で…

渡邊圭吾

ピカピカの社会人一年目です。アメリカ留学した先で、映画について学んでから、映画は感情ではなく理論的にうけとめたい、理詰め野郎です。趣味は世の中に対し斜に構えること、特技は重箱の隅をつつくことです。どうぞよろしくお願いします。

最近の記事

スタンリーキューブリックという男

こんばんは。今回はスタンリー・キューブリックという映画監督について書いていきたいと思います!大好きです。はい。 なんとなくフィーリングで選んだ映画を観るフェーズから出ているキャストで観るようになり、次に訪れるのが監督で選ぶフェーズかと個人的には思います。量質転化という言葉って何にでもあてはまるような気がして、例えば洋服なんかもこれ買って失敗したなぁっていう経験からどんどん審美が判断できるようになってきますよね?映画もみて失敗する映画がどんどん減っていく気がするのは気のせいで

    • ストーリオブマイライフとラファエロ

      こんにちは。今回は公開中の映画「ストーリオブマイライフ/私の若草物語」について書いていきたいと思います。いやー久しぶりに映画館でみたんですけど、やっぱり終始集中できて最高です。家でストリーミング映画を観ると、劇中に登場する知らない単語や気になったことをすぐ調べてしまう癖があって、いいシーンを見逃しがちなんですよね。映画館という場所の偉大さを再認識いたしました。 で今回は、グレタ・ガーウィグ(発音しづらい)監督の2作目となる作品「ストーリーオブマイライフ」。ご存知の方も多いと

      • イーストウッドとヒロイズム

        こんにちは。今回は映画監督クリントン・イーストウッドとヒロイズムの関係性について僕なりの考察をしていきたいと思います。あいかわらず作家主義を貫徹していますが、クリントンイーストウッドの作家性にはいつも敬服いたします。今回は彼のもつ作家としての2つのシグニチャーにフォーカスしていきたいと思います。 計画性のない撮影まず1つのシグニチャーとしてあげられるのが、「計画性のない撮影」です。現代を代表する映画監督の一人にデビッドフィンチャーがあげられると思います。彼は愚直にカメラワー

        • 新海誠と功利主義

          こんばんは。先日、Unextで配信が解禁になった「天気の子」を鑑賞し、新海誠監督の作品について考えてみた。僕はそもそもアニメ映画はそこまでみない。ジブリは時間ができたらもう一度見直したいと思っているが、、、。アニメ映画をみない理由は、2つある。そもそも映画という形式を使う必要のあるアニメ映画が少ないと感じるから。日本で有名なアニメ映画はほとんどが商業用として紋切り型に作られた映画になっている。そしてそれらが日本の市場をほとんど占めている実態である。それ自体が映画である必要はな

        スタンリーキューブリックという男

          僕のヒッチコック

          こんにちは。今回は映画界の巨匠アルフレッド・ヒッチコックについて書いていこうと思います。映画で何人巨匠がいるんだと思う人もいると思いますが、彼は50年から70年のハリウッドを盛り上げた巨匠と呼ばれるのにふさわしい映画監督です。すごく完璧主義者だと思います。そして個人的に思い入れがすごくあります。 なぜか? 実は、大学の卒業論文で「ヒッチコックの作品の変遷からみるフェミニズム運動」という題名で書きました。25000字くらいだった気がします。シンプルに彼の作品がすきで、僕の所

          僕のヒッチコック

          僕が映画を見る理由

          昔、ある本の中で「豊かな人間になりたければ、本を読み、旅をしろ」と書いてあったことを思いだす。その筆者によれば、本を読むことで優れた知性の故人たちと対話をすることが可能になり、旅をすることで世界をその目で知ることができると書いてあった。時間と空間を網羅したくさんの世界(ダブルミーニング)に触れることにより豊かな人間になるということだ。大前提としてこの筆者が言っている「豊か」は物理的な意味合いではない。それは、教養、造詣、思想といった人間の内側にある豊かさなのだ。例えば、この資

          僕が映画を見る理由

          大嫌いな高校野球

          先日、夏の甲子園が正式に中止になったことをうけ、元高校球児としてとてもやるせない気持ちになった。野球が中心で世界が回っていて、レギュラーをはずされたりなんかしたら人生の敗者とすら思えてしまうような残酷な世界で、高校野球の「最終目標」がなくなったときの選手の気持ちは、きっと怒りでも悔しさでもなく、虚無なのではないだろうかと思った。 1年前まで僕は高校野球が大嫌いだった。小学生から始めた野球だったが、高校野球最後の試合、チームメイトが涙ぐんでいるなか、僕だけは泣かなかった気がす

          大嫌いな高校野球

          「時間」について考えてみる

          この世に絶対なんてないという文言をみることがあるが、1つだけ絶対的な存在がある。光の速さだ。大学生になり興味本位で調べた相対性理論は文系の私でも、なんというか、ロマンがあると思う。光の速さ以外は全て相対であるなら、時間や空間も真理もやはり相対なのだ。普段、日常生活を送っていて、常に一定だと感じる、時間や空間さえ変化すると聞くと、意味がわからなくなる。でも、このNOTEで文系人間がグーグルの受け売りで相対性理論を説明したところでなんの面白みもないと思うので、私なりに「時間」につ

          「時間」について考えてみる

          映画「君の名前で僕を読んで」考察

          ほんとにいい映画って、当時の空気感とか思想みたいなのが、画面越しにつたわってくるものだと思うんですよ。ディテールがしっかりしているというか、でもその1つ1つの凝りにオーディエンスは気づかなくていいんだと思います。もちろん、それを映画批評の軸としている人(シンボリズム大好き人間)もいますが、、、。で、その空気感を緻密なまでに再現できた映画の1つが「君の名前で僕を読んで」なんです。去年一度見て、今年改めて見ました。2010年あたりから同性愛映画がハリウッドなんかでも主題として扱わ

          映画「君の名前で僕を読んで」考察

          TED「そうなるまでそう振る舞え!」

          おそらく、NOTEをやっている人であればTEDTalkはご存知かと思います。世界中の幅広い人々が自身の知見をプレゼン方式でシェアしていくという番組です。今では、公式ホームページやユーチューブなどでも簡単にみることができます。 一時期TEDを貪るようにしてみていた私にとって、この話はとても印象的で今でも定期的に見返します。そして私はこの動画を見るまでは「虚勢」という言葉にネガティブなイメージしかなかったのですが、この動画をみた後は540度パースペクティブが変わりました。それが

          TED「そうなるまでそう振る舞え!」

          カミュ「ペスト」考察

          まず、この本について知ったきっかけは、NOTEのある記事を読んで。普段、一見さんお断りならぬ「一聞さんお断り」を貫いている僕にとって初見や初聞の情報に影響されることは少ない。しかし、このノートの記事を見渡すとみんな文才、説得力がありすぐに触発されてしまう。先日とある記事のなかでこの「ペスト」という小説が今の世の中を考える上で必読書になっていることをしり、すぐにキンドルで購入した。 まず、大まかなあらすじを説明していく。まずこの小説は14世紀に大流行したペストの流行によって日

          カミュ「ペスト」考察

          「Midnight in Paris」考察

          こんにちは。今回は僕が大学一年生の時から大大大好きなウッディアレン監督の稀に見る傑作(笑)「ミッドナイトインパリス」について考察をしていきたいなと思います。ちなみに考察するほどの映画でもないというのが正直な感想ですが、とにかくおもしろいです!まず、フランス文化が好きな人、スノッブの傾向にある人そしてとにかくウディアレンが好きな人、必見です。 内容は、1920年のパリに恋する懐古主義の男(オーウェンウィルソン)がある日、題名通り真夜中のパリでその時代へタイムスリップしてしまう

          「Midnight in Paris」考察

          「テセウスの舟」思考実験

          こんにちは。題名と写真をみて、つい最近まで人気だったあのドラマの考察?と思った人すいません違います。正直一話も見てないです泣 実は「テセウスの船」という思考実験からあのドラマの名前もきているですよね。てことで今日は「テセウスの舟」をどう考えるか僕の意見をただひたすらに語っていきます。余談ですが、僕はこういったパラドックス系の疑問が大好きです。 そもそも、どういう思考実験なのかというと、もとはギリシア神話の一部からの抜粋らしいのですが、要点だけわかりやすく説明しますね。   

          「テセウスの舟」思考実験

          映画「Blade Runner」考察

          こんにちは。最近ノートでは、私のおすすめ映画10選とかネットからの引用映画トリビアを羅列している記事が多くてやきもきしてます。私はそのひと自身の感想とか考えかたが聞きたいんですよ!映画はコンテクストも大事ですが、やっぱりオーディエンスの感性だと思うんです。だからといって最高!という言葉で片づけるのもどうかとおもいますけど笑 電通のコピーライターが頭のなかで思っていてもそれを言語化できなければ考えていないのと同じだといっていました。この言葉に対していろいろ思うことはありますが、

          映画「Blade Runner」考察

          映画「Taxi Driver」 考察

          いきなりですが僕は映画は二種類にわけられると思います。何回も見る価値のある映画と、一度だけでいい映画です。これは、作品の優劣ではなくて、ただ純粋にもう腑に落ちたから観なくていいと思うからです。しばらくしてから、「そういえばあの映画の終わりってなんでこうなったの?あのシーンの意味は?」と考える余地のある映画は何回でも見るようにしてます。「Taxi Driver」はそんな映画の1つです。 軽く概要を説明すると、監督マーティンスコセッシ、主演ロバートデニーロの最強タッグで撮影され

          映画「Taxi Driver」 考察

          映画「The Dark Night 」考察

          こんにちは。初めてノートに映画の考察というか考えを書いていきます。いままでインプットホリックだった私がこうしてアウトプットをし始めた理由はまた今度かきますね。 さて、今回は映画「The Dark Night」の考察を書いていきたいと思います。ちなみに書くことを主としていきたいので、冗長な無駄話やレトリックは渇愛させていただきます笑 映画を見るまえに、ざっと文脈おさらいするとThe Dark Night はバットマンシリーズの1作でクリストファーノーランが監督をしたダークナ

          映画「The Dark Night 」考察