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スタンリーキューブリックという男

こんばんは。今回はスタンリー・キューブリックという映画監督について書いていきたいと思います!大好きです。はい。

なんとなくフィーリングで選んだ映画を観るフェーズから出ているキャストで観るようになり、次に訪れるのが監督で選ぶフェーズかと個人的には思います。量質転化という言葉って何にでもあてはまるような気がして、例えば洋服なんかもこれ買って失敗したなぁっていう経験からどんどん審美が判断できるようになってきますよね?映画もみて失敗する映画がどんどん減っていく気がするのは気のせいでしょうか?合理主義の僕は、失敗しないために?監督で選ぶ癖があるのですが、このスタンリーキューブリックという監督は映画に興味を持ち始めた段階の人がこぞって好きになる監督ではないでしょうか?いや、僕もその一人です笑 大好きです。

初めてみたキューブリックの作品は「2001年宇宙の旅」。あのテーテーテレーっていう曲が有名な。そのあとにシャイニングをみて、同じ監督なのかよ!?ってびっくりしたことを覚えています。いろいろなジャンルで映画を撮る監督で、SFからメロドラマまで手がけています。雑食といえばジム・ジャームッシュだと思うのですが、彼もまた多様なジャンルを自分のスタイルに落とし込んでいる一人ですよね〜。

そんなキューブリックのなにがすごいのか、僕なりの観点で素晴らしさを伝えていきたいです。

圧倒的な構図

まず、これですよね。シンメトリーの配置であったり、鮮やかな曲線、ビビッドな色彩、官能なオブジェクトなど映画の隅々にまでこだわっている監督で彼の右にでるものはいないんじゃないかと思うくらいです。例をみてみましょう。

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まず1枚目はシャイニングからのワンシーンですが、こんな綺麗な透視図法を映画で使う監督、キューブリック以前にはあまりみたことがないですよね。多分。しかも、かれは多くの映画でこの消失点を作り出していて、特に、「フルメタルジャケット」では軍隊の規律の厳しさをこういった構図によって生み出していたのが、驚きでした。ただ、魅せるだけでなく、そのテーマにあった技法を用いるのがすごいです。おそらく、映画をみている際に「あ、これ透視図法だ」と気づかなくともサブリミナル的に人間の視覚から脳にうったえかけているんですよ。もう1つの写真は「2001年宇宙の旅」から。これも透視図法がつかわれているのですが、着目して欲しいのはその他のオブジェクとと配置です!これはある人間よりも遥か高度な技術を持つ文明にボーマン船長がとらわれた時のショットですが、この不気味な感じなんなんですかね?ヨーロッパのルネサンスを思わせるような絵画と無秩序に並ばれた家具、そして未来を彷彿させるフローリング。極め付けには存在感のあるモノリス。このカオスなショットを生み出すための完璧なショットです。僕はキューブリックは映画監督でありながら、アートディレクターでもあったんだなと彼の映画をみてつくづく思います。神は細部に宿るを体現してる監督ですね。

社会的なテーマ

もう1つは彼の社会に対するメッセージがそれぞれの作品から読み取れる点です。あの、ホラー作品「シャイニング」ですらただのホラー映画に置換されなかった技量はすごいです。そりゃスティーブンキング怒るわとおもいましたけど笑。個人的に好きなのは「博士の異常な愛情」です。冷戦下のアメリカとソ連が間違って、第三次世界大戦をおこしてしまうというブラックコメディーなのですが、この映画からキューブリックが社会に対してどのような角度でみているのかわかります。なんせ、最後のシーンでは本物の原子力爆弾が爆発しているカットを何個も入れながら、そのBGMが哀愁のある声で「また会いましょう〜」とうったっているんですよ?笑 絶対会えるわけないのに笑。もう1つ好きなシーンは米軍が切羽詰まった状態でもコカコーラの自動販売機だけは国の誇りにかけて壊すことができないと言い張るシーン。もう、これも最高の皮肉。「フルメタルジャケット」もベトナム戦争を舞台としていますが、この主人公もハンナアーレントのアイヒマンを彷彿とさせるような陳腐な悪を描いていますよね。やはり戦争という異常な環境下によって生み出される人間の凶暴さ、儚さを見事に描ききれています。

と、まあもちろんキューブリックのすごさをこの文字数で表すのは到底無理な話なのですが、僕が現時点で感じている彼の作家性を書いてみました。彼の作品をみると、2000年代の映画がどれだけ彼のオマージュをしているかわかります。もしかしたら、オマージュと意識せずにつかっている技法もあったりとか。

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