(連載80)作品のベストヒット・ランウェイショー:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2015年
さて。
リメイクの仕事がだんだんなくなってきた、、、
が、なんとか、首の皮5枚くらで、生き延びていた2015年の初春、でした。
ロサンゼルスのお隣、パサデナというところ。ビバリーヒルズよりも歴史が古く、今でも美しい昔の街並みが残っている人気な街ですが、
そこのノンプロフィットの団体、つまり日本でいうと、NPOですかね?
そこが、アート関連のファンドレイジング、つまり寄付を集めるためのチャリティーショーをやってくれないか?というオファーがきたのです。
え?
他人のための寄付金集めですと〜?
私ために誰かがやってくれる?んじゃなくて、私が他人のために???
は〜?
とも思いましたが、
自分のイメージ問題と虚栄心で、この寄付金集めのイベントに、
即オッケーした。
先方からのオファーは、展覧会とファッションショーの抱き合わせ。
つまり、私の展覧会とイベントの両方でした。
その団体は、オフィス兼小さいギャラリーを持っていたので、そこでの個展と、イベントの会場はボランティアで貸してくれるロフトがあるから、そこで、、、ということでした。
この頃私は、汚れの首輪一直線だったので、(今もそうですが。汗)
それしか、できんし、、、展覧会のタイトルは、
「よごれもの」
で、即、決定。
そして、ファッションショーに関しましては、
今まで私が作った作品のベスト盤、つまりグレイティスト・ヒットみたいな、、、(だって、そうだと、新しく作らなくていいですしー。笑 ) そんなランウェイショーという事になった。
ついでに音楽で、自分のバンド、ソーインング・シスターズのライブをやれたらいいなあ。と。
このシスターズについては、連載72でもさんざん書きましたので、繰り返しになりますが、
読んでない方のために説明させて頂きますと、服、ファッション、ドレス・メーキングがテーマのエレクトロ・ポップのバンドです。
もともとは自分のファッションショー用の音楽を、ニューヨーク在住のタカシつぐみちゃんにお願いしたのがきっかけで、その後、これが独立したプロジェクト=バンドに進化したという成り行き。
なので普通のバンドというよりも、ちょっとアートよりの立ち位置。この時点ではライブは、一回しかやった事がなかったですが、ミシンをステージに持ち込んで、縫ってるノイズをいれたり、立体裁断をやったり、サイズの歌を歌ったりなど。
楽曲は私が大まかなコンセプトと歌詞を考えて、つぐみちゃんが、メロディやアレンジを担当。ただ、彼女がニューヨークで私はロサンゼルスだったので、実際にライブをやるよりも、音楽のファイルを交換をしながら、アイデアを膨らませて、ゆくゆくはアルバムとして完成させたいという計画がありました。
そんなおり、このパサデナのオファーの話をしたら、彼女が「ロサンゼルスに来て、シスターズとして、またライブをやってもいいよー」という事になりました。
だったら、この際だから、バジェットもない事だし、ランウェイショーのモデルも全部バンドメンバーでやっちゃえ!!って事になりました。
この時、他のメンバーは少し入れ替わっていて、私とつぐみちゃんが音楽担当で、その他にあと三人おりましたので、彼女らが今回のモデルだ!と、私が勝手に決めました。
だって、ファッションモデルに強制的に認定されても、イヤな人はいないと思ったんで〜。笑
服はガレージから過去に作った服をとりだして、埃をはらって、準備。自分が今までやってきた事を、濃縮して、お見せした。
以下、フォト・ドキュメントで。
下半身がステージになってるスカート
メンズのシャツ仮面(女性用)
頭の上も自分の一部という、顔出しパネル
頭からのびる鳥籠のケージドレス
服からテキストペーパーがどんどん出てくる
汚れたメンズシャツでできたレディスの服
どこまで続くのか?儀式の頭上ベール
さすがにファンドレイジングだけあって、ある程度の年齢の方が多かったのですが、ちゃんとこまかいところまで、見てくだり、とても感激しました。
100人以上の人があつまって、
パサデナの市長様
まで いらっしゃったのだった!!!
個展の方もパサデナのラジオのインタビューなどもあって、私はプチセレブ状態を堪能。笑
おそらくお金集めには、かなり貢献できた?と思います。
我々はもちろん、全員がタダ働き。(私を含む)
プロレタリアートなんでね。。。(おやっさんギャグ)
私はこのイベントが終わって「あ〜〜お疲れ様〜」と、自分にご褒美のシャンペンではなくて、料理用より安いワインで、乾杯し、ひとりで、これらの写真を見て、思ったのだった。
このランウェイで、アタシ、、、、いらなくね? って。笑
どう、見ても、邪魔〜じゃま!!
実は、私がここにいる正当な理由は、ステージマネージャーがいなかったので、誰かがモデルのキュー出しをしなくてはいけなかったので、バックステージとランウェイの両方が見えるところに、バンドのテーブルを置いて、立ったり座ったりしたがら、指示出しをしていたのです。
その結果、どの写真を見ても、私が写っていて、もう後で、クロっピングが大変で〜〜〜〜。苦笑
あと、前のショーの時にも、どうなの?と思ったのですが、
このランウェイショーの真っ最中に。
へたっぴ演歌!!
アゲイン!!
またやっちゃいました〜!
だって、せっかく作ったし。。。。笑
一部の人からは、まだ、バンドのライブをカラオケと勘違いしとる。と思われたでありましょう。
誰からも、何も、言われませんでしたが、いい加減に自粛しないと。汗
他には。
前回よりも、もっとミシンのノイズだけのノイズソロみたいなのもやったのですが、
これ、あらためて、思った。
ミシンって、楽器としてカッコいいし、
ミシンを踏んでる自分は、結構イケてるって。笑
左のつぐみちゃんは、結構アイドル笑顔になってますが、私はヘビメタ兄ちゃんになりきってる! イェーイ!
実験的に、子供のおもちゃのドラムマシーンを、分解して、針をつけないでアームを前後させて、うってみたりとか。
コレって、ものすごくうるさいんですけども、、、、。苦笑
ミシンでできる可能性みたいなのに、目覚めてきたのもこの頃でした。
ふと、
本格的にミシンのノイズで曲自体ができないかな。。。。と思ったのですが。。。。
でも、このふと、、、、
は、
実はすぐにどこかに飛んでいってしまって、忘れてしまいました。
イベントの直後に、このシスターズとはまったく関係ないところで、私は何もしてないのに、、、雪だるま式にとんでもない事に発展してしまったプロジェクト、、、、それが、はじまったんですよ。
どんくらい、びっくりな事なのか?これだけ先に言っときます。
この、私が。。。。
あのミュート・レコードと契約したんです!
2曲だけ、、、、、
ですけど。
ミュートというのは、ダニエル・ミラーという、もうこの世界では、神的存在の人が作った1978年に創立されたイギリスのインディーズ・レコード・レーベルであります。インディと言っても、今や、その音楽的な影響力は、はかりしれないです。
もうすごいメンバーですから。一応名前を上げておきましょう。
デペッシュ・モード、モービー、ニック・ケイブ、スロッビング・グリッスル、アンダーワールド・ニューオーダー、カン などなどなど。。。。。
こんな超絶凄いレコードレーベルと、
この音楽業界では、まともにお金も稼いだ事もなく、税理士からは趣味で音楽をやってると思われていた、私が、
ミュートと契約なんて、誰も信じてくれないと思いますが、、、、。
それがどこで?そうなったのかを、最初からお話しします!
L*
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