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論語のススメ...論語入門編まとめ①

①人と社会のみちしるべ……論語とは

論語は、今から約2500年前に中国でできました。
論語をあまり知らない人からすると、
孔子が書いた本というイメージの人もいるかもしれません。
実は、論語は弟子達がまとめた語録なのです。

孔子(紀元前551~479年、春秋時代末期の思想家・教育者・政治家)が亡くなった後、孔子と優れた弟子達が言ったこと、行ったことを書き記しました。

孔子、直弟子、孫弟子達は、
それぞれが生き方、政治や国の在り方などを
様々に問答していました。
その中で、孔子から直接学んだ言葉の記憶を
弟子達が思い起こし、皆で議論して編集したのです。

孔子の教えを絶やさぬように、
という思いが『論語』となり、後世にまで引き継がれてきたのです。

『あなたに伝えたい、はじめての論語』

②絶えず努力し、学び続けた人……孔子とは
孔子は紀元前551年、
春秋時代末期の魯という国に生まれ、
紀元前479年、73歳で亡くなりました。

孔子は、もとは低い身分の出身で、
父を早くに亡くし、貧しい母子家庭の中で育ちました。
そんな中、幼い頃から、自ら勉学に励み、
下働きもいっぱいして役人となりました。

出世した時もあれば、
うまくいかず辞職せざるを得ない時もあり、
浮き沈みの激しい人生ではありました。
ですが、当時の政治を改革したいという志を常に持ち、挑戦をし続けた人です。

生まれた身分や能力などは関係ない、
努力と経験の積み重ねによって人は開花する。
そういったことを体現していた人なのです。

『孔子も人生の壁にぶつかりながら生きていた一人』

③生き方の処方箋……論語から学ぶ道徳心と社会性
孔子の教えは人間の生き方について説いたものが多いです。

内容は、道徳的振る舞い、働く心得、
人間関係や家族関係を良きものにするなど、
日常生活のあらゆる場面で役立つエッセンスが豊富です。

教えも実はシンプルで分かりやすく、
現代にも通じる話ばかりです。

孔子の教えは社会の発展や、
ビジネスの場面でも大きな影響を与えてきました。

多くの社会人・経営者らに好まれ、
論語をもとにしたビジネスマン向けの解説本・実用書なども多くあります。

『人生を一層豊かにする論語』

④成功者のバイブル……論語を愛し、活用した偉人達
新一万円札の顔となった「近代日本経済の父」渋沢栄一も論語を愛した一人です。
彼が著した『論語と算盤』は非常に有名です。

彼は論語でいう「君子」を「紳士」ととらえ直し、
自らの生き方と当時の日本を成長させるうえでのバイブルとしていました。

論語から生き方、人と社会の導き方を学び、
己を支える拠り所とし、
明治維新後の日本経済と、
500もの企業の発展に尽力しました。

現京セラ㈱の設立者・稲盛和夫もまた、古典や論語を愛し、得た学びを経営に活かしたことで成功した人です。

事業の成功と失敗は、
経営者が持つ志や人間力が大いに左右する
と彼は考えました。

その志や人間力を高めるために、
古典や論語から大いに学べと語ったのです。

経営で大きく成功した人の多くが、
論語を読み尽くし、
自らを磨きながら、
事業や社会を活性化させていったのです。

『先人に学べ。活き活きと生きるための術』

⑤論語の構成……全20篇、500章
学而篇から郷党篇までを「上論」
先進篇から堯日篇までを「下論」と呼びます。

篇の名称は各篇の初めの二文字をとったものです。

学而第一の始まりは、漢文で書くと、
「子曰、学而時習之、不亦説呼。」と書きます。
その、最初の「学」と「而」をとって「学而」です。

為政第二は、「子日、為政以徳」
「子曰く、政を為すに得を以ってす」の
「為」と「政」をとって「為政」です。

各篇は平均25の短文からなっています。

『テーマは始まりの言葉にあり』

⑥読みやすい『仮名論語』……漢文を親しみやすく編集
論語は中国でできた言行録ですので、
原文は漢文です。

漢文のままだと日本人には読みにくいため、
漢文の漢字にひらがなを足した
「書き下し文(読み下し文ともいいます)」が考えられました。

しかし、元々の漢字の読み方が分からない場合、
音読に困りますので、
さらに日本人向けの書き下し文が作成されました。

「論語普及会」の伊與田覺先生は、
誰でも親しめるように、そして気楽に、
子どもも読めるようにと全文を書き下し、
全漢字に読み仮名を附けた『仮名論語』(上段には訳文)を作成しました。

『家族で読みたくなる論語をめざして』


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