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打って変わってボーッとしたい時は

 三年前に母からもらったカーラーがいきなり咲いた。この2年咲いてなかったのに。突然の出来事でいつもなら喜んだかもしれないが、私の心情が表れてしまっているのか、気が利かなくてボーッと突っ立てる人みたいにカーラーの写真がなってしまった。

 私は化粧をしないと眠い顔になる。こないだ会社の上司とZOOM会議をした時は「寝てたの?」と言われた。超仕事モードで真剣にスタンバイしていたのに、なんかやる気がない人みたいに見えて、損する顔だ。けどだからって家の中にいるのに化粧をするのは気が進まない。しかも上司への印象を変えるだけのためになんてくだらない。下の下の優先順位。部屋にある全身鏡で改めて確認してみた。あーやっぱり魂が抜けたみたいな顔しているなあ。魂が抜けてる、なんか今日は魂が抜けていくような感覚がある。あーそういえば私の左薬指には金色の輪っかが光っている、なあ。このボーッとした顔にびっくりするなあこの金色。似つかわしくないなあ。そういえば昔の彼氏に、指輪なんて水道管の部品で良いとか言われたことあるなあ、確かにそれも一理あるなあ。

 今日の私はボーッとしている。昔、とてもきちんとした生真面目で理性的なおじさんが近所にいて、あのおじさんでさえも仕事から帰ってくると疲れて、テレビを流しっぱなしでボーッとだらだらしたいと言っていた。会社であまりに膨大な情報を処理しなければならないから、情報を情報で流したくなるのだそうだ。あの話を、あのおじさんがしていることが結構ショックで、耳や開けっぱなしの口から脳味噌がだらだら出ている様子を勝手に想像して、社会に出てる人間に嫌悪感を感じたものだった。

 私は仕事が終わって疲れてる時、無性に料理がしたくなる時と映画を見たくなる時と両方あるのだが、どちらがどういう時に起こる衝動という自分の中の規則をまだ見いだせていない。料理をしたくなる時は、おそらく仕事で使っていなかった脳味噌の部分を使いたい衝動に駆られているだと思うのだが、それは明確に右脳、左脳ではないように思う。料理をするときの、冷蔵庫の中身だけでこれができた!(ごった混ぜカレーとかは例外)みたいな満足感、これは左脳な感じもするし、(あのときの冷蔵庫がスッキリしたときの爽快さったらない)味を確認する時は右脳な気もするし。けど私はCreativoと言えるほど料理は極めていないし。そもそもレシピを数式のようにこなしていくのは左脳かしら?結構私にとっては左脳なのかしら料理は。

 ちなみに余談だが、料理力ゼロの夫は、レシピに書いてあるものが1つでもないと「ダメだーできない」となる。フレキシビリティ0。けどそれはそれで料理する人としてありだとは思う。やはり何かで代用すると全く違う食べ物になってしまって残念な時ってあるからね。

 今日はとにかく暑いから、あまり火を使わず、スッキリした気分で食べたい。やっぱりPasta fredda(冷製パスタ)かしら。乾燥パスタを茹でて、ズッキーニ、オリーブ、パプリカ、トマトとか、相性の良さそうな野菜を選んで、パスタとたっぷりのオリーブオイルで和える。たくさん作っといて、冷蔵庫で冷やしておいて、また2日後とかに食べればさらに美味しくなってる。パスタはFarfalle(ファルファッレ)がいいかな。蝶々とかリボンとか、なんか性的魅力がではじめたぐらいの女子の象徴みたいな形だから。

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 ボーッとしたいときにみたいのは、やっぱりジブリかしら。ジブリはいろいろ考えたい時も見たいし、少し可笑しくて、愛に溢れて満たされた気分になりたい時もジブリ。絵画を見て心地よい気分になりたい時もジブリ。緑にふれて心を落ち着かせたい時もジブリ。なんて万能なんだジブリ。

 と言ってもここで紹介するのはモンキーパンチのルパン三世 カリオストロの城。ルパンと次元、そして不二子ってイタリア語喋ってると似合うなーと思って、イタリア語版DVDを私は持っている。ルパンは昔からイタリアでも大人気。(1987年からイタリアでもテレビ放映されている)夫曰く、ルパンを初め日本のアニメは子供向きとは思えないエロティックな部分が多くて、衝撃的だったと。(それでも子供向けチャンネルでキャッツアイとかシティハンターとか日曜日朝にやっていたらしい)

 イタリアでルパンの再放送を見て、オープニングテーマが全然違うのでびっくりした。しかもシャンソンなのだ。なんでシャンソン?アルセーヌ・ルパンがフランス人だから?とも思ったが、どうやら当時フランスからイタリアに輸入されてきたらしい。夫も大人になるまで、ルパンが日本のアニメだと知らなかったそうだ。しかも、五右衛門は「ゲーモン」と発音され、不二子に至っては「Margot」という気高い感じの名前に変更されているのである。母音のOで終わる名前はイタリアでは男の名前なので、変更されたのだろう。

 カリオストロの城はルパンは悪党なのに、ガラスみたいな綺麗な心を持っている、そんな描かれ方をされているのが宮崎駿ならではですよね。銭形警部の最後の臭いセリフは置いといたとしても、カリオストロ公国の絵が綺麗なこと。

 ちなみにカリオストロの城はこのフランスアニメをモデルにして描いたと宮崎駿がインタビューで公言しています。本当に素敵な拝借の仕方。このアニメの世界観も好きで私はDVDを持っています。

 あらすじ:あるわがままで孤高の王は、絵の中の羊飼いの娘に恋していたが、娘は、隣の絵の煙突掃除の少年と愛し合っていた。
絵から抜け出た2人は、嫉妬に狂う王を後に、不思議な鳥の助けを借りて宮殿を脱出しようとする


もしかして、昨日カンノーロを作って燃え尽き症候群なのかもしれない。

カンノーロのレシピはこちら>>


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