連続小説「88の謎」
第二十四話 xilofono
小学校の頃にMOMOは母親から離れて暮らすことになった。正確に言えば無理矢理引き離されたようなものだったが、かと言って父親の加護があったわけでもない。自分の力が及ばない理不尽な力が働いて、結局のところひとりぼっちになってしまっただけだった。
ラウンジの薄い照明は、時として心の分かりやすく繊細な揺らぎを、程良く照らしてくれる。だからこの音楽と空間に身を任せて働く日々が愛おしかったのだ。両親と妹、仲睦まじく過ごしてた記憶はとうにMOMOから切り離さ