昆布の採れない富山県の昆布の消費量が全国第一位になった理由 #24富山県「とろろ昆布おにぎり」
とろろ昆布を使った料理といえば、みなさんは何を思い浮かべますか？
私は「お吸い物やうどんなどの汁物に入れて食べるもの」だと、この料理を知るまでは思っていました。今回は、とろろ昆布が主役の富山県の郷土料理をご紹介します！
栄養士さんのアドバイス付きレシピとともに、
ご当地料理を楽しむ「お家で作る！ご当地の味★栄養士おすすめ料理」。
第24弾は、富山県！
こんにちは。グリーンハウスnote編集部のよっちです。
今回は、管理栄養士の吉田 富子さんに、「とろろ昆布おにぎり」のレシピとそれにまつわる栄養のお話、富山の名物などについてお話を伺いました！
【プロフィール】
吉田 富子 よしだ ひさこ
新卒採用にて入社し、社員食堂や寮の管理栄養士として勤務してまいりました。現在は、社員食堂とは少し異なる業態のため、新しく経験し学ぶことも多く、勉強の毎日です。業務内容は栄養計算や衛生管理がメインですが、今後はもっともっと栄養士の存在をアピールできることをしていきたいと思っております。
今回のレシピを紹介しようと思った理由を教えてください。
「とろろ昆布おにぎり」は、小さいころから親が作ってくれる「お弁当の中のおにぎり」のひとつでした。当時は当たり前に食べていましたが、いざ富山を出ると、周りの人からは食べたことが無いと聞くことが多く驚いたほどです。
そこで郷土料理だったことに気づかされ、今回、とろろ昆布おにぎりを知ってもらいたいと思いご紹介します。
◇「とろろ昆布おにぎり」レシピ
＞＞調理ポイント
お好みの具材でおにぎりを握ります。ラップを敷いたお皿にとろろ昆布を広げ、おにぎりをのせラップを引き寄せながらふわふわと包んでいくと、あっという間にうまみがぎゅっとつまったおにぎりの完成！出来立てのとろろ昆布おにぎりのふわふわ感を楽しんでください！
おにぎり1個に使用するとろろ昆布の量のは3～4グラム程度です。
とろろ昆布の味がしっかりあるので、個人的には中の具はさっぱりしたものがおいしいと思います。
私のおすすめはプロセスチーズです！カルシウムとたんぱく質が取れて栄養面でも良いです。あとはじゃこや定番の梅干しもおいしいですよ。
お好みのものを見つけてみてください♪
◇とろろ昆布のぬめり成分が脂肪や糖の吸収を抑える
昆布のぬめり成分の正体は「アルギン酸」や「フコイダン」という水溶性食物繊維です。これらは腸における脂肪や糖の吸収を抑えるはたらきや、血糖値の上昇を抑える作用があるといわれています。
また、カリウムが豊富に含まれ、むくみ対策や高血圧の予防にも役立ちます。さらに、カルシウムは牛乳のなんと約６倍！生活習慣病の予防や改善につながるとても優秀な食材なのです。
そのうえ、とろろ昆布はとても薄く削られているため、食物繊維や栄養素、うまみ成分などが溶け出しやすく、吸収されやすいのが特徴です。水を含むと膨らむため食べ応えもあり、食べ過ぎ防止にも役立ちます。
※昆布をはじめ、海藻類に含まれるヨウ素（ヨード）は、取り過ぎると甲状腺の働きを低下させることがあります。もともと、海藻を良く食べることや、昆布だしを使うことが多い日本人の食生活では、過剰摂取による健康障害が身近なリスクとなっています。健康な人の場合、とろろ昆布で10g／日程度として、体に良いからといっても食べ過ぎは注意が必要です。
◇富山は昆布の消費量全国ナンバーワン
昆布の採れない富山に昆布が浸透しているのは、江戸時代、富山県域が昆布をはじめとする海産物を運んだ海上流通の中継地を多く持ち、海産物の中でも特に昆布が大量に運び込まれたことが理由で、多くの昆布が消費されるようになったからだそうです。
実家に帰ると食べたくなるものが昆布〆の刺身です。白身魚のものや富山の特産の白エビの昆布〆がありスーパーに売っています。中でも私はサスの昆布〆が好きです。富山ではカジキマグロのことを「サス」と呼んでいます。
サスの昆布〆は、醤油で食べます。昆布は食べる人もいますが、はがして食べる人の方が多いです。
他にも、昆布を使った食べ物はたくさんあり、昆布ロールなどのスイーツ、ベーグル、パンなどのお店があるほどです。
◇富山の名物
＞＞カラフルなかまぼこ！？
富山では、一般的によく見られる板付きのかまぼこではなく、板を使わずにまいて作られる「巻きかまぼこ」や、「細工かまぼこ」と呼ばれる鯛や縁起物をかたどったさまざまな細工をほどこされたかまぼこがあるんです。
富山では巻きかまぼこが一般的に使われ、細工かまぼこは富山の伝統的な結婚式には欠かせないものになっています。
◇最後に、この記事を読んでくださっている皆さまへ一言お願いします！
とろろ昆布おにぎりは子どものころによく食べていました。当たり前のように食べていたので、「とろろ昆布おにぎりって何⁈めずらしいね！」と言われたときは衝撃的でした。小さなお子様のおやつや、部活動をされているお子様の補食にもおすすめです。ピクニックなどのお弁当に入れれば、話のネタにもなって盛り上がるのではないでしょうか！
ぜひ試してみてください！
他にもたくさんレシピや運動情報など掲載しています。
ぜひ日々の健康維持のヒントに、見てみてください！
次回のご当地料理もお楽しみに！
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