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『世界の終わりから』って話

つい最近むちゃくちゃ久しぶりに映画館で映画を観てきました。
元々ケチな部分にはむちゃくちゃケチなんで、
「わざわざ映画館で観るのもったいない」と思いがちなんですが。
(アクションとかファンタジーはね、映画館で観なきゃと思いますが)

なんで、今作も「公開を楽しみに待っていました」とか、元々観る気があったわけでは全然なくて。
紀里谷監督のファンとかでもないですし(爆)

本当にたまたまYouTubeで予告動画が流れてきて、あらすじなんかも知らないまま、
ふ~んって程度で観始めたんですが、主演の女の子(伊東蒼さん)の演技にむちゃくちゃ惹かれまして……。
この作品で初めて知ったんですが、「何この子……!?」てなり、
これは観に行きたい!となった次第です。

で、観てきたんですが、個人的にはストーリーやら映像やらも好きな感じだったんですが、
もうもう、とにかく先述の伊東蒼さんが素晴らしすぎて……。
後半はマジで嗚咽が漏れそうなレベルで号泣してました(笑)
本当にそれだけでも、伊東蒼さんの演技を見るためだけでも、
観る価値があると思うくらい素晴らしかったです。

というか、伊東蒼さんだけでなく、キャストの方々は皆さん素晴らしかったです。
出演シーンとしては多くはないんですが、
冨永愛さんが“未来人”的な立ち位置の役で出てらっしゃるんですが、
あの人間離れしたスタイルで、トゥームレイダーのようなボディスーツを身にまとっておられて、
それがむちゃくちゃハマっていて、もはや笑ってしまうレベルでした(笑)
(もちろんむちゃくちゃ褒めてます)

個人的に伊東蒼さんの次に素晴らしい~……と思ったのが、
主人公の幼馴染み役(タケルくん)で出てらした男の子。
でも、この男の子、キャスト一覧等々には名前載っとらんやんけ!!(怒)
少なくとも岩井俊二さんよりは載せるべきなんじゃないのw

個人的には、伊東蒼さんはもちろんのこと、
予告動画でのこのおふたりの演技が素晴らしくって、観たい!となったので。


レビューとかを見ていても、皆さん「伊東蒼さんの演技が素晴らしかった」と仰られていて、
うんうん、本当その通りだな~と、至極頷けるんですが。

とにかく“演技が素晴らしいな”と思わされる女優さんなんですが、
それでも、いわゆる“天才!”みたいな感じじゃないところに、個人的にはすごく魅力を感じました。
それは、「頭一つ抜けてるとか、そういう感じじゃない」とか、
「天才肌っていうより、努力型っぽい」とか、そういうことが言いたいんじゃなくて。

めちゃくちゃ慟哭するように泣くとか、セリフを朗々と読み上げるとか、
そういう突飛というか、尖ってるというか、
とにかくそういう「演技上手いでしょ!!」「泣けるでしょ!!」みたいな(笑)
ゴリゴリに押し付けてくるような、自己顕示欲満載みたいな、
そういうのとは対極に在るような感じの演技が、すごく素敵だな~と思いました。

どのシーンも魅力的でしたし、泣いてるシーンはもちろん印象的だったんですけど、
ボーイフレンドについて尋ねられて、照れ半分、本気半分ぐらいの感じで否定するようなシーンだったり、
そういう至って和やかな掛け合いのシーンも、むちゃくちゃ自然で印象に残ってます。


チロッと舞台挨拶の映像も観たんですけど、そのときの様子もそんな感じでした。
本当に“普通の女の子”という感じ。
斜に構えてるのかなんなのか、質問に対してよく分からない回答をするでもなく(爆)、
といってダンマリ決め込んでるようなタイプでもなく(笑)

むしろめちゃくちゃ緊張されてて、言葉に詰まってらっしゃいました。
本当に自己顕示欲というか、「自分をこう見せたい」みたいなものを感じない人。
“ありのまま”って感じです。
そういう“自然体さ”に大きな魅力を感じたので、どうかこのまま歳を重ねていってほしいなと思いました。

先の男の子(タケルくん)も同じ感じ。超自然、ナチュラル。
別に普段そこまで、演技の上手い下手とか気にするタイプの人間ではないんですが、
とにかく、このおふたりは素晴らしかったので、
今後めちゃくちゃに売れてほしいなと(笑)、純粋にそう思いました。

で、肝心の?ストーリーはといいますと、
(もはや演技だけで、映画代金ぐらい十分相殺されちゃってると思いますが)
個人的には、こちらもとても好き……というか、共感できるものでした。

おっきなテーマとして、
「苦しみを終わらせるためには、もはや世界を終わらせるしかないんじゃないか?」
みたいなのがあるんですが、微妙に反出生主義的な人間としては(爆)、
すごく共感できる話でしたし。


先にもいったように、レビューでは「伊東蒼さんが素晴らしかった」という声はむちゃくちゃあるものの、
ストーリーについては、「厨二病草」みたいな(笑)
そういう意見も多々見られたんですが。

これ、そんな厨二病ですか?(笑)
YouTubeのコメント欄でも、あんまりにも「厨二」「厨二」と書かれていて、
もはやこれに共感できる、感動できるのは、自分も厨二病だからなのか?と思えてきました(爆)

でも“厨二”“厨二”ってさ、そもそもヒューマンドラマじゃあるまい……
いや、ヒューマンドラマ系でもそうですよ、
何某かストーリー性のあるものを創作しようとなれば、
“厨二病”ぐらいじゃぁないと、到底作れなくないですか?(笑)
それがもはや、こんなファンタジーというかSFというか、こういう類のものなら尚更。

創作物なら何でもそうでしょうにといったように、
これについて“厨二草”みたいな批評はなかったかと思いますが、
つい最近のドラマ『エルピス』を思い返してみても、
これだって終盤の鈴木亮平のセリフ等々は、なっかなかな“厨二”レベルでしたよ(笑)
「君と俺とは相克の関係にうんぬん……」て、
仮にも恋人関係にある人に対して、こんなこと言う奴おらんやろと(笑)

なんで、別にファンタジーやSF等々に限らず、
ヒューマンドラマでも社会派系でもなんでも、
創作物たるもの、ある程度の“厨二っぽさ”は入らざるを得ないでしょっていうのが、個人的な意見です。


最後に、ぶっちゃけ、伊東蒼さんやタケルくんほど「演技やば……!」とは思わなかったものの、
キャラクターとして“江崎さん”がすごく好きでした。
観た方なら分かると思いますが、終盤はもう心の中で「江崎さぁん……!(泣)」てなってました。

で、この“江崎さん”と“ハナちゃん(伊東蒼さん)”の関係性もすごく良かったです。
こういうポジショニングだと、結構恋愛感情抱きがちかなと思うんですが、
そこは“タケルくん”がいることによって、“そういう関係”ではないとハッキリ分かるので。
これがもし、そういうのを匂わせられでもしてたら、
歳の差といい、立場の強さ等々といい、気持ち悪くてしゃーないわっていう(爆)
純粋に好きになれるキャラクターでよかったです、“江崎さん”。


まだ公開中ですので、気になった方はぜひ観られてください。
今の社会に疲れている方に観てもらいたいなと、そんな作品だと思いました。

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