- 運営しているクリエイター
2021年3月の記事一覧
「ツァラトゥストラはこう語った」フリードリヒ・ニーチェ
ニーチェを単体で読んでいけない。
丹念にその遺伝子を辿ると、単なる発狂した変人ではなく、そこに至る軌跡があり、その頂上がある。それこそがツァラトゥストラ。
つまり、ニーチェの哲学と思想と詩が凝縮した孤高の傑作であるのだ。
「トニオ・クレーゲル」トーマス・マン
20世紀のゲーテとも評されたドイツの大文豪の若き日の傑作。芸術家とは何か?市民とは何か?
芸術という結論なき理想と現実に揺れる主人公に、幾度自らを重ね合わせたことであろう。
「自殺について」アルトゥル・ショーペンハウエル
ドイツが生んだ偉大なペシミズム哲学の主。
読後感の奇妙なオプティミズムは忘れ難い。
ショーペンハウエルとニーチェとともに盃を酌み交わせば、今の時代をどう論じただろう?
「サロメ」オスカー・ワイルド
アイルランドの奇才が放った妖艶なる戯曲。
この書に手を伸ばした時、西洋思想としてのエロティシズム、耽美主義の世界に触れてしまったあの感覚…
読書における禁断を突きつけた、まさに異様な書でもある。