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渡邉有
2023年2月1日 19:31
久しぶりに読みましたが、なかなかの問題作ですね。これは現代では絶対に発表できない内容だと思います。実際戦時中には販売禁止になっていたようですし。当時はそのような意識はなかったにしても、現在では放送使用禁止用語となっている差別的表現が多用されています。具体的には「不具者」「片輪」といった言葉です。私が看護師になったばかりの頃は、病院や施設には明治生まれの方もいらっしゃいました。その方達から
2022年12月24日 21:08
江戸川乱歩のマイナーな短編小説です。とても短いのですぐに読めます。なんでかわからないけど私はこの作品が好きです。語り手が得体の知れない場所を彷徨うお話なのですが、ストーリーらしいものもなく、しかも「全部夢だった」というオチです。なので、普通の人が書いた小説なら「だから何なんだ?」という感想しか持てないような、意味のわからないお話です。しかし、江戸川乱歩の手にかかると美しく幻想的な小説
2022年11月8日 13:33
江戸川乱歩のホラー小説です。めっちゃ短いです。多分5分もあれば読めます。しかし短いながらもなかなかの存在感を放つ作品です。この短さでこれだけインパクトがあるなんて、すごいなあと思います。ゆきずりの人間に襲われ、右手首を切断したピアニストのお話です。病気や事故で足や手を切断した患者さんが、時々幻肢痛というものを訴えることがあります。(私は看護師です)失われたはずの手や足が痛むのです。
2022年10月1日 20:18
江戸川乱歩の短編小説です。ここでいう「人でなし」は、「このひとでなしめ!!」と相手の薄情さを責めるときに使うものではなくて、「人ならざるもの」というニュアンスが近いのかなあ??そうです。この作品は、まさしく「人ならざるもの」との恋の物語です。 旧家に嫁いだ女性が、その家で体験したことを告白する形で物語が進行します。 新婚の夫が、夜な夜な寝室を抜け出し蔵に向かいます。妻はその蔵
2022年9月23日 16:59
江戸川乱歩の作品の中でも、一般ウケするのだろうなと思います。江戸川乱歩はあんまり「文豪」とは認識されていない気がするのですが、しかしその筆力たるや、一般的に「文豪」と呼ばれている方々に全くひけをとらない気がします。 さて、こちらの作品ですが、幻想的で不思議な、なんとなく物悲しくもなる物語なんだけど、でも胸苦しくなるほどではなく、ほど良い距離感を保ちながらスマートに収まったなあ、という読後
2022年3月13日 16:50
江戸川乱歩といったら、「明智小五郎と怪人二十面相シリーズ」「少年探偵団シリーズ」ですよね。しかし!私は江戸川乱歩が好きなのですが、実はそれらはほとんど読んだことがありません……というのも、少年探偵団などのシリーズは子供向けに書かれた作品でして、私にはすこし物足りなく感じてしまうのです……逆に、そのシリーズ以外は見事に変態小説ばかりなんです。その変態っぷりが私にはたまらないので