カウンセラーの選び方と良し悪し、資格の有無について。
私も「人のお話を聞いておカネを頂く」という仕事をしております。
明確に、「カウンセリング」「セラピー」「コーチング」「コンサルティング」等の看板を掲げているわけでないわけですが、まあ、いわゆる一般の人の考えている「カウンセリング」に近いものであると言って良いことをやっております。
全然、知識も経験もない人に説明するとして、1番わかりやすいのは、やっぱり「人生相談」ってことですかね?
クライアントさんのお話を聞いて、問題を解決する、解決しなくても心と身体を良い感じの方向に持っていくって意味では、「人生相談」「カウンセリング」ってのが、1番わかりやすく、イメージしやすいものかもしれません。
で、まあ、実際は、アドバイスなところもあるし、コミュニケーションや仕事の技術をお教えるすることもあるし、コーチング的なものや、コンサルティング的なものや、ティーチング的なものも入り混じるので、厳格に区分けすることが難しい性質のものであると思っています。
人によって手法も違いますし、相手の気持ちや人生を扱うものなので、話がどこに飛ぶかもわかりませんし、扱う領域も幅広いですし。
もちろん、「英語を教えてください」って話になったら、「ごめんなさい、よそへどうぞ♪」ってことになりますが、家族関係や友人関係、職場の人との関係、恋愛関係なんかは、「お相手の話を聞いてそれに応え、良い状態に持っていくこと・ハッピーに生きていくこと」が大事で、それは正に技術と知識・経験を用いた、人と人とのぶつかり合いであるので、そこに関しては「肩書き」というものはあまり意味をなしません。
でね、私が子供の頃なんかは「カネを払ってそういうものを受ける」ってことになると、「病院の精神科」に行くくらいの方法論しかなくて、そうすると「頭がおかしい人」ってレッテルを貼られたりもしたので、非常にハードルが高く誤解をされまくった業界でしたね。
ですが、業界自体が進化したこと、心身症、ストレスによるアレコレ、うつ病等の人が増えたことや、その他、「心療内科」「メンタルクリニック」という看板を出したお医者さんなんかも増えたので、昔と比べると、敷居は相当に低くなっていますね。
で、今日のお話は、「医療」の領域に関わるものから、その他諸々の「対人援助」「人生相談」におけるものまで、そういう「カウンセラー」の立場にいる人の善し悪しの見方というか、選び方というか、持っていたほうが良い知識についてのお話です。
まず、最初に言いますと、医療行為としてのカウンセリングを行えるのは医師だけです。お医者さんだけが診断書を書いてクスリを処方出来ます。
それに次ぐ感じの資格として「臨床心理士」がありますが、こちらは国家資格ではなく民間の資格です。
最近、「公認心理師」という国家資格が出来ましたが、この2つの違いがどうなっていて、どういう運用をされているのかは、ちょっと私にはわかりませんが、多くの場合、「カウンセリング的なことをする人」にとってのメジャーな資格というのはここらあたりだと思います。
細かいことを言うと、福祉士系の国家資格なども色々あるわけですが、話が複雑になってわけわからなくなりますので、はしょります。
でね、Wikipediaの「日本の心理学に関する資格一覧」っていうページを見て頂ければわかりますが、その他に民間が勝手に出している資格として、こんなに一杯あります。
ちなみに、これ、全然一部のものだけであり、どんな団体でも国の審査など受けずに、勝手に名前をつけた資格を出せるので、「なんちゃら団体」「うんたら団体」が山ほど資格を出してます。
数万円払って1日講座を受ければ「〇〇団体公認〇〇カウンセラー」とかっていう肩書を名乗れたりしますからね。
まあ、メチャクチャな業界ではあります。
事情に詳しくない人からすれば、「公認のカウンセラーの資格があるみたいだから大丈夫だろ!」ってなってしまうのも当然です。
ですが、もう1度言いますが、カウンセリング、対人援助系の資格で国家資格であるのは、「医師免許」と「公認心理師」だけであり、それに準ずるのが「臨床心理士」その他いくつか、って感じです。
つまり、「その他のほぼ全部は、民間のなんだかようわからん団体が出している、なんだかようわからん資格である」って言っちゃっていいと思います。
ただ、誤解のないようにしていただきたいわけですが、「だから、その資格を名乗って仕事をしている人が、全員うさんくさい適当な仕事している人か?」って言ったら、全くそんなことはありません。
立派な仕事をしているプロフェッショナルはいくらでもいます。
話を変えます。
私達の日々の身近な日常の中で、人の心や人生に大きく関わるをしている人がもう1つあります。
はい。「教育者」です。
幼稚園、保育園、小中高大と、私達が社会に出るまでに受ける教育を行っている先生方は、ほぼ全員、国家資格を持っている人たちです。
が。
「教育をしている人」はそれ以外にもたくさんいますよね?
塾の先生。ピアノの先生。英会話の先生。サッカー、野球、バスケのコーチ。書道、剣道、柔道の先生・・・。
そして、親、家族。
そういう人たちで、教育の資格を持っている人がどれだけいるのかと言えば、持っていない人だっていくらでもいます。
国家に認められた立派な資格を持ったプロなのに、「こいつ、マジなんなんだよ、ザケンじゃねえよ!!」っていうようなクソ教師に出会った経験のある人は、私だけではないと思いますw
最近も、神戸の方で教員同士の意味不明過ぎる事件がありましたが、彼らも、肩書と経験だけで言えば、「国家資格を持った教育のプロ」にカテゴライズされるわけです。
でも、そんなわけないよね?
資格が必要ないとは言いません。勉強が必要ないなんてことも全く言う気もない。
ただ、人に関わる対人援助のような仕事というのは、それだけで語れるものでもないし、それで判断出来るものではないということです。
良い教師を見分けるのが困難であるように、良いカウンセラーを見つけるのも困難です。
方法があるとしたら、
・教育者と同じように、「あそこの先生はいいよ。」「あの先生は立派な人だよ。」っていう口コミを頼りにすること。
・「絶対に治せる・絶対に良くなる」的なことを確信的に言う人は避けること。
「うちの塾に入れば、絶対に東大に入れます!」っていう塾の先生なんていませんよね?当然です。無理なんだから。
でも、心理系、カウンセリング系の人だと、「絶対に大丈夫です」的なことを平気で言ったりするんですね。そんなわけないだろ。
それと、
・出来ないことは、出来ない、とハッキリ言えること
お医者さんだったら、自分の専門の領域でないとわかれば、「これは、ちょっと内科の方のお話なんで、そちらの先生を紹介しますね。」ってことを言いますし、「よくわからんけど、これを言っておけば大丈夫だろ?」的な適当なアドバイス・処方をしたりはしません。大変、危険ですから。
でも、そういう自覚がない人は、適当なアドバイスを適当にしてしまいがち。
道を聞かれたけど、よくわからないのであれば、「よくわかりません。」って言ってくれればいいのに、すげえ適当な教え方をするから、余計迷ってしまった経験とかありません?あれです。
とまあ、ちょっと長くなりましたので、この辺で終わりますが、「カウンセラー」と名乗る人でも、それは「教師です」って名乗る人と一緒で、「それだけで良い先生か、良い教育者なのかはまったくわからんぜよ!まったくわからんぜよ!!!」ってことだけ覚えて帰って頂ければそれでオッケーです。
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