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#小説
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー あらすじ
大学卒業後、自分探しの道中で、内定を貰っていた商社に就職せずに、オートバイレースに没入していった晃司。
飛び込み営業での出会い、経験、巡り合った女性との恋愛、失恋。
導かれる様に出会った特別養護老人ホームでの介護、入居者や職員との心の交流、認知症、人間性の豊かさ、様々な知恵に触れて、次第に大切な物に目覚めていく。
しかし、心の傷を負った晃司は、ある日を境に引きこもってしまう、、、
そ
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー12 神の国
暗闇の蒸し暑い車中に、カエルと虫の鳴き声の大合唱が響いてくる。
その夜、晃司は梨花の送迎を志願して、特別養護老人ホーム「神の国」の職員用駐車場にいた。梨花が特養の勤務日を増やしてから、此処で度々梨花を待つ様になっていた。
視野の角で梨花の姿を一瞥した晃司は、トランスポーターのエンジンをかけ、、ヴォーン!。助手席に乗り込む梨花に自らの焦燥を悟られない様に、営業の話題を話し始めた。
「梨花とペア
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー10 梨花
ザワザワ、、一体どうやったの?、、分からない?え?、、ウソ!、、信じられない!、、ヤラセじゃないよね?、、引いたり推したりだって?
事務所のドアを開けると、既に出社している梨花が質問攻めされている。
晃司の顔を見ると、皆が一斉に向き直り、質問が攻めが始まる。
トーク上手いんだって?、、私と組まない?、、私が推すから!ねえ!
「私と武田さんしか無理です!」梨花のムキになった声が向こうから聞こ
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー8 コンビ初陣①
「俺が先にトークするから、フォーローを頼む!」
「うん。じゃ次の家は私ね!」小さく頷き合う。
微かに震える指先で、晃司がチャイムを押す。
【ピンポーン】
『は〜い!』
「こんにちは!ミネルビ学院の武田と申します。子供さんの教育、発達の事で少しだけお時間いただけたら、、」
『今、忙しいわぁ』
「お忙しい時にすいません!子供さんの発育、将来に繋がるお話です。数分だけでもお伝えできたらで結構です!決
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー6 辞表
人気のない公園で、日傘をさすのを忘れていた水谷の話は、夏日より熱を帯びていた。
「今すぐ営業辞めな!」
「・・・」
『馬鹿』の次に『営業辞めな!』という瑣末な言葉に、晃司は未だ無表情だったが、『あのね、、』と武田を諭すように話し始めた後は、色を失っていった。
「さっきの奥さんに『ミネルビやらなくていい』って言ったの何?どう言う意味で言ってんの?あんた1ヶ月新規ゼロなんでしょ!」
「は
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー4 ロードレース
1992年6月26日 鈴鹿サンデーロードレース
パァァァァァァァーン!カァァァァァァァーン!ブォォォォォォーン!グォーーーーー!
鈴鹿サーキット南コースのストレートをロードレーサーRS 125ccが次々と駆け抜けていく。
晃司もその中に居た。
カァァァァァァァーン!、、 ストレートは伸びている。
グォーーーーー!、、 コーナリングはマシンを上手く曲げられず遅い。
ブォォォォォォーン!
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー3 陽炎の向こう側へ
陽炎の向こう側へ
株式会社エオスの作業場は、小高い丘上にある工業団地の一角にある。
作業場の裏は、約6万人規模の湖南市全体が眺望できる西南向きの場所だ。
晃司は、ブラスト処理を早く済まして時間を作り、作業場の裏でこの街を眺めていた。
生い茂るコナラの向こうには、古い住宅街に隣接して新しく造成された住宅街が広がり、官庁街あたりに5階建位のビル街、大型スーパーマーケットの巨大な屋根、線を引い
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー2 コウノトリ
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発注が次々と舞い込んでくる。
その日、武田晃司は残業せずに作業着と作業靴のまま三菱の赤いミラージュに乗って自宅アパートへ向かった。
片道30分程かかる山道を走行中、人気のない場所に車を停めた。そして、座席に座ったまま目を閉じた。20分も経たずに、自分の本当の居場所に戻ったように感じられ、生気を取り戻す。
晃司にとって、結婚して以来、この山中の誰もいない場所は、職場から避難す