環 弦 Gen Tamaki

社会福祉士、主任介護支援専門員、シンガーソングライター、クリスチャン。 医療法人に勤務…

環 弦 Gen Tamaki

社会福祉士、主任介護支援専門員、シンガーソングライター、クリスチャン。 医療法人に勤務し、現職は地域包括支援センターの管理運営、相談業務を行っている。  現代社会、人生を直視し続けていきたい。その気づきを、音楽や小説に著し続ける事が、私のライフワークだから。

マガジン

  • 君と探した場所、未だ見ぬ翼

    京都、大阪を舞台に、母子家庭で育った主人公の慶一を中心に、家庭内暴力や虐待で追いやられた少年少女達、手を差し伸べるどころか束の間の居場所を無くそうとする社会の現代の物語です。  少年少女達は、オーバードーズや暴走を繰り返しながら死へと向かっていきます。現代の閉塞感、居場所を求めて彷徨う若者達の声が聞こえる様に、欠陥としての家庭や社会、悲惨な現状も敢えて目を逸らさずに描いていきます。

  • 「新世界秩序」国同士の諍い、戦争にウンザリしている方へ

     今後の世界のあるべき姿は?著者の考えによれば、必然的に世界の行き着く先は「新世界秩序」国家の権限を変える事が必要である事に集約されていく筈である。  何故なら、全人類共通の物事で考えると、自ずと見えてくるからだ。それは、、「人は必ず死ぬ」「この世は一時的な居場所」「この世界は子供達のもの」だ。  それは、本来全人類共通の事実である。そして、これを根本原理とすべきである。それを犯す者は、どんな理由、行為、大国、権力者であっても、人類の敵とも言うべき物である。そこで、不可侵の法律が浮かび上がってくる。  全世界国家はそれに従わなければならない。従わない限り、人類は地球にとって、人という一部だけのことを考え、全体の為にならず、ひたすら増殖するがん細胞の様な者である事を述べた。

  • 魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生ののストーリー

    人は誰もが、魂に煽られて行動し、生きている。そんな人生観、人間模様がここに展開されていく。  20代前半に引きこもった青年が、立ち直っていく過程で経験する仕事、出会いの数々。人間嫌いであった青年は、様々な仕事、特別養護老人ホームで入所者や職員とのやり取りを経て、やがて人の魂の多種多様さ、奥深さに魅了されて、新しい施設を立ち上げるまでになっていく。  実際に様々な仕事をして過ごした著者の人生模様を描いた長編、連載小説。  様々な人々に出会い、人とは?本当の豊かさとは?人生の経験とは?という問いに答えを見出していく。

最近の記事

君と探した場所、未だ見ぬ翼

第3話 誰のせいでもなく 「ただいま!」  赤黒く重い「スナック二条」のドアを開けると、モルトとタバコの煙が出迎えた。今日は一層モヤがかかっている様に思える。店内は予想通り、、のり子と外村の2人きりだ。 「慶一君!もう0時だぞ!えらく遅いじゃないか!心配してたんだぞ!大体、のりちゃんは慶一君の為に、、」  なぜ遅くなったか?理由も聞かずに向こう側の理屈で並べた言葉が朗々と続く、、慶一の中で何かが切れた。 「体裁よく何言ってやがんだ!あんたこそ!偉そうに、、人のこと言えんのか

    • 君と探した場所、未だ見ぬ翼

      第2話 それぞれの居場所  慶一の駆るゼファーは第二京阪道路を南へ40分走り続け、大阪ミナミに辿り着いた。御堂筋を抜けて、道頓堀の人集りに出会した辺りでゼファーを道脇に止めた。  メットとタンクバックを小脇に抱えて道頓堀川の方角に歩き出す。もう20時にも関わらず、戎橋の上は人集りができている。振り返ると巨大なグリコの看板が現れた。  煌々と光る笑顔のネオンサインは、明るく賑やかだが何処か白々しく空虚に感じる。その視線を川下に向けると川岸の路地に騒々しい若い子達の群れが見えた

      • 君と探した場所、未だ見ぬ翼

        第1話 慶一  築40年のレジデンス創英マンション1階、14畳にも満たない場末のスナック「スナック二条」。営業を開始して、もう直ぐ10年を迎える。  16:00 二条のり子は入口から突き当たりまで続く細長いカウンター、カウンターチェア8脚カウンターを丁寧に拭き上げている。アイスキーパー、冷凍食品、フルーツの在庫をチェックし、釣り用の現金を数えてカード払いのソフトを立ち上げていた。 「キャッシュレス決済が多くなって会計楽になったけど、、慶一がやってくれたら経費削減になるのにな

        • 君と探した場所、未だ見ぬ翼

          はじめに  ニュースでセンセーショナルに取り上げられている行き場の無い若者たちが集うトー横、グリ下、ドン横。居場所を無くした若者たちは、緩くコミュニティを作り助け合いながらも、将来への絶望からオーバードーズや犯罪、死へと向かっていきます。  残念ながら、報道ではまるで他人事の様に、家庭の問題や監視カメラ・警察の巡回等の対策にスポットが当たるのみです。最悪なのは、居場所の閉鎖に向かう様な流れで、まるで流行を終わらせるように収束するかの様な伝え方です。  2021年2月に孤独

        君と探した場所、未だ見ぬ翼

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        • 君と探した場所、未だ見ぬ翼
          4本
        • 「新世界秩序」国同士の諍い、戦争にウンザリしている方へ
          5本
        • 魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生ののストーリー
          14本

        記事

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー あらすじ

           大学卒業後、自分探しの道中で、内定を貰っていた商社に就職せずに、オートバイレースに没入していった晃司。  飛び込み営業での出会い、経験、巡り合った女性との恋愛、失恋。  導かれる様に出会った特別養護老人ホームでの介護、入居者や職員との心の交流、認知症、人間性の豊かさ、様々な知恵に触れて、次第に大切な物に目覚めていく。  しかし、心の傷を負った晃司は、ある日を境に引きこもってしまう、、、    それでも、、人は必ず何処かに、生きる場所がある。 #創作大賞2023 #お仕事小

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー あらすじ

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー9 コンビ初陣② 涙

          「次は、松田さんだ!」2人で歩きながら次の遊具を物色し始める。 「私、トーク苦手だから、フォローしてね!頼むね!」 「松田さんみたいな凄いフォローはできないよ」先程、凄い推しを目の当たりにした後だ。  間も無く、庭に子供用のスコップ、ジョウロを見つけた。、、小さく頷き合う。 【ピンポーン】 『は〜い!』 「こんにちは!ミネルビ学院の松田と言います。子供さんの英会話教室のことで来ました!」 『営業?結構です』 「お母さん!お願いです!私、お話させて貰わないとクビになっちゃうん

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー9 コンビ初陣② 涙

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー13 戦争の話

          「山田さん、お風呂に着きましたよ!」  晃司は、お婆さんが乗る車椅子を押して施設の廊下を渡り、脱衣所に到着すると、前に回り込んでフットレストを上げて、お婆さんの両肘に手のひらを添えて屈み、せーの!、、で一緒に立ち上がり、椅子に移乗した。 「ありがとうね。あなた名前は何ていうの?、、えーっと。」胸に付けている【ボランティア 武田】の名札を見つけた。 「武田君ね。これからも頼むね!」孫を見る様に、晃司に視線を合わせる。 「は、はい!」頼りにされて、信頼の様な心地よさを感じた。

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー13 戦争の話

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー12 神の国

           暗闇の蒸し暑い車中に、カエルと虫の鳴き声の大合唱が響いてくる。  その夜、晃司は梨花の送迎を志願して、特別養護老人ホーム「神の国」の職員用駐車場にいた。梨花が特養の勤務日を増やしてから、此処で度々梨花を待つ様になっていた。  視野の角で梨花の姿を一瞥した晃司は、トランスポーターのエンジンをかけ、、ヴォーン!。助手席に乗り込む梨花に自らの焦燥を悟られない様に、営業の話題を話し始めた。 「梨花とペアを組んで1ヶ月になるけど、営業所の奴ら掌返しだよ!水谷さんが俺に敬語で話してくる

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー12 神の国

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー11 寂しさと孤独

          「何してんだよ!風邪引くよ、早く入って!」  、、何故来たのか?と次いで聞きたかったが、風邪をひかない様にするのが先だし、野暮に思えた。  全身ずぶ濡れになった梨花を部屋に招き入れ、梨花の頭にバスタオルをかけた。 「ありがとう」梨花は浴室に入り、濡れた衣類と下着を剥いで洗濯機に入れ、晃司が準備した白い無地のTシャツ、ストライプのリネンシャツを着て、短パンを履いた。寂しさが幾分和らぐ様に感じた。 「冷蔵庫から適当に飲み物飲んでてね!」晃司は、梨花の濡れた衣類が入った洗濯機のボタ

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー11 寂しさと孤独

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー10 梨花

           ザワザワ、、一体どうやったの?、、分からない?え?、、ウソ!、、信じられない!、、ヤラセじゃないよね?、、引いたり推したりだって?  事務所のドアを開けると、既に出社している梨花が質問攻めされている。  晃司の顔を見ると、皆が一斉に向き直り、質問が攻めが始まる。  トーク上手いんだって?、、私と組まない?、、私が推すから!ねえ! 「私と武田さんしか無理です!」梨花のムキになった声が向こうから聞こえる。 「はい!皆さーん!」所長が割って入ってきた。 「朝礼!おはようございます

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー10 梨花

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー9 コンビ初陣② 涙

          「次は、松田さんだ!」2人で歩きながら次の遊具を物色し始める。 「私、トーク苦手だから、フォローしてね!頼むね!」 「松田さんみたいな凄いフォローはできないよ」先程、凄い推しを目の当たりにした後だ。  間も無く、庭に子供用のスコップ、ジョウロを見つけた。、、小さく頷き合う。 【ピンポーン】 『は〜い!』 「こんにちは!ミネルビ学院の松田と言います。子供さんの英会話教室のことで来ました!」 『営業?結構です』 「お母さん!お願いです!私、お話させて貰わないとクビになっちゃうん

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー9 コンビ初陣② 涙

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー8 コンビ初陣①

          「俺が先にトークするから、フォーローを頼む!」 「うん。じゃ次の家は私ね!」小さく頷き合う。  微かに震える指先で、晃司がチャイムを押す。 【ピンポーン】 『は〜い!』 「こんにちは!ミネルビ学院の武田と申します。子供さんの教育、発達の事で少しだけお時間いただけたら、、」 『今、忙しいわぁ』 「お忙しい時にすいません!子供さんの発育、将来に繋がるお話です。数分だけでもお伝えできたらで結構です!決して損にはならないお話しです。」 『本当に少し?、、』 「少しだけで結構です。営

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー8 コンビ初陣①

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー7 コンビ結成

          「朝礼、おはようございます!」 「おはようございます‼︎」  ミネルビ学院四日市駅前営業所で、いつにも増してハイテンションな相原ゆう子所長の朝礼が始まった。 「皆さん!夏日にも関わらず肌寒い気温の低さが続きますが、ミネルビは熱い!昨日の新規獲得件数が30件!で、当営業所の最多記録に並びました!」どよめきと拍手が沸く。 「内訳ですが、水谷さん9件、長野さん6件、平野さん5件、森田さん4件、山本さん4件、横田さん3件、松田さん0件、武田さん0件!」ざわめきとヒソヒソ声が広がる。

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー7 コンビ結成

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー6 辞表

           人気のない公園で、日傘をさすのを忘れていた水谷の話は、夏日より熱を帯びていた。 「今すぐ営業辞めな!」 「・・・」  『馬鹿』の次に『営業辞めな!』という瑣末な言葉に、晃司は未だ無表情だったが、『あのね、、』と武田を諭すように話し始めた後は、色を失っていった。 「さっきの奥さんに『ミネルビやらなくていい』って言ったの何?どう言う意味で言ってんの?あんた1ヶ月新規ゼロなんでしょ!」 「は、はい。奥さんの悩みを聞いて、お金にそんなに余裕が無いとも仰っていたので、私なり

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー6 辞表

          「新世界秩序」国同士の諍い、戦争にウンザリしている方へ4

          「平和主義こそが未来」日本の進むべき方向性  日本は、第二次世界大戦後、憲法で軍事力を制限し、世界平和の維持に努めてきたことから、長らく平和主義国家として知られてきました。しかし、近年、日本政府は国家の維持と防衛のために増税や社会保障の削減を行い、より軍国主義的な考え方にシフトしている。このようなアプローチは見当違いであるだけでなく、地域を不安定にし、国の長期的な安定を脅かす危険性がある。したがって、日本の世界平和への貢献は、いくつかの理由から、軍事的な防衛よりも社会福祉を

          「新世界秩序」国同士の諍い、戦争にウンザリしている方へ4

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー5 飛び込み営業

          「朝礼、おはようございます!」 「おはようございます‼︎」  四日市駅前のテナント2階、子供向け英会話教室ミネルビ学院営業所10名の挨拶が響いた。若干27歳、相原ゆう子所長の朝礼が続く。 「皆さん!1970年代から続く英会話教室の老舗である、私たちミネルビ学院の子供英会話教室は、遂に!全国1000教室を越えました!1985年に500教室を突破し、その7年後に2倍です!バブルが弾けましたが、国際化の波が来ているからこそ、親御さんたちは子供たちの才能の開発を求めています!もっと

          魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー5 飛び込み営業