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絵本『ひよこの夢さがし』(全編無料公開)


※実際の絵本にはすべての漢字にルビを振っています
※遅れて読む人もいると思うので、コメント欄に「内容の開示」「ネタバレ」になるようなことは書かないでください。
※「いいね」ボタンは大歓迎です。


ぼくの名前は ピヨクシー
10さい

毎日 たのしく過ごす ひよこ

でも 実は今 悩みがあるんだ


友達はみんな 夢がある
ぼくには 夢がない

なにに なりたいかなんて
なにを やりたいかなんて

ぼくには まだ わからないんだ


いつか ぼくにも夢が みつかるのかな

大人になるのが こわいな
みんな すごいな うらやましいな

どうやって夢を みつけるんだろう


「下を向いて どうしたんだい?」
「ぼくには 夢がなくて 友達はみんな 夢があるんだ」

「大丈夫だよ」
「ほんとう?」

「まだまだ これからだよ だから大丈夫」


「おじさんは いくつで夢を みつけられたの?」
「30さいを こえてからだよ」

「30さい!?」

「今は夢がなくても 毎日のできごとや 出会いを大切にすれば
きっと すてきな 大人になれるよ」


ピヨクシー 20さい
すっかり大きくなったけど まだ 夢はない

友達が うらやましいな
ぼくはこのまま どうなっていくんだろう

どんな大人に なりたいのか まだ わからない
不安で いっぱいなんだ


そうだ
夢をさがす旅に 出かけよう

まだ 知らないことが たくさんあるはず
ゴールは決めないまま とにかく歩いてみよう

なにか ヒントがみつかりますように


「もしかして あのときの?」
「え!? おじさん!?」

「大きくなったね おじさんのこと 覚えてる?」
「もちろん 覚えてるよ」


「どうして 旅に?」
「まだ 夢がなくて なにか ヒントがほしくて」

「それは すごいね きっとなにかが みつかるよ」


「このケースをあげよう 夢がみつかる お守り」
「ありがとう」

「その中に おじさんの名刺が 入ってる
夢がみつかったときに もう一度 会おう」
「うれしいな ありがとう」

「でも 夢がみつかるまでは あけないこと 約束」
「うん 約束」


「夢をみつけて また会いたい」
「応援 してるから」

「うん」

「さようなら」
「さようなら」


ピヨクシー 30さい
旅をきっかけに 絵本をつくる 会社をつくった

旅先で たくさんの絵本と出会って
たくさんの勇気を もらったんだ

ぼくもだれかを 勇気づけられる 絵本をつくりたい


気がついたときには 夢ができていた


夕暮れどき 広場で遊ぶ 子どもたちを みかけた

「大きくなったら なにになりたい?」

「ぼくは パイロット」
「ぼくは お医者さん」

ひとりの子どもが 落ち込んだ様子で 下を向いていた


「どうしたの?」
「ぼくには 夢がないの」

「大丈夫だよ」
「ほんとう?」

「今は夢がなくても 毎日のできごとや 出会いを大切にすれば
きっと すてきな 大人になれるよ」


すぐに 夢はみつからなくても 大丈夫
今から経験することの その先に やりたいことが みえてくる


知らない世界に 飛びこもう

自然と やりたいことが 
夢中に なれることが みつかるはず

だから あせらなくてもいい
ぼくは 夢をみつけるために 30年かかった


ひよこの物語は はじまったばかり
ひよこの夢さがしは まだまだつづく


あのときの おじさん 元気にしてるかな

そうだ 名刺をもらっていたはず
今は 夢をみつけられたと 伝えよう


あれ?
ぼくの名刺だ

あのときの おじさんって
ぼくだったの?



おしまい


≪あとがき≫

この絵本は「夢はすぐに見つけられなくても大丈夫。いろいろな経験をすることで、やりたいことがきっと見つかる。そして、大人になっても、夢さがしは終わらない」というメッセージを伝えたくて書きました。

僕自身がピヨクシーと同じで、夢がなく、やりたいことが見つからず、悩みつづけた時期が長くありました。ピヨクシーの10歳、20歳、30歳は、僕の原体験がベースとなっています。

最後に判明するのが、おじさんは自分だったということです。悩みを持つ、幼いころの自分に、未来の自分が助言を伝えにいくというのは、物語ならではの自由な表現にしました。

おじさんが10歳のピヨクシーに伝えた「今は夢がなくても 毎日のできごとや 出会いを大切にすれば きっと すてきな 大人になれるよ」という言葉を、30歳になったピヨクシーが子どもに伝えていたことで、ネタバレしたかもしれません。

この物語は、過去の自分に伝えたいメッセージを題材にしました。きっと同じような悩みを持つ子どもは、たくさんいると思います。もしかすると、夢や挑戦を諦めた大人もいるかもしれません。この絵本を通じて、誰かに勇気を与えることができれば幸いです。

初めての絵本制作に、すごく頭を悩ませましたが、この一冊が完成して安堵しています。自分が大切にしている「夢・出会い・約束・応援」という言葉を使った絵本が書けて、嬉しく思います。そして、絵本の世界は楽しいものだと知ることができました。

最後に、GalaxyBooksでは書籍の寄贈活動を行っているので、改めて絵本のギフト文化を広めていきたいと感じました。この絵本を気に入っていただけた読者がいれば、ぜひ大切な人にプレゼントしてみてください。絵本の印税は、子ども基金に寄付させていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

GalaxyBooks株式会社 代表取締役社長 加戸昌哉

≪絵本『ひよこの夢さがし』購入者特典情報≫

今回は絵本購入者特典として、絵本をベースにした「書き下ろし短編小説データ」をプレゼントすることになりました。絵本では書ききれなかった描写をふんだんに入れ込んだ、読み切りサイズの短編小説。新感覚の絵本の小説版をお楽しみください。

絵本の最終ページのQRコード読み取り、応募フォームにて受け付けています。応募いただけましたら近日中に書き下ろし短編小説PDFデータをお送りさせていただきます。なんらかの事情により、購入者特典は終了することがありますので、お早めにご応募ください。

≪絵本『ひよこの夢さがし』販売情報≫

◆発売日:8月20日(火)17時より販売スタート
◆販売ストア:BASE(ネットショップ)にて300冊限定販売(1家族2冊まで購入可)
◆販売価格:2,750円(税込)(送料無料)
◆購入者特典:短編小説『ひよこの夢さがし』書き下ろしデータ
◆補足①:全冊サイン付きでお届け
◆補足②:サインを書いて加戸がすべての発送作業するため、購入から到着まで1週間~2週間くらいかかるかもしれないです。お許しください。がんばります。


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