「内向の世代」の作品をこれからも読むだろうという話
戦後文学が私にとって受容しやすいのは、現代社会が1945年以降のシステムの延長だからだろうと思う。
戦時中に成人以上の年齢の者は、徴兵による従軍体験をはじめ、太平洋戦争との関わりなしにその青春や人生を語ることは困難だ。
1925年生まれの三島由紀夫は、その境界に立つ作家として象徴的存在だ。
文学史上では彼を「第二次戦後派」として扱うが、その後現れた「第三の新人」まで、青春と戦争が密接に結びついていた。
そして1930年代に生まれ、少年期に敗戦を経験した人々は、石原慎太郎や大