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国立西洋美術館 企画展に行った

最寄駅に着くと、駅のほうから50代くらいの日本人女性が降りてきて、前を歩いている夫らしい人になにやら声をかけていた。Tシャツ姿の彼女はどうやらノーブラのようで、驚いた。
そういう経験は初めてに近い。同じようなことはコロナになる前の都心の地下鉄であった。これは西洋人らしい若いカップルの、女性のほうである。
だから何というわけでもないが、珍しいことなので、書き記しておこうと思う。

今日見た展示は、自然をテーマにしたものだ。

国立西洋美術館

上野にある国立西洋美術館は、長らく改装していたようだ。動物園に行くとき、通りかかったことはあるが、入るのは初めてだった。
美術館というのも、生涯で数回しかなく、西洋絵画の展示会は、2回目だ。

印象派やポスト印象派と呼ばれている画家たちの、ほとんどが油絵だった。間近でみると、絵の具の塊で、なんだかわからない。離れてみたほうが鮮明にみえるが、あまり離れすぎてみるのは他の客が視線に入るから難しい。
画家は、どのくらいの距離離れてみるように想定して描くのだろうか。また、なぜこれほど大きなキャンバスに描く必要があるのだろうか。

ゴッホには、さいきんずっと惹かれていて、今回初めて目にできたことを嬉しく思う。特に「ばら」は、小さいキャンバスに描かれていて、客の注目も集めていたし、宝石のように輝いていた。
また心に残ったのは、ジャン=フランソワ・ミレーとセガンティーニで、どちらも写実的な作風だ。自然の中で人間が活動している絵というのは、その空間に生きていた人の存在を実感でき、良い。

ジョヴァンニ・セガンティーニ「羊の剪毛」


コローの「ナポリの浜の想い出」などは、そうか、今見た風景ではなく、かつて暮らし今はみることのない風景としての想い出なのだと思うと、時空を越えるその瞬間の在り方に、感動した。私は大抵こういうのばかりに感動している気がする。
モネも印象に残っていて、最後のほうにフィナーレ的に展示されていた睡蓮よりも、暖かそうなポプラ並木や、真っ白な冬の絵に心惹かれた。

クロード・モネ「雪のアルジャントゥイユ」

展示会を出て、気に入った絵のポスト・カードを数枚買った。

曇り空だったが、その分暑くて困ることもなく、過ごしやすい気候の一日だった。

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