貧血の生理学
アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏 より
「貧血」
血が貧しい、乏しい、足りない。
足りなくなるには様々な原因がありますが、まずは、血液(の細胞)がどのように作られているのかについてお伝えします。
血液細胞の寿命
・赤血球:120日
・好中球:数日
・リンパ球:数日〜数年
・血小板:1週間程度
普段は、血液細胞数が一定になるように調節されています。一方、感染症時には白血球が増加し、出血時には赤血球産生が亢進します。
赤血球の産生
赤血球の産生を刺激する因子として、エリスロポエチンが知られています。
赤血球が減少して組織が酸素不足に陥ると、腎臓からエリスロポエチンが分泌されます。(エリスロポエチンは、幼弱な赤芽球に作用して、細胞増殖を誘導します。)
この図のように赤血球の不足に対して、腎臓のセンサーが働き、ホルモン(エリスロポエチン)を分泌し、骨髄に働きかけ、骨髄で必要量の赤血球が作られるという流れとなります。
この他にも以下のものが赤血球産生に必要となります。
赤血球産生に必要なもの
✅ DNA合成に必要であるビタミンB12や葉酸
✅ ヘモグロビン合成に必須な鉄
好中球産生には顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
赤血球産生にはエリスロポエチン(EPO)
血小板産生にトロンボポエチン(TPO)
とそれぞれの産生を調節するタンパク(造血因子)がある。
貧血の定義
「正常範囲を超えた血液単位あたりのヘモグロビン量の減少」と定義されます。
✅ 正常なヘモグロビン量の範囲(WHOの基準)
・成人男性13g/dL以上
・成人女性12g/dL以上
・妊婦女性11g/dL以上
小児も含めた全体の基準は以下の表となります。
WHOによる貧血の基準
貧血は、血液が薄くなり赤血球数やメモグロビン濃度が上記の正常範囲から外れて減少した状態を表します。
貧血による症状は多岐に渡ります。赤血球やヘモグロビン量が減少すると酸素を十分に運ぶことができなくなります。
身体は、この不足分を補うために心臓からたくさんの血液を送り出したり、呼吸数を増やすことで代償しようとします。この反応は、動悸や息切れを引き起こします。運動時はこの症状が特に強くなります。
貧血状態が悪化すると、倦怠感・疲れやすい・頭痛・めまいなどの症状も出てきます。
貧血による症状
・動悸、息切れ
・倦怠感、易疲労性
・頭痛、めまい、立ちくらみ
・顔面蒼白、冷え性
※ 高齢者においては、以下の症状も生じる可能性がある
・精神神経症状(認知障害)
・循環器症状(狭心症など)
・消化器症状(食欲不振)
今回は、血液(赤血球)の作られ方、貧血の定義、症状についてお伝えしました。
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アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏より
日本アレルギーリハビリテーション協会
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福のしま研究会
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アレルギーや自律神経に対するリハビリテーションの講習会情報につきましては、以下のHPをご覧ください。
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【今後の研修会予定】
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アーカイブ動画視聴:
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参加方法
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※アーカイブ動画視聴:9月20日〜10月4日まで配信
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『アレルギー疾患と理学療法』
日時 10月8日(日) 10:00〜16:00
会場 東京都江東区(現地参加申込者には申込後に詳細をお伝えいたします)
講師 一般社団法人日本アレルギーリハビリテーション協会
理学療法士 及川文宏
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『子供のケガと運動発達』
〜小児科看護師と理学療法士が運動発達から考える〜
日時 10月14日(土) 16:00〜17:00
会場 zoom(オンラインのみ)
※アーカイブ動画視聴:10月16日〜10月31日まで配信
講師 小児科看護師 合津 裕子 氏
理学療法士 及川文宏 氏
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主催:山形県理学療法士会
『自律神経に対する評価と介入』〜実技編〜
日時 11月11日(土) 10:00〜15:30
※対面のみ(アーカイブ無し)
会場 山形県立保健医療大学
講師 及川文宏
内容 人々の身体は自律神経が大きく関与しており、女性の身体のみならず様々な患者様に対して、その評価と介入が重要となります。昨年度、及川文宏先生を講師に「自律神経に対する評価・介入」と題して、オンライン研修会を開催しました。好評につき今年度は実技編を企画し、実際に対面形式で実技を通し、臨床で活かせるような知識と技術を学べる研修会です。
申込
第一次募集:9月21日まで
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第二次募集:9月22日から
「全国の会員」申込可
・セミナー番号 115507
・講義番号 242057
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