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#海馬

「海馬/脳は疲れない」を読んで、まとめ

「海馬/脳は疲れない」を読んで、まとめ

「海馬/脳は疲れない」を読んで、まとめた記事のまとめ

1 大人になっても記憶力は低下することはない

2 下手でもいいからコミュニケーションをとることの大切さ

3 脳のストッパー

4 30歳以降に伸びる能力

5 神経細胞と脳紋認証(のうもんにんしょう)

6 前頭葉とは

7 脳は疲れない

8 脳の成長スピードは非常に速い

9 海馬の魅力について

10 偏桃体について

11 海馬と

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「海馬/脳は疲れない」を読んで14 記憶と夢

「海馬/脳は疲れない」を読んで14 記憶と夢

寝ることで海馬が整理されて記憶として定着する、というのは今では常識となりつつある。

眠っている間に海馬は、神経細胞1つ1つの整理をしている。
海馬の神経細胞は全部で1000万ぐらいあるのだが、仮にそれを1,2,3、と番号をふったとする。

夜寝ている間に「朝は1番の神経細胞を使った、お昼には3番、夕方には4番を、夜中には5と6を」と思い出しながら、急に2番と4番をつなげたり、1番と5番をつなげた

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「海馬/脳は疲れない」を読んで11 海馬と偏桃体を活性化して記憶力を高める

「海馬/脳は疲れない」を読んで11 海馬と偏桃体を活性化して記憶力を高める

脳には意識するしないに関わらず、非常にたくさんの情報が入ってくる。その情報は一度すべて海馬に送り込まれ、海馬ではじめて統合される。
しかしその情報のほとんどがそのまま捨てられる。

情報が整理されないまま、脳が全ての情報を記憶してしまうと、数分で容量一杯になってしまうからだ。人間はそのくらいたくさんの情報にさらされている。

海馬によって「役に立つ」「役に立たない」という仕分けをされている。

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「海馬/脳は疲れない」を読んで10 偏桃体について

「海馬/脳は疲れない」を読んで10 偏桃体について

面白いことに、感情の記憶に海馬は関係していない。海馬のない人がヘビに出くわして「怖い目」にあったとしても、ヘビに出会ったこと自体は憶えていない。
しかしそれ以降、会うたびに怖いなということは感じているという。

印象は憶えているけど内容は憶えていない。

その謎を解き明かすカギが偏桃体と言われる部分である。
感情を司るこの偏桃体の「感情の記憶」というのはより本質的で、生命に直接関係があるのでよりい

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「海馬/脳は疲れない」を読んで9 海馬の魅力について

「海馬/脳は疲れない」を読んで9 海馬の魅力について

脳の記憶の仕方にとって、とても大切な特色は「可塑性」である。
可塑性とは、形が変わること。粘土なんかを想像してもらうと分かりやすい。

脳は変化したものを変化したままにしておく。
例えば、一度「ヘビは怖い」とか「蜂は怖い」という記憶が出来上がると、これをなくすことはできない。
もし克服したいなら、その記憶の上から「怖くない」という回路を作らなければいけない。

それでも、ある時に突然また怖くなって

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「海馬/脳は疲れない」を読んで6 前頭葉とは

「海馬/脳は疲れない」を読んで6 前頭葉とは

科学者は脳の中の特化した部分を見る。
他の動物と比べて脳の中のどこが大きいか、を見ることでその動物が何を得意とするかが分かる。

例えば小脳。これは運動を司る部位なのだが、ネズミの小脳は人間の小脳よりも脳全体の中で比較すると大きな割合を占める。
ネズミの方が人より動きがある為だ。

ちなみに小脳の割合がもっとも大きい動物が鳥だ。急旋回したり、上から狙う、といった運動神経が素晴らしい。

人間だと、

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「海馬/脳は疲れない」を読んで5 神経細胞と脳紋認証(のうもんにんしょう)

「海馬/脳は疲れない」を読んで5 神経細胞と脳紋認証(のうもんにんしょう)

ネズミの脳にはシワがない。ちなみにシワが多いのはイルカだそうで、これは人間より多いという。
人間の脳のシワを広げたら約新聞紙1枚分、それに比べネズミはシワがないため全部で10円玉くらい。

と聞くと、「脳は大きい方がいいのか」と思えるが、
人間の男性で1400g、女性で1200g。
男性の方が賢いとは言えないし、脳の大きさで言えば鯨の方が大きい。

そんな人体の脳には、およそ1千億の神経細胞が集ま

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「海馬/脳は疲れない」を読んで4 30歳以降に伸びる能力

「海馬/脳は疲れない」を読んで4 30歳以降に伸びる能力

人の脳は、30歳を過ぎる頃から独特の働きをするようになる。
というのも、つながりを発見する能力が非常に伸びるのだそうだ。

例えれば、英語のうまい人はフランス語の上達も早い、ソフトボールがうまい人は野球の上達が早い、という具合に。

前に学習したことを生かせる能力、一見関係のないようなもの同士を以前自分が発見したものに近いつながりを感じる能力が、30歳を超えると飛躍的に伸びる。

脳の研究の中で、

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「海馬/脳は疲れない」を読んで3 脳のストッパー

「海馬/脳は疲れない」を読んで3 脳のストッパー

身体が耐えられないほどの力を加えないために、筋肉にはストッパーがある。
脳は人間の吸収するエネルギーの20~30%を使っているが、それでも脳の能力は2%しか使われていないとされている(家の構造と同じで一度に使われる部分が2%にとどまるとも言われる)ので、脳にも似たようなストッパーがある。

素潜りの選手が心拍数を遅くしたりできるのは、意識的に特殊な訓練をしてそのストッパーを休ませているものだと思わ

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「海馬/脳は疲れない」を読んで2 下手でもいいからコミュニケーションをとることの大切さ

「海馬/脳は疲れない」を読んで2 下手でもいいからコミュニケーションをとることの大切さ

ビジネスやクリエイティブの世界で「あの人は何かやったなぁ」とまわりに思われるようなすごい人に会うと、驚く。
一般的には無口とか物静かと思われている人でも実際には饒舌なのだ。もう、一流と言われるような人は全員が「おしゃべり」といってもいい。

それはきっとモノや人との結びつきを絶えず意識している力があるからだと思われる。コミュニケーション能力が高いというか。
コミュニケーション能力が低いとか、しゃべ

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「海馬/脳は疲れない」を読んで1   大人になっても記憶力は低下することはない

「海馬/脳は疲れない」を読んで1   大人になっても記憶力は低下することはない

この本は池谷 裕二(いけがや ゆうじ、1970年生まれ)さん
日本の脳研究者、薬剤師であり東京大学・大学院薬学系研究科・教授。神経科学および薬理学を専門とし、海馬や大脳皮質の可塑性を研究する。脳科学の知見を紹介する一般向けの著作も書いている。

と、

糸井 重里(いとい しげさと、1948年生まれ)さん
日本のコピーライター、エッセイスト、タレント、作詞家。株式会社ほぼ日代表取締役社長。フィール

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