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#海馬
「海馬/脳は疲れない」を読んで10 偏桃体について
面白いことに、感情の記憶に海馬は関係していない。海馬のない人がヘビに出くわして「怖い目」にあったとしても、ヘビに出会ったこと自体は憶えていない。
しかしそれ以降、会うたびに怖いなということは感じているという。
印象は憶えているけど内容は憶えていない。
その謎を解き明かすカギが偏桃体と言われる部分である。
感情を司るこの偏桃体の「感情の記憶」というのはより本質的で、生命に直接関係があるのでよりい
「海馬/脳は疲れない」を読んで9 海馬の魅力について
脳の記憶の仕方にとって、とても大切な特色は「可塑性」である。
可塑性とは、形が変わること。粘土なんかを想像してもらうと分かりやすい。
脳は変化したものを変化したままにしておく。
例えば、一度「ヘビは怖い」とか「蜂は怖い」という記憶が出来上がると、これをなくすことはできない。
もし克服したいなら、その記憶の上から「怖くない」という回路を作らなければいけない。
それでも、ある時に突然また怖くなって
「海馬/脳は疲れない」を読んで6 前頭葉とは
科学者は脳の中の特化した部分を見る。
他の動物と比べて脳の中のどこが大きいか、を見ることでその動物が何を得意とするかが分かる。
例えば小脳。これは運動を司る部位なのだが、ネズミの小脳は人間の小脳よりも脳全体の中で比較すると大きな割合を占める。
ネズミの方が人より動きがある為だ。
ちなみに小脳の割合がもっとも大きい動物が鳥だ。急旋回したり、上から狙う、といった運動神経が素晴らしい。
人間だと、
「海馬/脳は疲れない」を読んで3 脳のストッパー
身体が耐えられないほどの力を加えないために、筋肉にはストッパーがある。
脳は人間の吸収するエネルギーの20~30%を使っているが、それでも脳の能力は2%しか使われていないとされている(家の構造と同じで一度に使われる部分が2%にとどまるとも言われる)ので、脳にも似たようなストッパーがある。
素潜りの選手が心拍数を遅くしたりできるのは、意識的に特殊な訓練をしてそのストッパーを休ませているものだと思わ
「海馬/脳は疲れない」を読んで2 下手でもいいからコミュニケーションをとることの大切さ
ビジネスやクリエイティブの世界で「あの人は何かやったなぁ」とまわりに思われるようなすごい人に会うと、驚く。
一般的には無口とか物静かと思われている人でも実際には饒舌なのだ。もう、一流と言われるような人は全員が「おしゃべり」といってもいい。
それはきっとモノや人との結びつきを絶えず意識している力があるからだと思われる。コミュニケーション能力が高いというか。
コミュニケーション能力が低いとか、しゃべ
「海馬/脳は疲れない」を読んで1 大人になっても記憶力は低下することはない
この本は池谷 裕二(いけがや ゆうじ、1970年生まれ)さん
日本の脳研究者、薬剤師であり東京大学・大学院薬学系研究科・教授。神経科学および薬理学を専門とし、海馬や大脳皮質の可塑性を研究する。脳科学の知見を紹介する一般向けの著作も書いている。
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糸井 重里(いとい しげさと、1948年生まれ)さん
日本のコピーライター、エッセイスト、タレント、作詞家。株式会社ほぼ日代表取締役社長。フィール