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【未来の教育No.1】「未来想像・創造授業」に込めた想い

こんにちは、フクちゃんです。
今日は2年間続けた、都内高等学校さまへの「未来想像・創造授業」を紹介します。

「未来想像・創造授業」は2020年度から2年間、高等学校様に提供してきました。その内容をこちらのnoteでも紹介出来ればと思っています。

「未来想像」から見えてきた新たな教育のかたち

私の社会人としてのお仕事として、2050年の未来を考えるというプロジェクトを行ってきました。東大の松尾先生や将棋棋士の羽生さん、僧侶の塩沼大阿闍梨、アーティストのスプツニ子!さんなど非常に多彩な人に集まって頂き、2050の「ありたい未来とは何か?」を議論してきました。

そこで得た知見をカードであったりアニメーションであったりに変換し、それを授業として学生に提供させて頂きました。

目的は下記になります。

「ありたい未来を考えることで、自分の本当にやりたい事をみつける」

自分の本当にやりたい事って、皆さんは自身でお気づきでしょうか?少なくとも私は最近になるまで気づいていませんでした(汗

中学・高校の時に数学の成績が良かったこと、あとは「理系に行っておけば就職時有利」という周りの声を基に理系の大学に進学。そして当時流行っていたシステムエンジニアとして超大企業に就職。まさに高校の時に描いていた「安定した生活」の基盤を手に入れたと思いました。

しかし、社会人になって以降、その考えで人生すべてを通すことが本当にWell-beingなのか?に疑問を持つことになります。システムエンジニア、深夜も休日もなく年間約1,000時間の残業をし続けて、30歳のころに体を壊しました。安定した生活が欲しかっただけで、なにもシステムエンジニアである必要もなかったし、そもそもすごく忙しくて全然安定していませんでした、心が。

そこでシステムエンジニアに見切りをつけ、マーケティング職に移り、色んな経験を得た上で上記のプロジェクトを担当することになりました。その時に一つの社会課題に気づきます。

「日本人の学生の、自己肯定感が低い」

マーケターとして色んなデータを見ていた時に、国立青少年教育振興機構さまのデータを見て「ああ、やはり」と思っていました。

日本の高校生は、「私は人並みの能力がある」「自分は、体力には自信がある」「自分は、勉強が得意な方だ」「自分の希望はいつか叶うと思う」という問いに対して、「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した者の割合が4か国中で最も低い。一方、「自分はダメな人間だと思うことがある」の問いに対して、「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した者の割合が高く、米中韓を大きく上回っている

https://www.niye.go.jp/kanri/upload/editor/98/File/12.9.pdf

私自身学生時代はとにかく勉強。しかも社会勉強やディベート、英語などではなく「受験勉強」でした。これをやることに、どれだけの意味があるのか、当時からとても不思議でした。でも、この社会で安定して生きるには、とりあえずいい大学に入ることが重要だと思い、泣く泣く勉強していました。

これで本当に自己肯定感が上がるでしょうか?その結果が、上記データにも出ているのでは?と私は考えます。

そこで思いついたのが「自分の本当にやりたい事をみつけることが、実はWell-beingにすごくいいのでは?」でした。では、自分の本当にやりたい事をみつけるにはどうしたら良いか?その為に有効なのが、ありたい未来を考えることでした。

「ありたい未来を考える」

UNESCOはFutures Literacyと題し、これを21世紀に必須な能力としています。

UNESCO

"Futures Literacy, a universally accessible skill that builds on the innate human capacity to imagine the future, offers a clear, field tested solution to poverty-of-the-imagination"
"未来を想像する人間の生来の能力を基礎とする、普遍的に利用可能なスキルである「未来リテラシー」は、「想像力の貧困」に対する明確な、現場で検証された解決策を提供します"

翻訳 by DeepL

未来を想像する能力というのは生来的なものであり、誰もがこれを使って何をやるのかを決めているかと思います。それを、未来を議論してきたプロジェクトで得た知見を基に、体系立てて授業として提供しようかと考えたのが高等学校様との取り組みでした。

下記が、私が実施した「未来想像」をベースとした授業

未来創造授業

です。

生徒には我々が作ったコンテンツを使い、友人や社会人と議論してもらい、その中で「これが自分独自の考えや想いだ」ということに気づき「なら、これをやっていく人になろう」を考えてもらいます。
授業としては計6回。各1.5Hを使いみんなで議論し、ありたい未来の姿を見つけ出します。

恥ずかしくてホンネを出せない生徒も居ましたが、オトナも入ることで結構しっかりと考えてもらえたと考えています

成果の一つとして、代表生徒にサイエンスアゴラ2021というイベントに出てもらい発表してもらいました。

サイエンスアゴラ2021「未来の共感は"New Commons"から生まれる」


そこで出た:

一人ひとり異なる答えを抱いているとしても、おそらく言えることは、ひとりで生きていくわけではなく、誰かと“どこかで”生きていくということだと思います

という発言は未だ私の脳裏に焼き付いています。
彼女は、我々が授業を提供する前までに「ありたい未来」の仮説をいくつか持っていたのだと思います。それを授業の中で研磨し、さらにはその案を我々のようなオトナであったり、同級生であったりにぶつけていき。そしてある種の自信・確信を得て、それを実施する為には1人の力だけでなく多くの人と共感・共鳴してやっていく必要があることを導き出したのだと考えています。
ありたい未来を見つけることも授業目的一つでもありますし、もし案をすでに持っている学生さまがいらしたら、それを授業内でぶつけていくことで確信を得ていくというのも授業目的の一つです。

この授業を、昨年度までは会社でやっていたのですが、今後は個人としてやって行きたいと考えています!これからも、このnoteを使ってこれまでの経験であったり、今後やりたい教育の内容であったりを発信していこうと考えています。

今日はちょっと長文でしたが、読んでいただきありがとうございました。
ぜひ、ご感想ありましたらお聞かせ願えればうれしいです。
合掌。

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