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短編小説『E♭の夜想曲』

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筆者の処女作です。読み方は『イーフラットのノクターン』です。
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短編小説『E♭の夜想曲』Op.3

短編小説『E♭の夜想曲』Op.3

これまでのお話はこちら

8月10日

ついにこの日がやってきた。私は前日から緊張して上手く寝つけなかった。
何ヶ月もこの日のために練習してきたんだ。この10分間のために。

そうこうしていると、とうとう私たちの学校の番がやってきた。

エントリーナンバー12 ○○県立□□高等学校

私たちの10分間の戦いがスタートした。

無事に演奏を終えた。私たちはそれぞれ達成感や充足感を感じていた。中にはも

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短編小説『E♭の夜想曲』Op.2

短編小説『E♭の夜想曲』Op.2

前回の話はこちら

6月22日

最近は梅雨のため雨の日が多く、河川敷で練習することはほとんど無くなっていた。
今日も雨が降っていたので練習はできないが、私は部活帰りに河川敷へ向かった。
河川敷は家とは反対方向なのだが、どうしても様子が気になったのだ。

「...やっぱり居ないか」

連日この雨だ。やはりおっさんは居なかった。
こんなに濡れた草の上に座るのも嫌だよな。

ここ最近は授業中も部活中も

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短編小説『E♭の夜想曲』Op.1

短編小説『E♭の夜想曲』Op.1

5月14日

辺りは暗く、人影はどこにもない。
聴こえるのは虫の声と川の流れる音だけ。
自然の音色に混じって私、牧原奏はサックスを奏でていた。

この河川敷は、サックスの練習にちょうどいい。
近くに住宅がないから迷惑にならないし、近所の人に怒られることもない。

家で演奏すると親に怒られるから、公園や広場、色々と場所を変えたが、どこに行ってもうるさいと怒られた。
しかし、ここは人っ子一人いない。や

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